作文の終わりはどう結ぶ?上手な終わり方に必要な3つの形式とは

「どう書いたら良いのか分からない」
「うまく書けない」
「気持ちを伝える文章が書けない」

など、作文に苦手意識を持つ子どもは多くいます。

その子どもの多くは、作文をひとまとまりで捉えていることが少なくありません。

しかし、実際に原稿用紙に書く場合は、3部構成(始め・なか・終わり)にすると、書くことが浮かんで書きやすくなります。

ここでは、3部構成の中の最後の部分(終わり)に焦点をあててみていきます。

さらに、終わり方の3つの形式を、例を挙げてご紹介します。

始めは上手な文章を真似して練習すると早く上達します。

そして、作文の中でこれらの形式を実際に使えるようにすれば、周りと差が付く作文が書けることでしょう。

作文の「終わり」の部分はどこ?構成に大切な最後のまとまり

作文を書くときは、「始め」「なか」「終わり」の3つの構成を意識して書くとスムーズです。

「始め」は「書き出し」に当たる部分で、印象深い書き出しは読み手を惹きつける効果があります。

「なか」は書きたいことや伝えたいことを書いて、自分の思いを表現します。

「終わり」は、「なか」で書いた内容から自分が思ったこと、反省したことなどをまとめて締めくくります。

ただ、「△△をした。○○と思った。」の連続だけでは単調でつまらない作文になってしまい、書いている人も読む人も面白くありません。

「終わり」に工夫を凝らして、印象深い作文に仕上げましょう。

「始め」「なか」「終わり」の区切りは、決められた字数をだいたい3分割して区切ると書きやすくなります。

作文の終わり方はどう書くといい?印象に残る3つの形式

「タイトル」や「書き出し」など、作文には重要なパーツが存在します。

同じように「終わり方」も大切です。

それぞれのパーツにどう工夫を凝らすかで、作文全体の印象は変わってきます。

小学生の作文で使いやすい「終わり方」には、主に3つの形式があります。

  • 基本的な終わり方
  • 余韻を残す終わり方
  • 疑問を投げかける終わり方

それぞれの終わり方の例を見て、書き方の参考にしてください。

●形式その1 基本的な終わり方
自分の考えや感想を書いて締めくくります。印象深い思い出や反省したことの気持ちなどを素直に言葉で表現します。

例1 楽しかった思い出の場合
 ・また、行ってみたいと思いました。
 ・まだ家に帰りたくないなあ、と思いました。
 ・もっと遊んでいたい、と思いました。

例2 悔しかった思い出の場合  
 ・今度こそ負けたくない、と思いました。
 ・次は絶対に一番になると胸に誓いました。

例3 こわい思い出の場合
 ・腕の肌がぶつぶつになっていて、はじめて「鳥肌が立つ」経験をしました。
 ・血の気が引いて、もうこんなこわい思いはしたくない、と思いました。

例4 反省したことの場合
 ・これからは、もっと○○したいと思いました。
 ・次はよく考えて○○しようと思います。
 ・もう絶対に○○しないと心に決めました。

例5 貴重な体験をした場合
 ・今までで一番忘れられない体験になりました。
 ・本当に心に残る思い出となりました。
 ・とても良い経験ができました。

このように、作文に書いた事柄に対する自分の気持ちを素直に表現することが大切です。

素直に表現することで、気持ちが回り道せず、ストレートに読み手に伝わります。

形式その2 余韻を残す終わり方

余韻とは、物事が終わってからも残る風情のことです。

面白い映画を観た後に、興奮冷めやらぬ状態になったり、悲しいドラマを観た後に涙が止まらなかったりするのは、映画やドラマを観た後の余韻を味わっている証です。

余韻を残すことは、文章でもできます。

そこで大切なのは、想像力が膨らむ文章にすることです。

事柄の終わりや場面が伝わるような表現をすることで、その場の雰囲気や書き手の感情を読み手に想像してもらいます。

このとき、「楽しい」「悔しい」などの具体的な感情表現は入れなくてもかまいません。

余韻を残す終わり方には、以下の2つ方法が挙げられます。

  • 事柄(様子)で終わる場合
  • 記号を使う場合

それぞれ例を挙げてみていきましょう。

例1 事柄(様子)で終わる場合
 ・(1)辺りが暗くなっても、ぼくは一生懸命走り続けた。
 ・(2)私を応援するかのように、小鳥のさえずりが聞こえた。
 ・(3)静寂のなか、審査員の声が響いた。「――優勝は○○です!」

(1)では、「走る」ことへの情熱が伝わる終わり方になっています。(2)では、さわやかな雰囲気から、書き手の前向きな思いが伝わります。

(3)では、誰かが「優勝」したことから、喜びもしくは悲しみ、悔しさといった気持ちが想像できます。

次に記号を使う場合をみていきましょう。

例2 記号を使う場合
 ・(1)こうして私は生きていく――。
 ・(2)手を振り続けた。いつまでもいつまでも……。

(1)のように、「―(ダッシュ)」を使うと、書き手の堅い決意が感じられます。

(2)では、いつまでも手を振っている情景が浮かび、名残惜しさを感じさせます。

このように、「終わり方」を一工夫して余韻を残すと、作文が物語のように印象的になります。

次に、疑問を投げかける終わり方についてみていきましょう。

形式その3 疑問を投げかける終わり方

最後に疑問を投げかける終わり方は、読み手の想像をかき立てます。


・彼はいったい何を思ったのでしょうか。
・果たして本当に終わったのだろうか。
・私は間違っていたのだろうか。

ただし、この形式で書くときは、疑問を持つきっかけとなる事柄をしっかりと作文の中身で書いておくことが大切です。

例えば、以下の( )内の事柄をしっかりと「なか」の段階で伝えておきます。

  • (友人と一緒にした体験を書いた作文で)彼はいったい何を思ったのでしょうか。
  • (達成感の中、成し遂げた内容の作文で)果たして本当に終わったのだろうか。
  • (自分の意見を様々な方向から考える作文で)私は間違っていたのだろうか。

「疑問を投げかける終わり方」はレベルが高いので、初めのうちは「基本的な終わり方」から始めてみるとよいでしょう。

文章力がついてきたら、さまざまな終わり方を工夫して書いてみて下さい。

作文の終わり方をひと工夫して、文章全体を輝かせよう!!

作文の終わり方についてお伝えしましたが、いかがでしたか?

終わりの文章は作文の全体を締めくくる大切な部分です。作文で何を伝えたかったのかをはっきりとさせ、印象に残る終わり方を工夫してみて下さい。

終わり方の3つの形式をおさらいしてみましょう。

  • 基本的な終わり方…考えや感想を書く
  • 余韻を残す終わり方…事柄(様子)を書いたり、記号を用いたりする
  • 疑問を投げかける終わり方…内容に対する疑問を書く

これらの終わり方を取り入れて、ひときわ輝く文章の結びに仕上げてください。

とはいえ、初めからうまい文章はなかなか書けません。

作文の力を付けるために、気に入った本や作者のうまい表現を真似してみると良いでしょう。

何度も練習を繰り返すうちに、効果的な表現が身についてきます。

作文の最後を締めくくる終わり方の3つの形式も、効果的に使えるようになれば、作文を書くのが楽しくなるかも知れません。

納得のいく作文が書けますように――。

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