子供が太る時期はいつ?急に太り始めたお子さんの原因と対策法


最近、うちの子がぽっちゃりしてきたけれど、問題はないのかな・・・子供が急に太り始めてきて心配しているパパ・ママもいるのではないでしょうか?

お子さんの肥満が気になるときは、子供が太りやすい時期を知って対策しましょう。子供には太る時期があり、それは「幼児期」と「学童期」に起こりやすくなるといわれています。「小学生になったら、うちの子が急に太りだした・・・」という悩みの原因は、子供が太りやすい時期に入ったせいかもしれません。

子供の肥満は、早めに気づいて対策したほうが解消されやすくなります。子供が太りやすい時期を確認して、肥満の原因に効果的な対策法で予防・改善しましょう。

ここでは子供が太る時期、肥満による心配事、原因、チェック方法、解消法などをご紹介しますので、お子さんの体型が気になるときにお役立てください。

子供が太りやすい時期は「幼児期」と「学童期」

近年、子どもの肥満が増えて問題になっています。文部科学省の報告によると1970年から2000年の間で子供の肥満は約3倍に増加しているとされており、小中学生の10人に1人は肥満という話もあります。

子供の肥満は、「2歳から4歳頃の幼児期」と「10歳から12歳頃の学童期」に起こりやすくなります。幼児期は甘いおやつの食べすぎ、学童期は運動不足などが肥満の原因として考えられています。

子供の肥満は身長が伸びると解消されることもありますが、成長のスピードや度合いには個人差があるので、何も対策をしていないと肥満が悪化する可能性があります。また、子供の肥満は年齢が高くなるほど改善しにくくなるので、早期の発見・対策が重要になります。

学校の健康診断で「肥満」の結果が出たときは、お子さんの体重に注意しましょう。

子供の肥満については、こちらの記事もチェックしてみてくださいね!
子供の肥満は早めに解消したほうがいい?!小児肥満の原因と対策

子供の肥満による心配事

子供が肥満になるとどんな心配事があるのか、パパ・ママは気になりますよね。子供の肥満が問題視されている理由には、健康や将来への影響、心理的トラブルなどがあります。

ここでは、子供の肥満による心配事を3つご紹介します。

健康の問題

小児肥満になると、生活習慣病による病気のリスクが高くなります。生活習慣病(旧「成人病」)はメタボリックシンドロームや肥満症などの原因になって、さまざまな病気を引き起こす可能性があります。

たとえば、生活習慣病になると「高血圧、高血糖、高脂血症、脂質異常症、脂肪肝(肝機能障害の恐れ)、糖尿病、狭心症、心筋梗塞」などのリスクが高くなります。

また、子供の肥満でも「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」になる可能性があり、発達の遅れや成長障害、人格への影響などが報告されています。このほかにも、肥満による体のリスクとして「心肺機能の低下、筋肉の衰え、骨折・関節障害、月経異常、股ずれ・皮膚線条」などが挙げられます。

将来の病気・肥満リスク

子供の肥満は、大人の肥満につながると考えられています。小児肥満の7割は成人肥満に移行するという話もあり、子供の肥満は学童期(小学生)までに改善した方が良いといわれています。

また、小児肥満は成人肥満だけでなく、将来、心筋梗塞や脳梗塞が起こる可能性も高めてしまいます。子供の肥満は、未来の健康にも影響をあたえてしまうのですね。

心理的なトラブル

子供の肥満は体だけでなく、心の問題に発展することもあります。たとえば、肥満のせいで運動が苦手になると自信低下や劣等感を抱く原因となって、周囲になじめなくなったり、いじめの対象になったり、学校嫌いになったりすることも考えられます。

子供の心を守るためにも、肥満対策は大切なポイントになります。

子供が太りやすくなる4つの原因

子供の肥満には「単純性肥満」と「症候性肥満」があります。

「単純性肥満」は病気と無関係な肥満であり、「症候性肥満」は病気が関係している肥満になります。子供の肥満の多くは「単純性肥満」であり、おやつの食べすぎなどが原因で起こります。

子供が肥満(単純性肥満)になる原因には、食事と生活習慣が関係しています。

ここでは、子供が太りやすくなる原因を4つご紹介します。

1. 食生活の乱れ

食生活が乱れると、子供が太りやすくなります。たとえば、スナック菓子やジュースといった高カロリー食品のとりすぎは、「消費エネルギー」よりも「摂取エネルギー」が多くなるので肥満につながります。

また、「早食い、ドカ食い、ながら食い」などの食事方法も、食べすぎたり、脂肪がつきやすくなったりして肥満の原因になります。

このほかにも、「朝食の欠食」をすると筋肉が減って基礎代謝が落ちるので、リバウンドしやすくなります。「夜食」や「不規則な食事時間」も、脂肪をたくわえやすくなるので肥満になります。

