太り過ぎや小さ過ぎはどこから?小学生の平均身長と平均体重


身長や体重の平均値は、子供が順調に育っているかどうかを知る大きなヒントになりますよね。

特に、発育の個人差が大きい小学生を育てている親御さんなら「家の子は平均的かしら?」と一度は考えた事があるでしょう。

そこで今回は、小学生の平均的な身長や体重をはじめ低身長や思春期早発症、小児肥満などの見極めポイントについてまとめてみました。

平均身長と平均体重の一覧表

小学校に入学すると、その年の春先に集団で健康診断が行われます。ですが、たとえ我が子と仲の良いお友達だからと言って「ちょっとおばさんに健康診断の結果を見せて!」なんてお願いする訳にもいきません。

そんな時に役立つのが、文部科学省で公開している「学校保健統計調査報告書」なんです。

ここでは、平成29年度に教育機関で行われた健康診断の結果を集計したデータを基に、男女別の平均身長と平均体重についてご紹介しましょう。

男の子の平均値はどれくらい?

小学校に上がった男の子は、お友達とサッカーや野球などスポーツをする機会が増えてきますよね。何かとお友達と競い合うようになる分、高学年になるほど背の高さを意識する男の子が増えてくるようです。

学年/年齢 平均身長 平均体重
小学校1年生(6歳) 116.5cm 21.4kg
小学校2年生(7歳) 122.5cm 24.1kg
小学校3年生(8歳) 128.2cm 27.2kg
小学校4年生(9歳) 133.5cm 30.5kg
小学校5年生(10歳) 139.0cm 34.2kg
小学校6年生(11歳) 145.0cm 38.2kg

上記の情報から、6年間で身長の伸びが30㎝弱、体重が17kg近くも増えているのが分かりますね。

食の欧米化が進むにつれて日本でも大柄な子供が増えていましたが、平成6年度~13年度ころをピークに現在では横ばい傾向になっているそうです。

女の子の平均値はどれくらい?

昔から女の子は男の子より「ませている」と言われますが、小学校に上がると今までにも増して周りからどんな風に見られているのか容姿を気にするようになってきます。

最近では、小学校低学年でもダイエットに関心を持ったり身長や足の長さを気にしたりする女の子も増えているようです。

学年/年齢 平均身長 平均体重
小学校1年生(6歳) 115.7cm 21.0kg
小学校2年生(7歳) 121.5cm 23.5kg
小学校3年生(8歳) 127.3cm 26.4kg
小学校4年生(9歳) 133.4cm 29.9kg
小学校5年生(10歳) 140.1cm 34.0kg
小学校6年生(11歳) 146.7cm 39.0kg

上記の情報から、6年間で身長の伸びが30㎝以上、体重が18kgも増えているのが分かりますね。

身長を性別で比較してみると、1~4年生までは男の子の方が少しだけ高く、5~6年生になると女の子の方が若干高くなるのが特長的です。

平均より背が低すぎるなら低身長かも?

子供の身長は、誰もが平均的なスケジュール通りに伸びるという訳ではありません。緩やかなペースで徐々に伸びる子もいれば、学年が上がるにつれて急激に伸びてくる子もいます。

ですが、「最近、身長が伸びていないかも?」「今年もクラスで一番低い」といった不安を感じているなら、低身長に該当するケースかもしれません。

低身長の種類と特長

低身長を大きく分類すると、下記の2種類に分けられます。

【 低身長の種類と割合 】

  • 体質的:両親の背が低いなど遺伝的な影響を受けた個性で、低身長症全体の95%ほど
  • 病的:低身長症全体の5%以下と発症率は低いものの、早期発見が治療のカギとなる

上記の情報から、小学生の低身長はそのほとんどが親から受け継いだ体質的なもの!という事が分かりますね。

特に出生時の体重が小さかった子ほど発達が緩やかな傾向にありますが、中学生や高校生になってから急激に伸びる子も珍しくありません。

病的な低身長症とは?

