小学校入学までに準備しておきたいこと。これだけできれば安心!


子どもにとっても親にとっても、大きな変化となる小学校入学。我が子の成長を感じられてうれしくもある反面、これまでの生活とはまったく変わってしまうため、親子ともに不安も大きいのではないでしょうか。

これまで通っていた保育園や幼稚園とちがい、先生たちは勉強を教えるのが主な仕事。生徒たちのお世話をしてくれるわけではありません。

子どもたちも、急に勉強が始まり、集団生活の中でさまざまなルールに慣れていかなければならず、たくさんのプレッシャーを感じることになります。

そんな大きな変化に、少しでもスムーズに対応していけるように、入学前から親子で準備をしていくことが大切です。そうすれば、環境の変化への戸惑いやストレスを減らしてあげることができます。

ここでは、入学前に準備しておいたほうがいいこと、慣れておくと楽なことをご紹介していきます。ぜひ参考にして、楽しい小学校生活に備えましょう!

生活習慣の準備

保育園や幼稚園では、そこまで厳しく問われることのなかった生活習慣。小学校に入れば、子どもが自分の責任でやらなければいけなくなります。生活習慣で身につけておくべきポイントについて、具体的に見てみましょう。

  • 自分でトイレや手洗い・うがいができる
  • 早寝・早起きができる
  • 一人で着替えられる
  • 脱いだものをたたんでしまっておける
  • 学校の持ち物を自分で用意できる
  • 一人で小学校まで行き来できる

いかがですか?すでにできることもあれば、全然ダメというところもあるでしょう。それぞれについて、詳しく解説します。

自分でトイレや手洗い・うがいができる

もう小学生にもなる年齢の子どもなら、当たり前にできていることかもしれません。ただ、保育園や幼稚園ではトイレや手洗いのタイミングを先生が促してくれていましたが、小学校では自分でやらなくてはなりません。

例えば、休み時間のうちにトイレを済ませておく。外遊びのあとは手洗い・うがいをする。というように、一つ一つ先生に言われなくても、自分で判断してできるように、習慣付けておきましょう。

ちなみに、いまだに小学校では和式トイレのところも多くあります。入学するまで洋式しか使ったことがなく、戸惑う子供も多いとか。家庭で和式トイレの使い方を教えてあげて、外出先などで和式があれば練習しておきましょう。

早寝・早起きができる

小学校に行くと、これまでの保育園や幼稚園より早く行かなければならない人も多いでしょう。人によっては、1時間以上早くなるという場合も。ここで生活リズムが崩れてしまわないよう、早いうちから小学校の時間に合わせて早起きの習慣をつけておくことが大切です。

また、お昼寝の時間もなくなるので、これまでの就寝時間だと睡眠不足になる恐れがあります。お昼寝がなくなる分、少し早めに寝かせてあげることが大切です。朝起きる時間に合わせて、夜寝る時間を決めておくといいでしょう。

特に入学直後は、慣れない学校生活で子どもは疲れています。子どもの睡眠不足は、情緒不安定や集中力の欠如、さらに体調不良を招きかねないので、しっかりと眠らせてあげたいですね。

一人で着替えられる

小学校では、体育の時間に着替えがあります。当然、子どもが自分で着替えなければなりませんし、着替えたものをなくしたりしないよう、きちんと管理しておかなければなりません。

日頃から、着替えは自分で準備させたり、自分で着替えをさせたりして、慣れさせておきましょう。

また、最初は慣れない環境で緊張しています。そんなときに、ボタンやリボンなど、脱ぎ着が大変な服を着ていると、もたついてしまうもの。最初のうちは、脱ぎ着が簡単なものを着せてあげるという手もあります。

脱いだものをたたんでしまっておける

脱いだ服は畳んで机の上においておく、というのができればベストですね。でも、そこまでは難しそうであれば、脱いだ服がバラバラにならないよう、まとめて机の上に置いておくのでもOKです。

