スマホが子供に与える影響とは。電子機器が成長期に及ぼす問題点
2、3歳頃からスマホのアプリなどで遊んでいる子供も多くなり、内閣府の調査によると小学生でのスマホ所持率はおよそ3割というデータもあります。ただスマホが子供に悪影響を与えるのではないかと悩んでいる親も多くいます。
急速に普及してきているスマホに対して、どれくらい子供に悪影響があるのか、未だにはっきりわかっていないのが現状です。子供に与えるかもしれない影響を考えて、スマホと向き合うようにしてくださいね。
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スマホの悪影響:睡眠障害
スマホを持っている多くの子供にみられるのが、睡眠障害です。子供の成長にとって睡眠は重要な要素です。小学生には10〜11時間程度の睡眠時間が必要と言われています。
スマホでなぜ睡眠障害が起きるの?
スマホがベッドの横に置いてあると、つい気になってしまい睡眠のリズムが崩れやすくなると考えられています。睡眠のリズムが崩れることで、朝が起きられなくなる、日中もボーとしているなどの状態になりやすくなります。
1.友達とのやりとり
SNSなどの影響で時間を気にすることなく、友達とやりとりができます。相手から送られてきたメッセージに返信をせざる得ないため、何度もやりとりが続くうちに就寝時間を過ぎてしまいます。
毎日その状態が継続していくと、睡眠のリズムが崩れてしまい睡眠障害の状態に陥入る可能性があります。
2.動画サイトなどに夢中になる
スマホの中には、面白い動画や興味のある情報が豊富にあります。そのため、ネットサーフィンに夢中になってしまい、時間を忘れやすくなります。
スマホの悪影響:学力低下
近年、スマホと学力との関係について多く研究されるようになってきました。東北大学の研究によると、「子供が平日に通信アプリを使用すると、学力が低下する」と報告しています。
「スマホを使っていても、しっかり勉強している」と考えていても、この報告では、勉強時間に関係なく学力が低下すると言われています。つまり、勉強時間は同じでもスマホを2〜3時間程度使用している子供の方が学力が低いということです。
またスマホを触っていなくても、近くに置いてあるだけで気になって勉強に集中出来ていないとも言われています。そのため、学力低下につながる可能性があります。
スマホの悪影響:視力低下や腱鞘炎など
スマホを使用することで身体的影響も現れてきます。
目に対する影響はなぜ起こるの?
スマホはブルーライトを発しています。そのためスマホを使用することでブルーライトの影響が起こります。
・視力低下
ブルーライトを毎日見ることで、網膜にダメージを与え「加齢黄斑変性」という目の病気にかかりやすいと言われています。この病気は、加齢に伴って徐々に進行していくものでしたが、最近では若い時に発症するケースが増えてきています。
・眼精疲労
ブルーライトを浴びていると、脳が目への負担を減らすため常に瞳孔を調整していると言われています。その結果、目の疲労が起こりやすくなります。さらにスマホでゲームなど行っていれば、目を酷使してしまい負担が大きくなります。
・睡眠障害
ブルーライトには眠気を抑制する働きがあると考えられています。眠る前にスマホを使用していると、睡眠不足や睡眠障害などが起きやすくなります。
腱鞘炎はなぜ起こるの?
スマホを長時間使用する、片手だけで操作することによって指の関節や腱に過剰な負担がかかると言われています。ガラケーと違いスマホは親指だけで操作する人が多く、そのため腱鞘炎になりやすいと考えられています。
- 指の関節や付け根に痛みがでる
- 指の曲げ伸ばしが行いにくくなる
- 手を握ると痛い
- 手の指などにしこりがある
これらの症状が現れたら腱鞘炎の可能性があるため医療機関に受診してくださいね。
スマホの悪影響:依存
「スマホ依存」「スマホ中毒」という言葉を聞いた事ありますか?スマホを常に手放せない状態になってしまうことです。最近は小学生でも依存症になっているケースも多くなってきています。
スマホ依存の状態になってしまうと、
- スマホがないと不安
- スマホがないとイライラする
- スマホを常に操作している
- スマホの電波が届かないところに行きたくない
などの症状が起こります。この状態が長く続くことで、家族の会話が減ってしまうなどの悪影響を及ぼします。
スマホを持つことで良い影響はないの?
