荒れてる小学校の見分け方と、進学しなければいけない場合の対処法


子どもが入学予定の学校の評判を知りたいと思う親は多いもの。今から入学する学校が荒れていると言われると不安になります。

また、就学前の子どもがいる家庭では、引越した先での校区をどこにするかも大きな問題です。全然知らない土地でも荒れている小学校を知る方法もあります。

実際に荒れているかどうかを判断する方法や、荒れていると言われている学校に入学する場合の対処法などをお伝えしましょう。

荒れている小学校のパターン

学級崩壊と言う言葉が定着して久しくなりました。以前は、あまり考えられなかったことが学校現場で起きています。

「あの小学校、荒れているらしいよ」という評判を耳に挟むことはあっても、知り合いがいない限り本当の情報は入ってきません。

実際に荒れている小学校とはどのような状態のことを言うのでしょうか。

昔から荒れている小学校

荒れていると言われている地域に長くある小学校はやっぱり荒れています。校区内の世帯が、代々学校に反抗的な態度をとっている家庭があると、延々とその雰囲気は続きます。

校区内の親の所得も関係してきますが、極端な低所得世帯が多い地域は、子どものしつけが行き届いておらずに学校が荒れやすい傾向があります。

家を建てるための土地選びの段階で、地域をくまなく散策してみましょう。明らかに暗くすさんだ雰囲気がある集合住宅がある場合は、その校区は避けた方が良いと言われています。

新興住宅地や転勤族の多い地域は、学校が荒れるほどの歴史もないので、比較的問題が少ない小学校であると言えるでしょう。

長年荒れていると言われている小学校では、当事者の親たちに荒れているという自覚がないのも特徴です。そのような地域密着度が高いのに荒れている小学校とわかっていれば、わざわざその校区に住む必要はないでしょう。

学年によって当たり外れがある小学校

特に癖があるようには思えない地域でも、時として学級崩壊がおこります。数人のやんちゃな子が揃ったときや、校長先生や担任との相性の悪さなどが起因して、突然学年単位で評判が悪くなるときがあります。

先生の授業に対して大声を出して妨害する、数人で授業を聞かずに別行動をする、教室から出て授業を受けないなど、他の子どもにとって授業の妨げになるような行動をとります。結果的に授業進度が遅れ、学年全体の学力が低くなりがちです。

先輩ママの評価を聞いて不安になったとしても、その学年だけが悪くて自分の子どもの学年は拍子抜けするほど良かった、なんて言う場合もあります。

この場合は、入学する前のうわさ話や、他人の評価に振り回されがちです。実際に入学してみないとわからないことがあったり、悪かった学年が先生方の指導力で良くなったりすることもあります。

自分の子どもの学年だけが荒れてしまうと、運が悪かったとしか言えないようなときもあります。そんなときは、親がしっかりと話を聞いて子どもの不安を受け止めてあげましょう。

学校との連携もしっかりと取り、授業が遅れているようであれば、親のフォローをしてあげたり、塾に通わせてあげたりするのも対策の一つです。

私立小学校なのに荒れている小学校

お金持ちの世帯が多い私立小学校は、育ちが良いおっとりした雰囲気を期待してしまいます。そんな私立小学校もあるのでしょうが、実際はかなり陰湿ないじめがあると言われています。

クラスカーストと言われるクラス内での権力構造をご存知でしょうか?おしゃれでかわいいお金持ちの女子、かっこ良くて頭のいい男子などが権力構造のトップに君臨していることを言います。「花より男子」のF4などがまさにそのようなイメージです。

スクールカーストがあからさまな学校では、トップクラスの子どもがターゲットを見定めたらいじめがエスカレートします。いじめる側も頭が良いだけに表面化しにくく、周囲の子どもも同調してしまうことが多いです。

いじめられている側は、追い出されるように私立小学校から転校していくことで解決せざるを得ません。

このようないじめが横行しやすいのが、私立小学校ですが、親が資産家であったり、名士であったりすることも多く、教師も積極的に生徒指導しないため、被害者が泣き寝入りするというパターンが多いのが実情です。