体質的な低身長が大部分を占めるとは言え、同じ学年の平均値と比べて極体に背が低いと不安になりますよね。

ですが、病的な低身長症には治療で改善されるケースが多く、いずれも早期の発見・治療の開始が重要だと指摘されています。

【 病的な低身長症の種類 】

  • 成長ホルモンの病気:成長ホルモン分泌不全性低身長症
  • 甲状腺ホルモンの病気:甲状腺機能低下症
  • 染色体の病気:ターナー症候群/プラダー・ウィリー症候群
  • 子宮内発育不全:SGA性低身長症
  • 骨や軟骨の病気:軟骨異栄養症
  • 臓器の病気:心臓/肝臓/腎臓など

どこからが低身長なの?

同じ年齢の子と比較して身長が平均以下だからと言って、印象だけで低身長と決めつける事はできません。まずは、低身長の医学的な定義を把握しておきましょう。

【 低身長の定義 】

  • -2SD以下:同性・同年齢・同月齢の子供100人中、前から2~3番目に身長が低い
  • 1年間の伸び:4~5cm以下の場合は注意が必要

男女別!低身長の早見表

低身長かどうかを正確に見極めるには、性別や学年だけでなく月齢まで考慮に入れてチェックしましょう。

【 男の子 】

年齢 平均身長 -2SD -2.5SD
1年生/7歳0ヵ月 119.6cm 109.4cm 106.9cm
2年生/8歳0ヵ月 125.3cm 114.7cm 112.1cm
3年生/9歳0ヵ月 130.9cm 119.7cm 116.9cm
4年生/10歳0ヵ月 136.4cm 124.6cm 121.7cm
5年生/11歳0ヵ月 142.2cm 129.0cm 125.7cm
6年生/12歳0ヵ月 149.1cm 133.9cm 130.1cm

【 女の子 】

学年/年齢 平均身長 -2SD -2.5SD
1年生/7歳0ヵ月 118.8cm 108.8cm 106.3cm
2年生/8歳0ヵ月 124.6cm 113.8cm 111.1cm
3年生/9歳0ヵ月 130.5cm 118.7cm 115.8cm
4年生/10歳0ヵ月 136.9cm 123.9cm 120.7cm
5年生/11歳0ヵ月 143.7cm 130.3cm 127.0cm
6年生/12歳0ヵ月 149.6cm 137.0cm 133.9cm

平均より背が高すぎるなら思春期早発症かも?

背が低すぎる事を気にする親が多いのに対して、背が高い事を気にする親はそう多くはありません。

ですが、小学校低学年で極端に背が高いのは要注意!低学年の身長は成長曲線に沿って成長するのが一般的ですが、明らかに上向き傾向が見られる場合は思春期が早く始まった可能性があります。

事実、公益財団法人 日本学校保健会によると思春期早発症に気付かず治療を受けなかった子の多くが、大人になってから低身長になると指摘されているんです。

特に男子の場合は背が高い事で優越感を感じがちですが、腫瘍が原因で思春期早発症に繋がるケースも報告されていますので注意が必要です。

但し、思春期早発症は精巣発育や乳房発育など二次性の特長を把握するのが難しいと言われています。

まだ低学年にも関わらず平均値より遥かに背が高い、もしくは短期間に急激に伸びたという場合は早めに専門医に相談してみましょう。

小学生でも要注意!小児肥満のリスク

小さい頃はぽっちゃりしている方が健康的に見えますが、小学生にもなると見た目の印象だけで良し悪しを判断する事はできません。

事実、小児肥満の実に70%が大人になってからメタボリック・シンドロームに移行すると言われており、6~15歳の肥満児の10~35%がメタボに該当するという調査結果も報告されているんです。

肥満は生活習慣病などの様々な合併症を伴いますが、特に下記のような疾患が代表的です。

【 肥満のリスク 】

  • 2型糖尿病
  • 脂質異常症
  • 高血圧
  • 心筋梗塞
  • 脳卒中
  • 脂肪肝

ちなみに日本小児内分泌学会によると、肥満によって動脈硬化の進行や睡眠時無呼吸症候群を引き起こすリスクは、たとえ子供であっても過誤できないと警鐘を鳴らしています。

小児肥満の特長とは?