スマホが子供に与える悪影響ばかりに目が行きやすくなりますが、反対にスマホを持つメリットがない訳ではありません。
*ドーパミンが分泌される
子供が楽しみながらスマホを操作すると、ドーパミンが分泌されます。ドーパミンはやる気を出す物質と考えられており、脳の活性化が期待できます。
*視覚情報処理能力が高まる
スマホの画面をみて操作すると言うことは、状況を判断しながら操作していると言うことです。そのため視覚での情報を処理するための能力がアップすると言われています。
*語彙力が増える
アメリカの研究では4~7歳の子供に語彙能力をアップさせるようなアプリをさせたところ、子供の語彙力が伸びたという報告があります。
楽しい知育アプリは、耳や指などあらゆる感覚を使って遊びの一環として学習が出来るため、効率よく覚えることができると言われています。
スマホの悪影響を減らすためには・・・
スマホが子供に与える影響にはデメリットだけでなく、メリットもあります。ただスマホを子供に渡してしまうと、その楽しさから手放せなくなるのは当たり前です。事前にルールを作り、制限をしっかり行わなければスマホが子供に与える悪影響が強くなってしまいます。悪影響を最小限に抑えるためにも、事前に家族内でルール作りを行うようにしましょう。
- スマホの利用時間を決める
- スマホを触らない時間を決める
- 課金について決める
- パスワードについて決める
- 誰と繋がるかを決める
などのルールを家庭で話合い決めるようにしてください。また、ルールを破った場合の罰も事前に決めておくことが大切です。例えば、ルールを少しでも破った
場合はスマホを没収するなどです。
ここで大切になるのが、破った時の罰はちゃんと実行するということです。かわいそうだからとか今回だけとか考えて、罰を与えないとルールをすぐに破るようになってしまいます。ルールを守らせるためにも、きっちり罰を行いましょう。
家庭内でルール作りをするためのポイント
1.子供としっかり話し合って決める
親としての要求を無理矢理押しつけても意味がありません。子供自身がルールの必要性をしっかり把握し理解することで、ルールを守るようになります。
2.携帯の機能を設定する
最近販売されている多くのスマホには、機能制限をかけることができます。例えば、アクセスしてもいいサイトを制限する、他の人との通話やメールが出来ないようにするなどの機能があります。中には、使用時間が制限出来るサービスが提供されている場合もあるため、ルール作りにそって機能制限をかけるようにしましょう。
3.成長に伴って、ルールを見直す
子供の成長に伴ってルールを見直すことも大切です。子供が成長すると友人が増えるなど生活する範囲が拡大します。それによって興味のある情報も変わっていくため、こまめに子供と話し合いルールの変更が必要ないか見直すようにしましょう。
4.ネットのリスクなどを指導する
スマホは楽しいだけのアイテムではありません。SNSで他者と繋がるリスクなどしっかりと子供に教えることが大切です。安全にスマホを使用するためにも、ネット環境との関わり方を子供に教えるように心がけましょう。
スマホによる悪影響を減らすために行ってもらいたいこと
長時間の使用やながらスマホによって、悪影響を及ぼす可能性があると言われています。スマホを使用する際は、必ず使用時間をキッチリ決めるようにしてください。できれば1日1~2時間程度にする方がいいですよ。
また使用していない間は、子供がわからない場所に保管するようにしてください。近くにあると、スマホが気になってしまい集中力が低下しやすくなります。電源を切るなど子供に影響を与えないように工夫することが大切です。
スマホを渡す前に、しっかりとしたルール作りが大切です!
スマホが子供に与える影響には、メリットとデメリットがあります。家族内でしっかり話合い、家庭ごとのルールを作るようにしてくださいね。また親がルールに曖昧な態度を取ってしまうと、子供もルールを守らなくなります。
スマホを賢く使用するためにも、一度家族内で話してみませんか?