子供の前で夫婦喧嘩をしないために…まず試したい!2つの方法


子供の前で夫婦喧嘩。よくないと言われても、つい感情を抑えられないことも、あると思います。

でも一度、お子様の心の内を想像し、与える影響を考えてみませんか?…努力しだいで、子供の前での夫婦喧嘩を減らしたり、「話し合い」に変えられたりするかもしれません。

ここでは、子供の前で夫婦喧嘩をしないよう、ぜひ試してほしい方法を、大きく2つに分けてご紹介します。

「声を荒げなかった!」「激しい喧嘩にならずに済んだ」…小さな一歩を、今日から積み重ねていきましょう!

子供の前で夫婦喧嘩 よくない理由

夫婦喧嘩。なぜ子供の前でするとよくないのか、簡単に解説します。

子供の脳や心にダメージを与える

福井大学などの研究によると、日常的に夫婦の暴言にさらされると、子供の脳の「海馬」という部分や「扁桃体」という部分に異常をきたすとのこと。

これにより、子供が怒りや不安を感じやすくなります。

また、「視覚野」という部分も萎縮。記憶力や学習能力も低下すると言われているのです。

では、夫婦がお互い無視しているような状態であれば、よいのでしょうか?

これも子供の心にダメージを与えます。子供は不穏な空気を察し、

  • 「もしかして自分のせい?」と自己否定感を抱く
  • 「自分が頑張らないから?力不足?」と自責感を抱く
  • 「離婚したらどうしよう」と不安になる

などの可能性があるのです。

大人でも、たとえば職場や自治会などの組織で、日常的に

  • 喧嘩や罵り合いばかり
  • 暴力をふるう、暴言を吐く人がいる
  • 周囲の人同士が挨拶すらしない
こんな状況なら、どう感じますか?個人差はあるでしょうが、不快感や不安感、「なんとかしなければ」などの気持ちを抱くのではないでしょうか?集中力や持っている力を発揮しにくい環境とも、言えるでしょう。

程度によっては児童虐待?

厚生労働省が定める「児童虐待の防止などに関する法律」を調べると、児童虐待の定義の中に

  • 児童に対する著しい暴言
  • 児童に対する著しく拒絶的な対応
  • 児童が同居する家庭における配偶者への暴力

などが記されています。加えて「その他、児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと」とあるのです。

虐待と聞くと、暴力やネグレクト(育児放棄)、性的虐待を連想しがち。しかし上記のような心理的虐待も、児童虐待の分類の一つなのです。

子供の前での夫婦喧嘩の場合、「ここまでは虐待でなく、ここからが虐待」と明確に定めるのは難しいですが、

  • ひどく罵り合う、バカにし合う
  • 相手を言葉で追い詰める
  • 声を荒げたり物の投げ合いになったりする

など、程度によっては子供に著しい心理的ダメージを与えます。

しかも夫婦喧嘩で感情的になっていると、「我を忘れて」ということもありますよね。

すなわち、自分で思っている以上に声が大きかったり相手を罵っていたり…。もしも後でその動画が見られるのだとしたら、「これは虐待とも言えるかも…」ということが、あるかもしれないのです。

どんな喧嘩がより悪影響?

「喧嘩」の意味は、言い合ったり殴り合ったりしてあらそうこと、とあります。

殴り合いの喧嘩は、明らかに子供に悪影響。しかし言い合いは、状況や程度にもよると言えるでしょう。

喧嘩というよりも、夫婦が意見を言い合い

  • 解決策をみつける
  • 相手に譲ったり謝ったりする
  • 最終的に関係が修復する

などの場合、子供にとって勉強になることもあります。よって同じ喧嘩でも、比較的冷静に意見を言い合えればよいとも言えるでしょう。

では、より子供に悪影響な言い合いって、どんな感じなのか考えてみましょう。

  • 声を荒げる
  • バカにしたり罵ったりする
  • 責める
  • 無能で価値のない人間だと言う
  • 危害を加えると脅かす
こんな言動が、子供の脳や心にダメージを与えやすくなると言えると思います。それだけでなく、子供も親の言い方をマネする可能性が高くなるでしょう。

方法①:「子供の前」以外で夫婦喧嘩をする

では実際に、子供の前で夫婦喧嘩をしないためには、どうしたらよいでしょうか?

「夫婦喧嘩を全くしないのは難しい」「意見のぶつけ合いも大事なのでは?」…それも言えるかもしれませんね。

せめて「子供の前」では夫婦喧嘩をしないよう、ポイントを3つに分けてお伝えします。

LINEやメールで伝える

言いたいことをその場で言うのではなく、後でLINEやメールで伝える方法です。

少し時間を置くことと、文章に表すことで、冷静になれる効果が期待できます。

ただ、注意点もあります。

  • 受け取り方が相手によって違う
  • 何度も読み返せる
  • 記録として残ってしまう

誰かとLINEやメールのやり取りをしていて、途中で「あれっ?言いたいことが伝わっていない?」「なんか展開がおかしいぞ」などと思った経験、ありませんか?

