嘘をつく子どもの心理。子どもが嘘をつかないように導く方法とは

「嘘つきは泥棒の始まり」と昔から言われていますが、一生のうちで一度も嘘をつかないで生きていく事はできないでしょう。とは言え、我が子が平気で嘘をつくようになるのは親として見過ごす訳にはいきません。

嘘も方便という言葉もあるように、嘘にはついても良い嘘と悪い嘘がありますが、子どもにそれをきちんと理解させるのは難しいでしょう。取りあえず、子どものうちはできるだけ嘘をつかせないようにする方向へ導きます。

そこでどんな時に嘘をつくのか、嘘をつく子どもの心理について考えてみましょう。嘘をつく子どもの心理が理解できないと、嘘をやめさせる事ができません。これから嘘をつく子どもの心理を探っていきましょう。

なぜ嘘をつく?嘘をつく子どもの心理

小学校へ上がる頃には、子どもは嘘をつくのはいけない事であると分かっているはずです。いけない事と知りつつも嘘をつく子どもの心理とは、一体どのようなものなのでしょうか。幼児期の頃の何となくついてしまうような嘘とは違って、小学生になるとその嘘の殆どに理由が存在します。

では、嘘をつくにはどんな理由があるのでしょう。ここでは嘘をつく子どもの心理を探ってみます。

叱られたくない

失敗をしてしまった時や悪い事をしてしまった時、子どもは大人から叱られたくないと考えます。それはかつて叱られたことが自分の中で嫌な思い出として残っていて、あんな思いは二度としたく無いと考えるからです。そんな時に、子どもは嘘をついて自分を守ろうとします。

言葉で嘘をつかなくても、例えばテストの点数が悪かった時にテストそのものを隠してしまうというのも、叱られたくないという思いで嘘をついている事と同じですよね。嘘をつく子どもの心理には、叱られたくないという思いがあるようです。

関心を引きたい

嘘をつく子どもの心理には、褒めてもらいたい、周りに認めてもらいたい、注目されたいという願望もあります。ですから、できもしない事をできると言ってみたり、行ってもいないところに行ったと言ってしまう様な嘘をつくのです。

但し、この嘘は幼少期には思い込みによる発言で結果的に嘘になってしまっている場合もあります。小学校の低学年であれば、できたという思い込みや行ったという思い込みで嘘という認識が無く、悪意が無い状態で言っている場合もあるでしょう。

嘘をつく子どもの心理は、大人が考えているほど深く意識していない事も多いです。軽い気持ちで自分に注目してほしいという願望から、嘘をついてしまっているのかもしれません。

喜んでもらいたい

嘘をつく子どもの心理として、相手を喜ばせたいと思った時つい口にしてしまう場合もあります。例えば、お母さんに喜んでもらおうと「今日は先生に褒められたよ!」と嘘をついてしまったり、「かけっこで1番だったよ!」といった内容の嘘です。

学校での良い話を聞くと、親としても嬉しいのでストレートに喜びを表現して子供に「良かったね、すごいね」と言ってしまいます。そんなお母さんの顔を見たいからという理由も、嘘をつく子どもの心理と言えるでしょう。

苦手を避けたい

誰でも嫌な事や苦手な事はできれば避けたいところですが、嘘をつく子どもの心理にも当てはまる様です。

学校に行きたくない時は「お腹が痛い」と嘘を言うかもしれませんし、勉強をしたくない時は「頭が痛い」と言うかもしれません。子どもも、苦手な事を避けるために嘘を言う事があります。

但し、必ずしも嘘なのかと言えばそうでは無い場合もあるので少し注意が必要です。苦手な事に取り組もうとすると、強いストレスにより本当にお腹が痛くなったり頭が痛くなっている場合もあります。一概に嘘だと決めつける事ができないのが、この手の嘘なのです。

親も嘘をついているから

嘘をつく子どもの心理として一番厄介なのが、親も嘘を言うのだから自分だって嘘をついても良いと考えている場合です。また親以外でも、身近な大人が嘘をつくと同様の心理で子どもは嘘をつくようになります。

この場合、子どもは嘘をついている事での罪悪感が無い場合が多く、嘘をつく事に躊躇いも感じていないでしょう。当たり前に近い感覚で嘘が口から出てくるようになっており、逆に嘘を言うのがどうして悪いのかも分かっていないかもしれません。

子どもが嘘をつかないように導く方法

嘘をつく子どもの心理から、子どもには嘘をついてしまう原因がある事がわかります。でも、子どものうちはできれば嘘をつかないでいて欲しいと願うのが親ごごろですよね。

では、子どもが嘘をつかないようにするために親としてできる事は何でしょうか。嘘をつく子どもの心理から考えて、嘘をつかせないように導いていく方法をご紹介していきます。