これも、家庭で脱いだ服をたたませたり、子供用のカゴにまとめて入れておかせたりすることで、身につけてもらいましょう。

学校の持ち物を自分で用意できる

小学校は毎日いろいろな教科書やノート、道具などを持っていくことが必要なので、自分でできるようになるには少し時間がかかります。

まずは、保育園や幼稚園の持ち物を、毎日自分でカバンに入れることから始めてみましょう。そして、小学校に入ったばかりの頃は、自分で準備させてから、必ず親がチェックしてあげれば大丈夫です。

一人で小学校まで行き来できる

親が送り迎えしていた保育園・幼稚園とちがい、小学校からは子ども一人、または子どもたちだけのグループ登校になります。事前に学校までの道のりを一緒に歩いて、シミュレーションをしておくと安心です。

また、小学生1年生は交通事故に遭いやすいという統計もあります。まだまだ不注意なことも多い小学1年生。信号や交差点など、危険な箇所も子どもと一緒に確認し、「絶対に飛び出してはダメ」「左右をよく見てから渡ってね」としっかり伝えておきましょう。

集団行動の準備

保育園や幼稚園とはちがって、小学校では集団行動が求められます。学校の定めた規則やマナーを守らないと、周囲の印象が悪くなったり、場合によってはクラスに馴染めなくなったりする恐れがあります。

子どもには、ルールを守って楽しい学校生活を送ってもらえるよう、早いうちから練習をさせておくと安心ですね。身につけておきたいことは、こんなポイントです。

  • きちんと挨拶ができる
  • 決められた時間内に食事を終える
  • 時計が読めて、時間通りに行動できる
  • 具合が悪いときに、先生にきちんと伝えられる

きちんと挨拶ができる

まずは集団生活の基本、挨拶です。大きな声でハキハキと挨拶できると、先生や周囲の印象もよくなりますよね。

まずは、親が日頃からお手本を見せてあげましょう。その上で子どもにも、先生への挨拶や生活の中での「おはよう」「ありがとう」「ごめんなさい」といった挨拶を身につけるように促しましょう。

決められた時間内に食事を終える

小学校では、給食の時間が決まっています。いつまでもダラダラ食べてしまうと、みんなが遊び始めても一人で残って食べ続けることに。家でも、時間を区切ってその中で集中して食事を終えられるよう、練習としておくといいですね。

もちろん、食事のスピードは個人差がありますから、無理に早く食べさせる必要はありません。でも、学校で嫌な思いをしなくてすむように、短い時間での食事に慣れておくことも大切です。

また、どうしても食が細くて食べきれなそうな場合は、給食の量を少なめにしてもらえないか、事前に担任の先生に相談してみましょう。

時計が読めて、時間通りに行動できる

学校での生活は、時間を守ることが大切です。まずはアナログ時計の読み方を身につけさせて、日頃から、時計を意識した声がけをしてみましょう。

例えば、「3時におやつにするよ。手を洗ってね」「8時に家を出るから、それまでに支度をしてね」といった感じです。

こうすることで、時計の時間を見ながら、時間通りに行動するという習慣を作っていきます。早めに取り組んでおくと、小学校での集団行動もスムーズに適応できるようになります。

休み時間の間にトイレに行っておくなど、残り時間を計算して動けるようになっておくのが大切です。

困ったときに、きちんと伝えられる

最初からすべてのことができる子はいません。忘れ物をしたり、困りごとがあったりするのは当然です。大切なのは、そのときにきちんと質問したり助けを求めたりできること。

先生に「筆箱を忘れました」「トイレに行きたいです」と言ったり、友達に「それはやめてほしい」と伝えたりするのは、子どもにとって勇気がいることですよね。実は、小学校でのおもらしの多くは、「トイレに行きたい」と言えないことが原因なのだとか。

これは、自分からきちんと伝えることに慣れていないと、難しいものです。日頃から、子どもとの会話の中で、子どもが自分の意見を言ったり、気持ちをしっかり伝えたりできるように、練習しておきましょう。