実際の言い合いだと、相手の解釈が違うことに気づいたら、すぐに訂正可能。しかし文章だと、そういかない場合が多いですよね。

同じ「怒り」の言葉でも、自分が思っている以上に相手に「怒り」が伝わることも…。その逆も、当然あるわけです。

また、後から何度でも読み返せることで、さらに怒りが増したり、忘れた頃に怒りがよみがえったりするケースもありますね。

内容によっては、文章のやりとりが「証拠として残ったらまずい」なんて人もいるかもしれません。

いずれにせよ、文章をつくる時は、上記のような場合もあることを想定した上で慎重に!文章のつくり方は、後述する【「自分が変わる」を試してみる】の章でお伝えすることも、参考になりますよ。

子供が目の前にいない時にする

言いたいことをその場で言わず、後で子供がいない時に喧嘩するのです。夫婦で「子供の前では喧嘩しないようにしよう」と、共有しておけるとよいですね。

  • 子供が寝た後
  • 子供が小学校や習い事、遊びに行っている間
  • 公園やカフェなど、自宅ではない場所で

注意点として、子供が寝付いておらず「そーっと聞いている」場合があります。声の大きさに気をつけましょう。

子供が不在の時に喧嘩。決着がつかないうちに帰宅…ということもあるでしょう。この後すぐに述べる「感情の抑え方」を参考に、さっと気持ちを切り替えられるとよいですね。

お子さんを誰かに預けたり、高学年で留守番ができたりする場合、喧嘩の場所を変えるのも一つです。

木々やお花の多い公園は、自然の癒し効果で気持ちが高ぶりにくくなることが期待できます。おしゃれなカフェであれば、冷静に意見を言い合うかたちになりやすいとも言えるでしょう。
いずれにせよ、非日常の空間、「人目がある」と思えるだけでも違ってきます。声を荒げたり感情むき出しになったりする可能性が、低くなるでしょう。

その場の感情を抑えるために

「ついカッとなる」「口に出さずにいられない!」…。子供の前で夫婦喧嘩しないためには、まずその場での感情を抑えなければなりません。

怒りの感情は、一度でも表現するとさらに強くなる、という研究結果があります。ぐっと我慢して時間を置く方が、無駄に怒らなくて済むのですね。

感情を抑える工夫の仕方を、筆者の体験や周囲の声、ネット上の意見も参考に挙げてみます。

  • いったん深呼吸をする
  • 「1,2,3,4,5」と、ゆっくり数える
  • テレビをつけて内容に集中する
  • 目を閉じて「私は何も感じない、何も思わない」と唱える
  • 「私は人形」「私は植物」と思い込む
  • 笑顔をつくったり口角を上げたりする
  • 後でどう言ったら効果ありか存分に考える
  • 固いするめを噛んで食べる
  • チョコレートを食べる
  • その場を離れて頭を冷やす

中には個性的な方法もありますが…。自分にとって「これをすれば我慢ができる!」という方法を、探しておけるとよいですね。

方法②:「自分が変わる」を試してみる

「相手がこうしてくれたら夫婦喧嘩しなくて済むのに」と思いがちですが、相手はなかなか変わらないもの。しかし自分が先に変われば、相手も変わるかもしれませんよ!

相手のよい面に目を向け感謝する

ほんの小さなことでも、相手のよい面、してくれていることに感謝する方法です。

たとえば、家事育児を手伝わない夫に不満な場合。夫のよい面やしてくれていること、「全く」ないでしょうか?

  • 家族旅行の際に車の運転をする
  • ゴミ出し
  • 子供と会話をする

「私の方が、負担が大きい!」という不満には目を向けない。まずしてくれていることに「ありがとう」「助かっているよ」と言ってみましょう。

ほとんどの人は、認められたり感謝されたりすれば嬉しいもの。自らもっとやってくれるように、なるかもしれません。

筆者の知人は「主人が働いているから家を買えた。感謝の気持ちで家の掃除に努めている」と言っていました。そういう気持ちと行動に、ご主人も感じるものがあるのだと思います。

男性も同じ。妻に対する不満には、この際目を向けない。まず普段してくれていることに感謝してみましょう。

悪い部分ばかりを探すクセのある人もいます。これを機に「よい面」「してくれていること」を探す習慣をつけ、感謝を言葉で表す。まずは実践してみませんか?

