子供の成長痛。痛みが起こる原因と和らげるための対処法
「成長痛」って言葉を聞いたことがある人も多いはず。実は病名ではなく、わかりやすいように一般的に広く使われるようになった言葉です。
成長するときに、膝などに痛みを訴える子供が多くいます。この成長痛の原因を知ることで、正しい対処が行えるようになりますよ。
Contents
成長痛って何?原因とメカニズム
成長痛というと「骨が伸びるときに出る痛み」と思っている人が多くいます。でもそれは間違いで、骨が成長する際に痛みは出現しません。
成長痛とは正しい病名ではないため、成長期の子供に起こる痛みを発生させる様々な病気を表しています。そのため、原因を1つに絞ることはできません。成長痛と呼ばれる多くは「骨端軟骨障害」という障害が考えられます。また精神的な状態からも成長期の痛みが起こる場合もあるため注意が必要です。
成長痛と呼ばれる症状の特徴
- 夕方から夜にかけて下肢に痛みを訴える
- 痛みの程度は様々で泣くほどの痛みを訴える場合もある
- さすったりすると痛みは比較的改善し、昼間には痛みを訴えない
- 痛みを不定期に繰り返している
- 3歳頃から成長期にかけて症状が現れる
などが一般的に言われている症状です。ただ当てはまらない場合もあるため注意してくださいね。
骨端軟骨障害って何?
子供の骨と大人の骨は全く異なります。子供の骨には骨端線と呼ばれる部分があり、その部位が伸びることで、身長を伸ばすことができます。
骨端線は柔らかい軟骨でできており、その軟骨が何らかの原因で炎症を起こすことを「骨端軟骨障害」と言われています。
身長が伸びるときに、筋肉は無理矢理引っ張られることで成長していきます。この筋肉は、骨の端についていることがあり、その結果成長軟骨を刺激し痛みが現れます。その痛みが「骨端軟骨障害」であり、「成長痛」とも呼ばれることがあります。
特にスポーツなどで筋肉の疲労が溜まっている場合や急激に身長が伸びている場合など、筋肉の柔軟性に欠けるため痛みが発生しやすくなると言われています。
精神的不安で痛みがなぜでるの?
3歳頃に起こりやすいと言われています。
- そばにいてほしい
- かまってほしい
- 甘えたい
などの感情から身体的痛みに変わる場合があります。
例えば、大人になってからも仕事行きたくいなどの感情からお腹が痛くなったり、頭が痛く思えたりしますよね。精神的不安は、身体と密接に関係していると言われています。
そのため「甘えたいだけのウソ」ではありません。実際に痛みを感じている状態です。必ず安心させるような言動を取るように心がけてくださいね。
成長痛で眠れない!そんなときの対処法
夜眠れない程の痛みを感じるケースもあります。今の痛みをなんとか改善することが大切になってきます。
痛い部分を優しくさする
痛い部位を優しくさすることで、精神的に安定させることができると言われています。
「痛いの、痛いの飛んでけ」をするときも優しくさすりますよね。それと同じように誰かに優しく撫でられると、心地よさを感じることに繋がります。
「大丈夫」の言葉で安心させる
「大丈夫」「痛くないよ」と優しく言葉をかけることで痛みが軽減することがあります。ただし、「痛いね」「キツいね」など痛いことを伝えるような言葉をかけると痛みが強くなる場合があるため注意してくださいね。
気をそらす
痛み自体を緩和することではないですが、別のことに気を反らせることも効果的です。例えば、大好きな絵本などを読み聞かせる、お友達の話をするなど興味のある内容で気をそらしてくださいね。
一瞬、別のことに気を取られると、痛みを忘れたりしますよ。
温める
医学的根拠ははっきりしていませんが、温めることで症状が軽減する場合があります。温めることで、リラックス効果や筋肉の緊張を緩める効果が期待できます。
半身浴や湯たんぽなど行いやすい方法で温めてあげてくださいね。
成長痛を予防するために・・・
成長痛を発生させないように予防することも大切になってきます。
ストレッチをしっかり行う
筋肉の柔軟性が欠けることで痛みが発生しやすくなると言われているため、予防のためにはストレッチで痛みの軽減が期待出来ます。
🌑ストレッチを行うポイント
- 20~30秒程度ゆっくり伸ばす
- お風呂上がりや寝る前にしっかり行う
- 痛気持ちいい程度の力加減で行う
- 運動前は時間をかけて伸ばすようなストレッチは避ける
運動前は時間をかけてゆっくり伸ばすような静的ストレッチは、筋肉を緩めすぎるため怪我に繋がると言われています。運動前には動的ストレッチを行い、お風呂上がりなどは静的ストレッチを行うようにしてください。
成長痛予防のためには、太ももの前や後ろ、ふくらはぎのストレッチを多めに行うようにしてくださいね。
休ませる
成長期の子供にとって過度な運動は、身体に大きな負担をかけてしまいます。過度な運動で筋肉が悲鳴を上げている状態になっている可能性もあります。
一度身体を休ませることで、痛みが強くなることを予防することに繋がります。また精神的な痛みの場合も、ストレスから解放されることができます。
子供は大人が思う以上に、新しいことを覚えるなどいろいろなことを頑張っています。子供の疲れは、すぐに身体面に現れやすいため早めに対処してあげることが必要です。
成長痛じゃないかも?注意した方が良いサインとは
大人が勝手に成長痛だと自己判断すると、全く違う病気が隠されている場合があるためリスクが高くなります。成長痛のように夜だけ痛みを訴える病気として「類骨骨腫」があります。この病気は、骨が部分的にふくらみ、その中心に穴があくというものです。
子供が痛みを訴える場合は、自己判断せずに整形外科など専門の医療機関を受診することが大切です。レントゲン撮影など検査を行うことで確認することができ、問題ないかどうか診察を受けるようにしてくださいね。
痛みを和らげるために・・・
子供の成長痛は、身体面だけでなく精神的要素も大きいと言われています。子供に愛情をしっかり伝えることで、痛みが緩和されることもあるので、子供との時間を多く作るようにしてくださいね。
痛みが発生してきたときは、必ず専門の病院を受診するようにしてください。早期に発見することで、痛みが強くならないこともありますよ。
少しでも早く痛みを和らげるために、一度ストレッチや半身浴なども試してくださいね。