サプリで身長が伸びるの?小学生が補助食品を摂取する効果と注意点
ドラッグストアやネットなどに「身長を伸ばす」効果があるかのような謳い文句が書いているサプリが多く販売されていますよね。サプリで身長が伸びるなら、飲ませようかなって考える親は多いのではないでしょうか?
小学生という成長にとって大事な時期だからこそ、サプリが持つリスクと目的を正しく理解してから、必要であれば子供に与えるようにしてくださいね。
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身長を伸ばすサプリはない!
日本小児内分泌学会の見解によると「身長が伸びる」と言った直接的な表現はないものの、身長促進があるかのように受け取れるサプリには効果がないとの報告をしています。
これらのサプリの中で「アルギニン」が配合されている商品が多くあります。「アルギニン」は成長ホルモンを促進する働きがあると言われており、それを根拠にして成長に影響しているかのように謳っています。しかし、サプリに含まれる「アルギニン」は商品によって配合量が全く異なり、さらに薬剤として使用されるときの10分の1も含まれていないと言われています。
またカルシウムやビタミンが配合しているサプリも「骨の成長を促進」するかのように販売されている商品があります。これも栄養を補助することはできますが、骨の成長を促進する効果は期待出来ないと考えられています。
つまりサプリで身長を伸ばす効果は期待出来ません。ネットなどは個人の感想を大きく宣伝しているため、つい効果があるかのように感じてしまいます。購入する際には注意してくださいね。
そもそも身長ってどうやって伸びるの?
身長がどうやって伸びるか知っていますか?
身長を伸ばすためには、骨の成長が必要不可欠です。骨の成長には「骨端線」と呼ばれる骨の端にある軟骨部分が大切になります。この軟骨部分が成長することで身長が伸びていきます。
ただ成長とともに「骨端線」は閉じてしまい、完全に閉じてしまうと身長が伸びることは期待出来ません。「骨端線」が閉じると言うことは、子どもの身体から大人の身体に成長を遂げたことを意味します。
成長の目安は?
自分の子どもの成長が順調か心配ですよね。成長を確認する目安として「成長曲線」で確認することができます。
「成長曲線」とは、性別ごとに多くの子どもの身長や体重をまとめたグラフです。年齢別に身長や体重の平均値や標準偏差を表したものです。
このグラフは、母子手帳やネットなどで確認することができるため、一度チェックしてくださいね。
身長を伸ばすために行いたいこと
身長を伸ばすためには、生活習慣が大切と言われています。特に「睡眠・食事・運動」が身長に影響を与えると考えられています。
「寝る子は育つ」は本当!
身長には成長ホルモンの分泌が必要になります。深い睡眠は、この成長ホルモンの分泌を促すことが期待出来ます。小学生の場合、10時間程度の睡眠時間が必要と言われています。子どもが質の高い睡眠を取れるように環境を整えるように心がけてくださいね。
- 就寝1時間前にはスマホやパソコンの使用を避ける
- 夕食を就寝の3時間以上前に済ませる
- 就寝2時間前に入浴する
- 生活のリズムを一定にする
- 自分にあった枕などの寝具を使用する
- 就寝前に徐々に薄暗くしておく
などを意識することで、睡眠の質がアップすると考えられています。寝る時間や起きる時間をある程度決めておくことで、身体がリズムを覚えるようになり睡眠の質も良くなると言われています。
バランス良く食べる
よくカルシウムを摂っていれば、骨が伸びるという人がいます。カルシウムは「骨を丈夫にする」ための栄養素です。カルシウムをしっかり働かせるためにはマグネシウムも大切になります。
カルシウムとマグネシウムは2:1のバランスで摂取することが理想的と言われています。最近では食生活が欧米化しており、マグネシウムが不足している小学生が増えてきていると考えられています。
*マグネシウムを含む食材
- 昆布
- ひじき
- 海藻類
- ゴマ
- ナッツ類
反対にリン酸の過剰摂取はカルシウムの吸収を阻害する原因と言われています。リン酸は、インスタント食品やスナック菓子などに多く含まれるため食べ過ぎには注意しましょう。
小学生の成長を促すためには、カルシウムだけでなくたんぱく質やビタミン、アミノ酸など多くの栄養素が大切です。そのためバランスのいい食事を摂るように心がけてくださいね。
適度な運動も成長のためには大切です
身長を伸ばすためには、骨に適度な刺激を与えることが重要と言われています。例えば走ることやスクワットなど適度に行うようにしてくださいね。
適度な運動を行うことで、食欲もアップし多くの栄養を摂取できるようになります。また適度な疲労感は、睡眠の質も良くなります。
ただし過度な運動は、骨端線を損傷させる原因になることもあります。骨端線を守るためにも、負荷の強い運動は避けるようにしてください。無理は禁物ですよ。
サプリを飲む上での注意点
国の研究所は「子どもに安易にサプリを与えないように」と注意喚起しています。また米国小児学会は健全な子どもに対してマルチビタミン剤を推奨していません。
それは子どもの栄養が不足しているかどうかの自己判断が危険という理由だと言われています。栄養素の中には、過剰に摂取することで、身体に害を及ぼすリスクもあり注意が必要となります。
またサプリは医薬品と異なり品質管理が徹底されていない商品も多くあります。どのような原料で、安全性が高いかどうかを私たちが判断することは非常に難しいのが現状です。
小学生の子どもは、胃腸などの臓器は未発達の場合が多く、そのためサプリによるリスクが大人以上に高くなると言われています。サプリを子どもに与える際は、医師などの判断を仰ぐようにしてください。
小学生の時期は、味覚を育てる大切な時期です。多くの味や色、食感を感じることが大切になります。
身長が伸びない・・・実は病気かも?
身長が伸びないのは、病気の可能性もあります。
- 成長ホルモンや甲状腺ホルモンの病気
- 染色体の病気
- 子宮内発育不全
- 骨や軟骨の病気
など身長が伸びない病気が多くあります。
早期に発見することで、成長ホルモンの投与などの治療を行うことができます。身長で不安がある場合は、早めに医療機関で検査を受けるようにしてくださいね。
サプリより普段の食事が大切です!
サプリは栄養を補うためのものです。足りないからと言って、栄養を補い過ぎると身体に害を及ぼす可能性があります。そのリスクを減らすためにも、サプリを使用する前には、まず医療機関で相談するようにしてくださいね。
子供の成長にとって、1番大切なことは普段の食事や生活スタイルです。サプリの前に生活を見直してみませんか?