気をつけたいのは、親が先回りしてしまうこと。「お水飲みなさい」「そろそろトイレに行ったら?」と言ってしまったり、子どもの代わりに準備をしてあげたりすると、子どもが受け身になり、自分の意見を言わなくなってしまいます。

例えば、「お水」と言うだけではなく、「お水をください」と文章で言うようにさせる。その日あったことをよく聞いてあげて、そのときの気持ちや考えを言葉で表現させる。そういった会話を日頃からしておきましょう。

学習の準備

親としては一番気になるのが、学習の準備です。「読み書きはどれくらいできたほうがいいの?」「特になんの勉強もさせていないけど、大丈夫?」と心配になりますよね。

小学校入学前にあれこれ詰め込む必要はありません。ただ、最低限の基礎を身につけさせておくことで、授業でのつまずきを避けることができます。下記のポイントをクリアしておけば安心です。

  • 机に向かうことに慣れておく
  • 自分の名前の読み書きができる
  • ひらがなが読める
  • 数字の感覚を身につける

机に向かうことに慣れておく

小学校では、1回45分程度の授業が続きます。その間、じっと机に座っていられるように、習慣をつけておくことはとても大切です。

これまで、そんな生活に慣れていなかった子どもにとっては、長い間席についているのは苦痛です。小学校入学前から、少しずつ机で勉強することに慣らしておいてあげましょう。

まずは、1日1回、短時間でも座って読書やドリルなどをやることから始めましょう。少しずつ時間を伸ばしていけば、子どもも勉強することに慣れますし、集中力も養うことができます。子どもが机に向かって勉強したら、たくさん褒めてあげましょう。

もう一つ、毎日の絵本の読み聞かせも、子供の集中力を培うのに有効です。人の話をしっかり聞けるようになると、授業中もちゃんと集中できるようになります。これも、すぐに身につくことではないので、日々積み重ねていきたいですね。

自分の名前の読み書きができる

小学校に入ると、自分の持ち物やプリントなどの管理は子ども自身の責任になります。持ち物に書かれた自分の名前が読めないと、それも難しくなってしまいます。ですから、まずは自分の名前を読めるように練習しておきましょう。

また、プリントやテスト用紙など、さまざまな場面で自分の名前を書くことも必要になってきます。最低限自分の名前はしっかりと書けるようにしておくと、小学校に入っても安心ですね。

ひらがなの読み書きができる

ひらがなは小学校の最初で習いますが、できれば事前に読めるようになっていたほうがいいでしょう。教科書や時間割なども読めないと理解できませんし、すらすら読める子とは、最初の時点で勉強に差がついてしまいます。

昔とちがい、今は入学前にひらがなの読み書きができる子が多くなっています。その中で出遅れて勉強に苦手意識を持ってしまわないように、準備しておくと安心です。

ひらがなはすべて読み書きできるようにしておくと、学習のスタートも楽になります。まずは自分の名前の読み書きから初めて、50音をマスターしておくようにしましょう。

リビングの壁やお風呂に50音のポスターを貼っているご家庭も多いと思います。ただ貼っておくだけでなく、会話に出てきた単語の文字をポスターで探してみるなど、日々の生活の中で親しんでもらうことが効果的です。

また、単純に50音を暗記するのはつまらないもの。子どもの興味のあるテーマで覚えてもらうのがいいでしょう。電車好きの子なら「しんかんせん」「とっきゅう」といった具合に、好きな言葉から始めると、覚えやすいですよ。

数字の感覚を身につける

小学校に入ったら、2ヶ月後には足し算や引き算の計算が始まります。そのときにつまずかないように、数字に慣れ親しむようにしておきましょう。

子供向けのドリルなどを使うのもよいのですが、生活の中で数字を意識させることも効果的です。日頃から数字の感覚を身につけておくと、算数の理解が進みやすくなります。

例えば、外で鳥を見かけたときに、「鳥は何羽いるかな?」と聞いてみたり、お店でリンゴを買うことに「この袋にリンゴはいくつ入っているかな?」と聞くことから始めてもいいでしょう。