2. 運動不足の子供

運動不足になると消費カロリーが減ったり、基礎代謝が落ちたりして太りやすくなります。

たとえば、塾や習い事が忙しくて外で遊ぶ時間がなかったり、テレビゲームばかりで外で遊ばなかったりすると運動不足につながります。学校以外で運動する機会が減り、1日の運動量が少なくなったことが学童期の肥満に影響しているのですね。

3. 不規則な生活による「睡眠不足」

「睡眠不足の子供は太りやすくなる」という研究・報告が多くあります。不規則な生活で睡眠不足になると「レプチン」という食欲抑制物質が減少して、食欲が増進します。

また、夜遅くまで起きていると食べる機会が増えるので、夜食をしてしまう可能性も高くなります。夜は、食べた物が消化吸収されやすくなるので、夜食が習慣化すると脂肪がたくわえられやすくなり、肥満の原因になります。

4. 親の遺伝と生活習慣

子供の肥満は、親の遺伝と生活習慣に影響を受けます。たとえば、両親が肥満だと子供も肥満になりやすく、親が太りやすい生活を送っていると子供も太りやすくなります。また、子供が欲しがる食べ物を好きなだけあたえてしまうという、親の過保護も子供の肥満につながります。

子供は親の遺伝や生活環境に影響を受けるので、パパ・ママの健康に対する考え方は重要なポイントになるのですね。

子供の肥満度をチェックする方法

子供の肥満は外見だけではわかりにくいことがあります。食欲旺盛でも、身長が高くて活動的な子供だと「体が大きいだけかもしれない」と肥満に気づかないケースもあります。

子供の肥満を診断したいときは、「ローレル指数」や「肥満度」などの計算式がおすすめです。特に「肥満度」は、学校の健康診断のときに体格判定をおこなう方法として利用されています。

大人はBMIの数値から肥満のレベルを計算できますが、成長期の子供は年齢・性別・体重にふさわしい計算式で診断します。

ここでは、子供の肥満度をチェックする方法をご紹介します。

ローレル指数

ローレル指数とは標準体重を出すための計算式であり、肥満のレベルを診断することができます。ローレル指数の結果が「太りぎみ」または「太りすぎ」の場合は、子供の肥満や脂肪のつきすぎが疑われます。

ローレル指数の計算式は、以下のとおりです。

  • 体重[kg]÷(身長[cm]×身長[cm]×身長[cm])×10000000

そして、ローレル指数の判定基準は以下のようになります。

  • 【100以下】・・・やせすぎ
  • 【101から115】・・・やせぎみ
  • 【116から144】・・・標準
  • 【145から159】・・・太りぎみ
  • 【160以上】・・・太りすぎ

肥満度

肥満度は体格判定を出すための計算式であり、肥満のレベルを診断することができます。肥満度の結果が「肥満」の場合は、子供の太りすぎや小児肥満が疑われます。

肥満度の計算式は、以下のとおりです。

  • 肥満度[%]=(実測体重-標準体重)÷標準体重×100[%]

そして、肥満度の判定基準は以下のようになります。

  • 【-30%】・・・高度やせ
  • 【-20%】・・・やせ
  • 【-15%】・・・やせ前段階
  • 【20%から30%】・・・軽度肥満
  • 【30%から50%】・・・中等度肥満
  • 【50%以上】・・・高度肥満

診断結果が「太りすぎ」や「肥満」のときは、食事と生活習慣を見直して早めにダイエットしましょう!

子供の肥満を解消する9つの方法

子供の肥満は、早期の発見・改善が大事だといわれています。子供の体重が平均よりも増え始めたら、早めに対策しましょう。

ここでは、子供の肥満を解消する9つの方法をご紹介します。

1. 食事を工夫する

食事は1日30品目を目安にして、栄養バランスのよいメニューにしましょう。主食、主菜、副菜をバランスよくとることがポイントです。脂質、塩分、糖質のとりすぎに注意しましょう。

食物繊維が含まれる、低カロリーな食材「野菜類、海藻類、キノコ類」などがおすすめです。冷凍食品も上手に活用できたら良いですね。

また、おかずは大皿ではなく、1人前を小皿に盛ると食べすぎ防止になります。パンにはジャムやバターをつけない、サラダにはマヨネーズをつけないといった工夫もおすすめです。

小学生のダイエットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてくださいね!
ダイエットは小学生にも必要?!子供の肥満を健康的に解消する方法

2. 調理方法を工夫する

調理方法を工夫すると、ヘルシーな食事にすることができます。テフロン加工のフライパンなどを使ったり、揚げるときは素揚げにしたり、揚げるよりも茹でたりするなどして摂取カロリーをおさえましょう。