一見荒れている小学校には見えなくても、塾通いやハードルの高い勉強を強いられている子どものストレスからくるいじめや、学級崩壊があるのも事実。

私立小学校をお受験する場合は、評判をよく聞いておくことや、自分たちの世帯がその小学校に見合っているか、子どもの個性と合っているかなど冷静な判断が必要です。

荒れている小学校かどうかを知るポイント4点

では、知り合いもいない土地でどうやって荒れている小学校を判別するのでしょう。ポイントを4点ご紹介しますので参考にしてください。

学校公開日に見に行く

今は、どこの小学校もほとんど学校公開日が設けられています。外部の人間が自由に授業参観できる行事となっています。

お世話になっている地域住民の方々への学校公開と言う一面がありますが、入学予定の親子が見学するにはとても良い機会です。

授業がどのような雰囲気で行われているのか見ることができたら、学校が荒れているかどうかがわかります。

低学年の子どもたちが楽しそうに授業を受けているか、高学年の子どもたちが落ち着いて授業を受けているか、先生と子どもたちの間に信頼関係がありそうか、など視点を定めてみるのもわかりやすくて良いですね。

また、校舎内が荒れていないかどうかも判断基準となります。生徒指導が行き届いている学校は、清掃を大事にします。校舎がきれいで整理整頓が行き届いていたら、荒れている小学校ではないことが多いです。

昔と違うな、と思うのは発達障害の子どもが授業中にうろうろしたり、校舎内を歩き回っていたりすることが日常的になったということです。

授業中なのに、子どもがふらふら歩いているからと言って学校が荒れているとは言い切れません。その子どものそばにサポートの先生がそっと寄り添っていたら大丈夫。

もしくは、歩き回っている子どもを他の子どもが気にしていなかったら良いクラスであると言えます。学級崩壊ではなく、子どもの個性を尊重しているだけの学級運営であるからです。

運動会を見に行く

運動会を一般公開していない学校もありますが、地域住民に開かれた運動会であれば、学校見学のつもりで見に行くと良いでしょう。

運動会はやんちゃな子の活躍の場ですから、日ごろの授業よりはまともな学校に見えることもあります。それでも学校全体が一生懸命に競技をこなしている様子が見えたら、その学校の誠実な校風が読み取れるでしょう。

先生方の様子もよくわかります。子どもの競技に真摯に向き合っている先生の姿が見えてくれば、その学校は良い学校であると言えるでしょう。

反対に、子どもに対して命令口調でしか指示をしていない先生がいると、子どもとの信頼関係が見えてこないので、良い学校とは言い切れません。

不動産屋に聞く

転居してくるときに、どんな学校の校区になるのかを把握しておかなければなりません。地域的に荒れていると言われている学校はできるだけ避けたいところです。

良い評判がずっとない学校であれば、不動産屋に聞いておけばわかります。新居を仲介してくれる不動産やなら、地域情報にも詳しいでしょう。ただし、どうしても売りたい物件が評判の悪い校区であったら、あちらも商売ですから教えてくれない可能性もあります。

やはり、一店舗だけではなく、複数の不動産屋で情報収集をした方が確実でしょうね。特に一軒家を建てる予定であればほぼ永住することになりますから、なおさら校区の学校の評判は聞いておきたいところです。

校区内を見て荒れている地域がないか知っておく

校区内を歩く子どもたちの様子を見るだけでも、荒れているかどうかが少しはわかります。この時点で、茶髪の子どもが多かったり、交通ルールの指導も受けていない様子がわかったりしたら要注意です。

また、放課後の公園での様子も参考になります。公園でお菓子を食べ散らかしているようでは、家庭でのしつけも学校での指導もされていない可能性が高いです。

また、夜7時ころまで子どもが集団でたむろしているようでは、家庭でのしつけの高さを期待できる校区ではないということになります。

校区内に暗くてすさんだ地域がないかどうかは、見てわかります。校区内の雰囲気を、感じて参考にするのも一つの方法です。

荒れている学校に行かざるを得ないときは

荒れているとわかっている小学校に入学せざるを得ないときもありますよね。荒れていると言っても、100%の子どもが荒れているわけでもなく、やんちゃな子どもに引っ張られないしっかりした子どももいます。

荒れている小学校に子どもが通っている場合は、親としての心構えをしっかりと持っておきましょう。

親の力を十分発揮しましょう

問題行動をする生徒が数人いて授業がなかなか進められないときは、親が子どもの勉強を見てあげましょう。

教科書の内容をしっかりと理解していれば大丈夫。基礎力が定着していれば中学校からの難しい内容について行くことはできます。

九九の暗記はできていて当たり前ですが、教科書の応用問題が解けているかどうか、時々チェックが必要です。

学級崩壊がひどく授業もできない状態になると、教育委員会が指導に入ってきます。先生に問題がある場合は、校長先生が対処して教育委員会に報告します。荒れている学校でも、教育委員会や外部の指導が入ればそれ以上悪くはならないでしょう。