北海道にある「むらしたこどもクリニック」によると、小児肥満には下記のような傾向があると解説されています。

【 小児肥満の特長 】

  • 増加傾向:30年前に比べて2~3倍も増えている
  • 割合:各年齢で5~12%が該当する
  • 男の子のピーク:11歳
  • 女の子のピーク:12歳

小児肥満の増加傾向はここ数年で緩やかになっていきたという調査結果も報告されていますが、現在でもおよそ10人に1人は該当しているんですね。

また、上記に加えて東北や北海道など寒冷地の方が暖かい地域より肥満の比率が高いのも特長です。

寒い地域特有の、味の濃い食事が影響していると指摘する医療関係者も少なくありません。

男女別!小児肥満の割合

文部科学省で公開している「学校保健統計調査報告書」の平成29年度版によると、肥満傾向児の割合について下記のような結果が報告されています。

年齢 男の子 女の子
6歳 4.39% 4.42%
7歳 5.65% 5.24%
8歳 7.24% 6.55%
9歳 9.52% 7.70%
10歳 9.99% 7.74%
11歳 9.69% 8.72%

上記の情報から、低学年では性別の差が目立たないものの学年が上がるにつれて男の子の方が女の子よりも肥満傾向が高い!という事が分かりますね。

ちなみに、肥満傾向児とは肥満度20%以上の子供を対象としています。

肥満度をチェックしてみよう!

乳幼児であればカウプ指数、成人であればBMIによって肥満度を算出するのが一般的です。

特にBMIを用いた算出方法は国際的な指標として知られていますが、性別によって身体発育の差が目立つ学童期の子供に対しては不向きと言われています。

そこで日本では、身長と体重から単純に算出されるBMIよりも男女の差が適切に反映されやすい小児内分泌専門医が推奨する指標、もしくは結果が5段階に細分化されるローレル指数を用いて算出されているんです。

ここでは、より算出方法が簡単で文部科学省でも採用されている小児内分泌専門医が推奨する指標についてご紹介しましょう。

【 小学生の肥満度チェック 】

  • 肥満度の計算式:(実測体重-標準体重)÷標準体重×100(%)
  • 肥満度20%以上:軽度肥満
  • 肥満度30%以上:中等度肥満
  • 肥満度50%以上:高度肥満

小児肥満の原因は?

小児肥満は症候性と単純性の2種類に分類されており、それぞれ下記のような特長があります。

▼単純性肥満(原発性肥満)

  • 割合:小児肥満全体の95%以上
  • 原因:食事摂取量過多/運動量低下など

▼症候性肥満(2次性肥満)

  • 割合:小児肥満全体の5%以下
  • 原因:視床下部性/内分泌疾患/遺伝性疾患/ホルモン異常/薬剤使用など

上記の情報から、小学生の小児肥満はそのほとんどが食生活や生活習慣に大きな影響を受けている!という事が分かりますね。

長年、茨城県の小学校で校医をされている「こいえ産婦人科」によると、特に下記のような食生活が習慣になっている子供は注意が必要だと解説されています。

【 小児肥満に繋がる食生活 】

  • 甘いお菓子やスナック菓子を食べる機会が多い
  • ジュースやスポーツドリンクを日常的によく飲む
  • 味の濃い食べ物が好きで、ソース・マヨネーズ・ドレッシングなどをかけ過ぎる
  • 外食やファーストフードの利用回数が多い
  • 大食いや早食い、ながら食いやドカ食いなどが習慣になっている
  • 朝食抜きや寝る前の夜食など、基本的な食生活が乱れている

平均値より成長曲線に沿ったペースが重要!

確かに、平均値のような目に見える数値は順調に育っているかどうかを知るヒントになりますが、気にし過ぎるのも考え物です。

特に小学生の発育は個人差が大きくペースも人それぞれ!たとえ平均値を下回っていたり上回っていたりする時期があったとしても、成長曲線に沿って発育していれば大きな問題にはならないというのが医療関係者の共通認識です。

但し、身長が-2SD以下だったり体重の肥満度が20%以上だったりする場合は、注意深く観察しつつ食生活や運動などに気を配ってあげましょう。

気になる場合は、小児科の診療を受けたついでに相談してみると安心ですよ。

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