特に野菜は、生よりも茹でたほうがかさが減るのでたくさん食べられます。

野菜にはビタミンや食物繊維などの栄養があるので、子供の成長には欠かせない食品といえます。低カロリーな野菜をたくさん食べれば、満腹感を得やすくなって摂取カロリーをおさえることもできますよね。

3. おやつを工夫する

おやつは、低カロリーで栄養価が高い食品がおすすめです。カルシウム補給には牛乳やヨーグルトなどの乳製品、食物繊維やビタミン類補給には果物がおすすめです。スナック菓子は脂質や塩分が多いので、食べる量に注意しましょう。

おやつは量(摂取カロリー)を決めて、小皿に食べる分だけ入れて食べすぎを防ぐことがポイントです。日頃から、食品のパッケージに記載されている「栄養成分表示」を見て、摂取カロリーを確認する習慣がつくと良いですね。

4. 飲み物を工夫する

余計なカロリーをとらないためにも、清涼飲料水や炭酸飲料水はなるべく控えましょう。「カロリーオフ」や「カロリーゼロ」の飲み物でもカロリーがあるので、飲みすぎると太る原因になります。

  • 【カロリーオフの飲料】・・・100mlあたり20kcal未満の飲料のこと。
  • 【カロリーゼロの飲料】・・・100mlあたり5kcal未満の飲料のこと。

たとえば、カロリーオフの飲料を500mlとった場合、最大100kcalを摂取する可能性があります。喉が乾いたときは、水やお茶がおすすめです。

5. 食べ方・食べる時間を工夫する

早食い、まとめ食い、ながら食い、朝食の欠食、夜食、不規則な食事時間などは肥満の原因になります。

食事をするときは、よく噛んでゆっくり味わって食べましょう。食事中のテレビやスマホなどは控えて、食事に集中することも大切なポイントです。

また、欠食や夜食、不規則な食事時間も肥満につながります。1日3食「朝・昼・夜」と毎日同じ時間に食事する習慣を身につけて、夜10時以降は食べないように心がけましょう。

6. 運動不足を改善する

運動不足になると消費カロリーが減るので太りやすくなります。子供の肥満を解消するためにも、外で遊びながら運動する習慣を身につけさせましょう。できれば毎日、少なくても週に2回から3回、15分から20分の継続した運動が理想的です。

テレビやテレビゲームなどは時間を決めて、なるべく外で遊ばせるようにしましょう。

子供の運動には「ウォーキング、軽いジョギング、水泳、球技」などがおすすめです。運動が苦手な子は、ストレッチなどの軽い運動から始めてみましょう。

7. 規則正しい生活習慣を身につける

不規則な生活で睡眠不足になると、食欲抑制物質「レプチン」が減少するので食欲が増進します。また、就寝時間が遅くなると夜食をしやすい環境になってしまいます。睡眠不足の子供は肥満になりやすいという研究・報告も多くあるので、早寝早起きの習慣を身につけましょう。

定期的に子供の体重を測定・記録する習慣も大切なポイントになります。できれば毎日、少なくても週1回は子供の体重を測る習慣を身につけましょう。

8. 親が応援する

子供の健康を気にかけたり、太りやすい生活習慣を改善したりするのは親の役目になります。子供の肥満は、親の遺伝だけでなく生活習慣にも影響を受けるので、パパ・ママの健康意識は大切なポイントになります。

パパ・ママの応援は、子供のやる気につながります。たくさん褒めて、お子さんのダイエットをサポートしましょう。

「子供の目につく場所に食品を置かない」「子供が1人でやれることは手伝わない」「欲しがる食べ物を何でもあたえない」「一緒に外で遊ぶ回数を増やす」・・・といった具体的なサポート方法もおすすめです。

子供のダイエットは、親子で取り組みましょう!

9. 医療機関を受診する

子供の肥満には、何らかの疾患が影響していたり、すでに糖尿病などの病気が発症していたりすることがあります。学校の健康診断で「肥満」の結果が出たときは、一度病院を受診しましょう。子供の肥満は、対応が早いほど治療しやすくなります。

特に、「肥満度」が30%以上の悪性肥満や、疾患が原因の「症候性肥満」が疑われる場合は、医療機関の受診をおすすめします。

子供が太る時期は要注意!親子で健康的な暮らしを

いかがでしたか?

子供が太る時期には、幼児期(2歳から4歳頃)と学童期(10歳から12歳頃)があります。そのため、「小学4年生になったら急に太りだした」というお子さんも少なくないようです。

太りやすい生活習慣は大人になるほど改善しにくくなるので、子供の肥満は学童期までに解消しましょう。

子供の肥満改善には、親のサポートが必要です。子供が太る時期に気をつけて、親子で健康的に暮らせたら素敵ですよね。

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