頭ごなしに叱ってはいけない

子どもが明らかに嘘をついている!と感じると怒り心頭でその場ですぐに怒ってしまうという気持ちも分かります。でも、子どもが嘘をつかないようにするには、その方法は逆効果かもしれません。

嘘をつく子どもの心理には色々ありましたが、子どもが嘘をつくには何らかの理由があります。その場で強く叱られると、叱られないようにその後も嘘をつくようになる可能性があるのです。

子どもの嘘に気が付いたら、まずは一呼吸置いて冷静になりましょう。そして、嘘をついた理由をゆっくり聞いてあげてください。その理由を正直に話してくれたら、子どもを褒めてあげましょう。

嘘をつく子どもは、その嘘が自分に良い結果をもたらすのだと思い込んでいます。子どもに嘘をつかせないようにするには、そうでは無く、嘘をつかなくても良かったんだいう事を分からせる必要があるのです。

いけない嘘には毅然とした態度を取る

子どもの嘘を頭ごなしにりつけてはいけませんが、その嘘に命の危険が伴っている場合や他者に迷惑を掛けてしまう嘘、そして犯罪に関係するような嘘の場合には、毅然とした態度で嘘をついてはいけないと厳しく伝える必要があります。

嘘には言っても良い嘘と悪い嘘がありますが、子どものうちはその使い方がよく理解できていません。大人になるに従い、色々な経験を重ねながらその意味を理解していくでしょう。

ただ、そんな嘘の中でも他人を傷つけてしまったり世の中に迷惑を掛けてしまうような絶対についてはいけない嘘に関しては、早くからきちんと教えておく必要があります。絶対についてはいけない嘘を子どもがついてしまったのだとしたら、二度とそのような嘘はつかないように厳しい対応をした方が良いでしょう。

接し方を改めてみる

嘘をつく子どもの心理から考えても分かるように、子どもが嘘をつくのは親の対応が原因となっている事が殆どです。そこで、子どもに対する接し方について考えてみてください。

嘘をつく子どもの心理では、関心を引きたいと強く願っている場合があります。親に対して関心を引きたいと思うという事は、親が自分に関心を持ってくれていないのでは無いかと疑っているからです。そこでちゃんと子どもと毎日向き合っているか、考えてみましょう。

また、喜んでもらいたいと思って嘘をついている子どもは、親から叱られる事が多いのかもしれません。叱られるのが嫌で嘘をついてしまう子どもにも、同様の事が言えます。家できつく叱ってばかりはいないか、考えてみましょう。

また、嫌な事を強要し過ぎてしまうのも嘘をつく原因になっています。習い事や塾などに行きたくないので嘘をつく場合、子どもの心の中で嫌な事を無理にさせられているというストレスがたまっている事も考えられます。嘘以外にも、子どもから助けて欲しいというサインが出ている可能性もあるので、子どもの事を注意深く観察してみてください。

子どもの前で嘘をつかない

当たり前のように子どもの前で嘘をついていると、子どもも嘘が平気でつけるようになります。子は親を映す鏡ということわざがありますが、子どもの前で親が日常的に嘘をついていれば、子どもも同じように嘘をつくようになるのは当たり前です。

親のついてしまう嘘には、子どもに心配を掛けさせないようにするための嘘もあるでしょう。

でも、そういう嘘は子どもながらに感じ取り、今嘘ついているんだなと思わせてしまいます。そうすると親に心配を掛けさせないように、子どもも同じように嘘をつくようになるのです。

小さな何でも無い嘘でも、重なれば大きな嘘にもなっていくでしょう。子どもが嘘をつくようになったのなら、まずは家庭の中で基本的に嘘をついてはいけないという事を徹底してみましょう。心配をさせないようにと子どもに嘘をつくのでは無く正直に話し合うようにし、嘘で隠さず素直な気持ちを伝えるようにしてください。

嘘をつく子どもの心理を理解する

我が子が嘘つきになるのは親として許せないかもしれません。この子は今、自分に嘘をついていると感じた時、思わず怒りがこみ上げてくるのも分かります。

けれども子どもが嘘をついた時、すぐに叱ってしまうのではなく「なぜそんな嘘をついたのか」を考えてみてください。一度深呼吸をして冷静になってみましょう。

嘘をつく子どもの心理を理解すると、子どもが嘘をつかなくても良いように上手に導く事ができます。子どもは自分の都合に合わせた嘘をつきますし、そもそも嘘を悪い事だと思っていないかもしれません。

ここで挙げてきた嘘つく子どもの心理の中で、我が子はどれに当てはまるのかを考えてみましょう。りつけると逆効果になる場合が多いので気を付けなくてはなりませんが、絶対についてはいけない嘘に関しては、毅然とした態度で注意しましょう。

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