少し慣れてきたら、「クッキーは最初10枚あったね。今○○ちゃんが3つ食べたから、残りはいくつかな?」というように質問を進化させていくと、足し算や引き算の基本が身につけられます。

運動の準備

小学校では、体育の授業や運動会など、運動能力がものを言う場面がたくさん出てきます。足が遅かったり、スポーツが苦手だったりすると、子ども自身にとっても憂鬱な時間となってしまいます。

それでは、子供の運動能力や体力を伸ばしてあげるために、入学前からできることはなんでしょうか。

  • 遊びながら楽しく体を動かす
  • 毎日60分以上、体を動かす時間を持つ

遊びながら楽しく体を動かす

現代の子どもたちは、体を動かして遊ぶ機会が減っていて、体力や運動能力が低下していると言われています。ボールをうまく投げられなかったり、疲れやすかったりする子が増えているらしいのです。

そんな子どもたちの運動能力や体力を育てるために、さまざまな遊びを通して体を動かすことが大切です。楽しみながら走ったり、跳んだり、つかんだり、しゃがんだり、運んだり、といった多様な動きを身につけることで、子どもの体の発達を促すことができます。

こうして身につけたさまざまな動きが、とっさのときに動ける体を作り、将来スポーツをやるときの土台になるのです。

特定のスポーツやトレーニングをやりすぎることは、同じ動きばかりをすることになるので、オススメできません。小学校前のこの時期には、できるだけいろいろな動きを学ばせることで、将来のスポーツにも役立ってきます。

毎日60分以上、体を動かす時間を持つ

文部科学省では、幼児期には1日に合計60分以上運動する時間を確保することを推奨しています。これは、運動量が少ない現代の子どもに対して、1日の運動時間の目安となります。

合計60分なので、さまざまな活動を少しずつやるのでもいいのです。たとえば、午前中にお散歩を30分して、午後は雨が降ってきたので家の布団の上ででんぐり返しを15分、お手伝いの雑巾掛けを15分、という感じで大丈夫です。

スポーツに限らず、雨の日などに家の中でも体を動かす工夫をしてみましょう。布団を敷く、お皿を運ぶ、掃き掃除をする、といったお手伝いも、さまざまな体の動きを身につけることができます。

不安があれば、入学前に先生とコミュニケーションをとっておこう

子どもは本来、一人一人ちがうもの。皆が皆、スムーズに集団生活に馴染めるとは限りませんし、苦手なことがある子もいます。学校生活に不安なことがあれば、入学前に担任の先生としっかりとコミュニケーションを取っておくといいでしょう。

保育園や幼稚園で指摘されたことや配慮が必要なことがあれば、きちんと先生にお願いすることが重要です。もちろん、家庭でもできる限りのことはした上で、先生に丁寧にお願いする、という姿勢が必要なのは言うまでもありませんね。

入学前の準備は半年ほどかけて、少しずつ

生活習慣を変えたり、ひらがなや数字を覚えたり、入学前の準備はすぐに身につくものではありません。できれば入学の半年前、10月ごろから少しずつ進めていけるといいでしょう。

一つ一つ焦らずにクリアしていけば、それが子どもの自信ややる気にもつながっていきますよ。できないことを責めたりせず、できるようになったことをたくさん褒めてあげてください。

完璧でなくても大丈夫!一番大切なのは、自信と安心

さて、小学校入学前の準備を見てきて、いかがでしたでしょうか。「こんなにたくさんあるの?」と心配になった方もいるでしょう。

でも大丈夫。一番大切なのは、子どもが自分に自信を持って、安心して学校生活を送れること。この記事で挙げたさまざまな項目がすべて完璧でなくても、少しずつ身につけていけばいいのです。

親が心がけるのは、一つずつできることが増えていく我が子に、「よくできたね!」と自信を持たせてあげることです。できないことに注目してプレッシャーを与えるよりも、ほめて伸ばしてあげることが一番大切なのです。

少しくらいできないことはあるけど、自信を持って楽しく小学校に通ってもらえたら、それで入学準備は成功です!

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