子供の学習効果がグンと高まる!リビングでの勉強が効果的な理由


小学生が自宅で勉強をする際に、その場所として1位に上がるのがリビング。「東大生の多くが、子供のころにリビングで勉強していた」と話題にもなりましたね。

親の目が行き届き、子どものモチベーションアップにもつながるなど、リビング学習には多くのメリットがあると言われています。一方で、いろいろな雑音やモノで気が散り、集中しづらい場所でもあるのがリビングです。

この記事では、リビングでの勉強が子どもにとって効果的である理由と、上手なリビング学習の進め方・環境の整え方について、解説していきます。

リビングでの勉強が効果的な理由

なぜ、リビングで勉強する方が、子ども部屋で一人でするよりも効果的と言われているのでしょうか。それには、いくつかの理由があります。

勉強を習慣化しやすい

一つ目の理由は、子どもが勉強する習慣を身につけやすい、という点です。子どもが帰ってきて、リビングで過ごしているときに、「子ども部屋へ行って勉強しない」と言っても、なかなか動いてはくれませんよね。

でも、リビングに宿題や勉強のセットが置いてあれば、すぐに取りかかることができるので、勉強へのハードルが低くなります。

勉強のように、習慣化が大切なものは、始めるまでのステップをできるだけ少なくしてあげることが効果的です。

例えば、子ども部屋で宿題をする場合に、かかるステップを考えてみましょう。

  1. 子ども部屋へ移動する
  2. ランドセルを開ける
  3. 教科書やノート、筆箱を取り出す
  4. 椅子に座る
  5. 必要なページを探す
  6. 筆箱を開ける
  7. 筆記具を取り出す

このように、7つのステップを踏まなければなりません。

でも、リビングのテーブルに、あらかじめ宿題のセットや筆記具が置いてあったらどうでしょう。

  1. 椅子に座る
  2. 必要なページを探す

たった2つのステップで、宿題に取りかかれるのです。

このためには、子どもが学校から帰ってきた時点で、リビングでランドセルを開けて、その日の宿題のセットを出しておくことが大切です。また、そのときに宿題のページを開いておけば、さらにステップを減らすことができます。

これは、何かを習慣化したいときのメソッドとして有名なやり方なので、試してみてくださいね。

親が教えてあげられる

学習の途中でつまづいたときでも、親がそばにいれば、すぐに教えてあげることができます。学校のテストが返されたときなども、間違えた箇所を親が一緒に見てあげて、正しい答えの出し方を教えてあげられます。

同時に、親の側も、「この子はこういう科目や問題が苦手なんだな」と早い段階で把握することができ、今後の学習計画にも役立ちます。

こうして、間違えた箇所を克服するサポートをしてあげることで、子どもは自信をつけて、さらに学習効果が高まっていくのです。

モチベーションアップしやすい

学習の効果を高めるには、やはり意欲を持って取り組むことが大切です。リビングで勉強していると、親がすぐそばで進捗を見ることができます。そのときに、励ましたり褒めたりすることで、子どものモチベーションを高めてあげられます。

また、わからないところもすぐに親に聞くことができるので、行き詰っても解決しながら勉強を進められます。

楽しく暗記できる

例えば九九の暗記は、親と一緒に練習した思い出はありませんか?親子で一緒に声を出して覚えることで、子どもの記憶にも定着しやすくなります。

また、覚えたい熟語やことわざなどを紙に書いてリビングの壁に貼っておき、親子で毎日ひとつずつ覚えるというのも、楽しく無理なく暗記ができます。

考えるタイプの勉強には特に効果的

最近の学校教育では、単に知識を増やすだけでなく、子どもに考えさせたり、議論させたりして、課題への理解や発見を深めさせるタイプの勉強も重視されています。

そのため、自分で考えたことを親や兄弟と話して、そこからさらに気づきを得て考えを深める、といった作業が学習の効果を高めます。その場として、リビングは最適なのです。

子どもの集中力をサポートしてあげられる

せっかく勉強を始めても、なかなか子どもの集中力が続かない場合もありますよね。途中で投げ出してしまったり、すぐに気が散ってしまったり……。特に、苦手な科目をやっているとそうなりがちです。