家庭のしつけは妥協しない

学級を荒らす子どもは、家庭でのしつけがなされていない場合が多く、親もまた社会人としてどうかと思うような人も多いものです。

親子の信頼関係がしっかりとできている家庭でのしつけをされている子どもは、荒れている家庭の子どもに流されることはありません。

家庭のルールはしっかりと守らせましょう。宿題はきちんとすることや、子ども同士のお泊り会はしない、子どもだけでゲームセンターに行かないなど、みんながしているからと言って流されないようなしつけを心掛けましょう。

子どもの話をよく聞きましょう

荒れている小学校に通っている、いないに限らず子どもの話をよく聞いてあげましょう。親が根掘り葉掘り聞くのではなく、子どもが話すタイミングを待って、聞いてあげるのがポイントです。

男の子は周囲の状況を理解しにくいうえに、なかなか話もしないので、学校の様子がわかりにくいですよね。でも、時々親がどうでもいいと思うようなことを話していませんか?

どうでもいいと思える話でも、正面から付き合って話を聞いておきましょう。親は自分の話を聞いていてくれるという信頼感が生まれます。どうでもいいと思える話こそ聞いておくと、いざと言うときの肝心な話もきちんとしてくれるようになります。

社会に出たときのコミュ力を磨く場

おとなしい子どもばかりで、問題のない小学校が必ずしも良いとは言えません。6年間過ごすには良いでしょうが、卒業後の中高、その後の社会に出てから良い人ばかりではないのは親がよくわかっています。

田舎でのんびりした学校生活を送っていた純粋な子が、都会で就職したものの人間関係に疲れて帰ってきて、やることなくコンビニでたむろしているのを見ると悲しくなります。

社会に出て必要なのは、偏差値や学歴よりもコミュ力なのは誰よりも親が実感しているのではないでしょうか。どんな状況の中でも、上手に人づきあいができるしたたかな根性を培えたら、荒れている小学校で過ごした日々が無駄にはなりません。

校内順位はあてにならない

今は全国学力テストがあるので、比較的自分の子どもが通っている小学校の学力がわかりやすくはなりました。また、市町村によっても差があることは目に見えてわかります。

荒れている小学校にいると、知らず知らずのうちに小学校全体の学力が低くなっていることが多いです。小学校の中でお勉強ができると言われていても、実際に中学校でどれくらい通用するかはわかりません。

荒れている小学校での成績が良いからと言って油断はできません。実際の子どもの学力を知るには、全国学力テストを参考にすると良いでしょう。中学受験をするつもりであれば、塾での成績を参考にしましょう。

私立中学受験を視野に入れる

荒れている小学校でコミュ力は鍛えられたものの、子どもが中学では勉強に集中したいと言った場合は、中学受験を考えても良いでしょう。

家庭の経済状況はさまざまです。私立の学費が負担だと感じるようであれば、国立大学附属中学校や、中高一貫システムが多い県立中学校への受験もおすすめします。学費がかからずに、高度な教育を受けられる環境になります。

電車で通える範囲かどうかの確認が必要なことと、定期代がどれくらいかかるか交通費を確認しておく必要はありますね。

荒れている小学校が進学する中学校は荒れているか

荒れている小学校から来た生徒が多い中学校が荒れているかと言えば、すべてがそうであるとは言い切れません。

中学校の生徒指導は小学校とはかなり違います。今は、昔のような校則に愚直に従うという指導はしていません。先生たちの、人権問題やいじめに対する意識も高くなっています。

筆者の経験から言うと、荒れていると有名だった公立小学校出身の生徒が、中学校での生徒指導がとても良く合い、落ち着いて中学校生活を送っているのを見ました。中学校の先生による生徒指導のすばらしさを感じた一コマです。

ただし、荒れている小学校から進学した生徒たちの学力が低かったことも確かでした。小学校での学級崩壊がひどく、授業がきちんと行えていなかったことが一因だと言われています。

いろいろなパターンがあるでしょうが、中学校が荒れていると言われていなければむやみに不安がることはないでしょう。

荒れている小学校と言われても恐れずに子どもを通わせる

荒れている小学校にもいろいろあります。地域特有の代々荒れている小学校にわざわざ入学することはおすすめできませんが、評判が毎年変わるような小学校であれば、入学してみないとわからないのが実情です。

親がどんと構えて子どもをサポートする準備ができていれば、コミュ力の高い子どもに育つ可能性もあります。

荒れている小学校に通わざるを得ないときでも、親が子どもの話を聞いてあげて、学力のサポートをしてあげれば、不安も取り除かれるでしょう。

なにより、子どもが楽しく通える小学校であれば心配することはないですよ。

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