相手を「知らない人」だと思い込む

「感謝なんて寒気がする」…「ありがとう」なんて言いたくないほど、相手を憎く思う人もいるかもしれません。

とある本に、夫(妻)を知らない人と思い込むのはどうか、と載っていて、感銘すら受けました。一つの例を示しましょう。

① 自分は専業(パート)主婦。夫は仕事をしているが家ではゲームばかり
② その夫が、突然死んでしまった
③ 経済的に困る…悩んでいると、知らない男性が援助を申し出た
④ その男性は自分や子供に関心をもつことなく、必要なお金をくれる
⑤ 「なんてありがたい存在なんだ!」と感謝する

という感じです。面白い発想だなと思いました。

男性も同様。

① 妻は最低限の家事育児はするが、そのやり方や他にも不満な点がある
② その妻が、突然死んでしまった
③ 父子家庭で仕事と家事育児をすべて担うことに…思ったより大変だ
④ 突然知らないおばさんが、無償で家事や子供の行事に出てくれるようになった。
⑤ 「本当に助かる!」と感謝の気持ちでいっぱい

そう思えば、今妻がしてくれていること、頑張っていることに、感謝の気持ちを抱けると思います。

想像するのはタダ。時間もそんなにかかりません。各自のパターンに当てはめて、想像してみませんか?

そして、まずこちらから感謝の言葉を伝えてみましょう。

「アイメッセージ」で伝える

夫婦喧嘩の際、「あなたはいつも○○してくれない」「おまえは絶対○○だよな」など、相手を主語にして話していませんか?

相手からすると、「責められている」「変わるよう要求されている」と思い、気分を害しやすくなります。

ぜひ自分を主語にする「アイメッセージ」で伝えるよう、心がけてみましょう。

たとえば、こんな感じ。

  • 「私は○○をしてくれると嬉しいの」
  • 「私は○○の方がよいと思うよ」
  • 「俺は○○だと心配なんだ」

最初のうちは「俺だって○○だ!」「私だって頑張っている!」などと返ってくるかもしれません。言っている内容は同じ、という場合もありますからね。

しかしアイメッセージに変えると、自分自身が冷静かつ穏やかになれることがわかると思います。だんだんと「夫婦喧嘩」から「夫婦での話し合い」に変わりやすくなるのです。

うまくいけば、子供の前でも「ただの話し合い」。むしろよい影響を与えることにも、なるかもしれません。

相手を不快にさせる言葉を使わない

喧嘩の時は、イライラしているから無理もないのですが…。以下のような言葉を、けっこう使っているかもしれません。

  • いつも
  • どうせ
  • 絶対
  • でも
  • だって

これらは「決めつけ」や「反論」の言葉です。自分が言われると、不快になると思います。

「ああ、自分はこう思われているのだな」「自分の気持ちを受け入れてはくれないのだ」…話す気がなくなったり逆に言い返したくなったりし、空気の悪さや激しい喧嘩を招きやすくなるのです。

お互いに上記のような言葉を使っているかもしれません。しかし、まずは自分から使うのをやめてみませんか?

すぐに効果は表れなくても、徐々に「喧嘩」から「話し合い」に変わりやすくなっていくかもしれません。

試してみた体験談

筆者(女性)も子供の前で夫婦喧嘩をしていた時期があります。筆者の友人(女性)も、激しい喧嘩を子供の前でしていたそうです。

方法②:「自分が変わる」を試してみる、の中の4つの方法を、実際に試してみました。

二人とも、すぐには結果が出ませんでした。今まで強い口調で不満ばかり言っていたのですから、夫も妻へのイメージがすぐに変わるわけではありません。

しかし二人とも続けていくうちに、夫の方も変わってきたのが驚きでした。

筆者の夫はもともと穏やかだったのが筆者の影響でカッとなりやすくなっており、筆者が穏やかになることで元に戻った感じでしょうか。

筆者の友人は、最初のうちは「男ができたと夫に思われているみたい」と言っていました。それでも「ありがとう」を言ったり夫を持ち上げ続けたりすることで、今までやったことのなかった夕食づくりに挑戦するまでになったそうです。

繰り返しになりますが、すぐには変わらないことが多いと思います。時間がかかったり浮き沈みがあったり、結果的に相手は変わらなかった、ということもあるかもしれません。

それでも、可愛いお子さんのために、試してみませんか?「相手も変わるかゲーム」とか「賭け」とか考えると、面白く取り組めるかもしれませんよ!

子供の気持ちに寄り添いたい

中には、真剣に離婚を考えるほどの場合もあると思います。

それでも子供の前では夫婦喧嘩を避け、静かに将来の離婚に向けての準備をしていく。子供に与えるダメージは、最小限に食い止めたいところです。

努力しても「また子供の前で夫婦喧嘩をしてしまった…」そんなこともあるでしょう。

その後に、お子さんにフォローを入れてあげてほしいと思います。

  • 子供に話せる内容なら喧嘩の理由を話す
  • 「あなたのせいではない」ことを伝える
  • 「話し合って仲直りしたから大丈夫」と言う

お子さんの不安な気持ちに寄り添い、安心感をきちんと言葉で与えてあげましょう。それが一番、大切だと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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