そんなとき、子ども部屋だと親には見えないので、遊んでいたとしていても気づきません。でもリビングにいれば、親がすぐに気づいて、途切れてしまった勉強を続けるように促すことができます。

こうして、親がそばで応援してあげることで、子どもが宿題や勉強をやり遂げられるようになり、次第に集中力もついていくのです。

リラックスして勉強に取り組める

子どもが勉強をするときには、安心感が大切です。家族がいて、くつろいだ雰囲気で過ごせるリビングは、その意味でも勉強に最適な場所なのです。

一人で集中したほうがいい場合もある

逆に、子どもが一人で集中して取り組んだ方がいい勉強もあります。工作や絵画など、子どもの創造力を発揮させてあげたいものは、子ども部屋で一人でやらせてあげましょう。リビングで親がつい口を挟んでしまうよりも、のびのびと自由に取り組ませるのが一番です。

これも、子どもの個性によってやり方を変えてあげるといいでしょう。一人でじっくり取り組むのが好きなタイプや、ある程度の時間集中できるタイプの子は、一人でやらせてあげた方が効果が上がりやすいようです。

リビングでの勉強は、環境づくりが大切

リビングは勉強以外のものがたくさん目に入り、気が散りやすい場所でもあります。しっかりと勉強に集中してもらうためには、環境を整えてあげることが大切です。

テレビやラジオは消す

シーンと静まり返った場所よりも、ある程度は物音が聞こえているほうが、子どもの集中力は高まると言われています。

しかし、テレビ・ラジオの声などは、注意を引くようにできているので、子どもの気が散る原因に。テレビやラジオは消してあげましょう。

子どもの勉強道具の収納場所を作る

勉強場所のメインがリビングなら、リビングの一角に、子どものための収納場所を作ってあげましょう。勉強道具を毎回子ども部屋から運ぶ手間が減るので、勉強にとりかかりやすくなります。

オススメは、カラーボックスや棚の一つを子供用にしてあげることです。教科の数だけファイルボックスを並べ、そこに各教科ごとの教科書やノートを入れておけば、探す手間も省けます。

明るい照明を使う

リビングは照明が暗すぎることがあります。また、ライトと座る位置の関係によっては、頭の影が手元にできてしまうことも。

勉強をするためには、手元がしっかり明るくないと、目を悪くする原因に。明るさを調節できる照明にしたり、勉強するときにデスクライトを出してあげることが必要です。

椅子の高さを調節する

椅子の高さが高すぎると、足がつかなくてブラブラしてしまい、集中力を妨げます。姿勢が悪くなる原因にもなります。足台を置くか、椅子やテーブルの高さを調整してあげることが必要です。

また、ダイニングテーブルを使っている場合、子どもにはテーブルの位置が高すぎることがあります。その場合、クッションや座布団を敷いてあげて、座面を高くしてあげるといいでしょう。

最近では、子どもの成長に合わせて座面や足台の高さを変えられる椅子もありますよね。デザインや色も洗練されているものが多いので、リビングのデザインや子どもの好みに合ったものを使うといいですね。

こんな行動は逆効果!リビング学習のNG行為

勉強を促したり、集中力をアップしたりするために、親が声をかけることはとても重要です。ただし、子どものやる気を削いでしまう、逆効果の言葉がけもあるので注意しましょう。

否定的な言葉

子供のミスを指摘するときに、「ちゃんと読まなきゃダメじゃない」「字が汚いから書き直しなさい」など、否定的な言い方を続けると、子どもは自信を失い、勉強への意欲も薄れてしまいます。親にダメ出しされ続けた結果、成績が下がってしまう子もいるそうです。

「注意して読んでごらん」「この部分は気をつけて書いたほうがいいよ」というように、アドバイスとしての言葉を選ぶようにしましょう。

モノがいっぱいのテーブル

リビングのテーブルを使うと、子どもは広いスペースを使えるので、勉強がやりやすくなります。しかし、肝心のテーブルの上にモノがいっぱいあると、かえって集中を妨げる結果に。

お菓子や雑誌、チラシなどが目に入るところに置きっぱなしだと、子どもはそっちに気を取られてしまいます。テーブルの上は、しっかりと片付けておくことが大切です。

長時間の勉強

特に小学生であれば、集中力はそれほど長く続きません。逆に、長すぎる勉強時間で疲れてしまい、成績が落ちてしまうこともあるそうです。

ダラダラ勉強するのではなく、「30分で宿題を終える」など、時間を決めて効率よく進めることも大切です。もし、途中で疲れた様子が見られたら、少し休憩時間を入れるなど、再び集中するきっかけを作ってあげましょう。

リビングで子どもの知的好奇心を刺激するアイディア

リビングに地図などのポスターを貼ったり、辞書や図鑑を置いているご家庭も多いと思います。でも、貼ったきり、置いたきりで、イマイチ活用できていない……。そんなことはありませんか?ここでは、子どもに興味を持たせるための工夫をご紹介します。

会話の中でポスターを活用する

週末や夕食の時間など、家族で会話をしているときに、ポスターを活用してみましょう。例えば、祖父母の住んでいる場所を日本地図で探してみる、旅行で行った場所と家の間の距離を測ってみる、などもいいですね。

私のママ友の家では、大人同士が話しているときも、話題に上った場所を、すぐに地図で確認していました。あまり知られていない国の場所を調べたり、国同士の位置関係を調べたりすると、大人でも発見があります。

そうやって地図を活用する大人の姿を見せることで、子供も自然と地図を見ることが身についていくようです。

子どもの目線を意識して配置する

子どもの目線の高さに合わせて、座ったときに目に入る場所などにポスターを貼ったり、辞書や図鑑を置いてみましょう。

子どもの興味を引くために、あえて寝転ばないと見えない高さにポスターを貼ってみたりするのもいいアイディアです。

ときどき配置を変える

いつも同じポスターや辞書などが同じ場所にあると、「風景」に溶け込んでしまって、子どもが意識を向けなくなってしまいます。

それを解消するために、ときどき配置を変えてみましょう。「いつもと違う」と感じると、子どもはまた興味を持って、見てくれるようになるはずです。

子供の本をリビングに置いておく

国語だけでなく、すべての教科に大切なのは読解力です。多くの本を読んでいる子どもほど、読解力が高くなる傾向にあります。

そのためには、日頃から手に届く場所に子どもの本を置いておいて、気が向いたらすぐに読める環境づくりが大切です。そうすることで、読書の習慣を身につけさせましょう。

置いておく本は、子ども向けの物語から、図鑑、歴史、科学の本など、さまざまなテーマを、興味に応じて選んであげるのがいいでしょう。これも、ときどきラインナップを変えてあげると、子どもが興味を持ちやすくなります。

親も一緒に勉強や仕事、読書をする

子どもが勉強している間、親はテレビなどをつけられません。また、親が寝転んでいたり、携帯をいじっていたりするのが目に入ったら、子どものモチベーションも下がるというもの。

どうせなら、この時間を活用して、親も一緒に勉強や仕事、読書などをしてみましょう。親が読書する姿を見ている子どもは、自分も読書好きになるそうです。一緒にがんばる姿を見せることで、子どものやる気につなげていきましょう。

リビング学習で、親子の絆も深まる

リビング学習には、たくさんのメリットがあることがわかりました。子どもの学習効果を高めるには、親が子どもの様子を観察し、適切な声がけをしていくことが大切です。

環境を整えたり、子供を励ましたり、ときには一緒に考えたり。親にも努力が必要ですが、自分のために一緒にがんばってくれる親の姿は、子供の信頼感や尊敬を育みます。がんばったぶんだけ、子供とのコミュニケーションが進み、親子の絆を深めることができるのです。

これからも、リビングでの勉強を上手に活用して、子どもの勉強をサポートしてあげましょう!

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