子供の乗り物酔い対策。不安・心配が強いお子さんへの対応法


「バスでの社会科見学、いやだな」「きっとまた酔う」…。心配で憂うつそうなお子さんを見ているのは、つらいですよね。

けれども学校行事は避けられない!気が気でない親御さんも、多いと思います。

ここでは、乗り物酔いの対策を、事前準備できることと、酔いにくい乗り方に分けて多数ご紹介!特に不安・心配が強いお子さんに焦点を当てて、お伝えしていきます。

ぜひお子さんに合う方法をみつけて、「これなら症状が軽くなる!」という自信をつけさせてあげたいですね。

乗り物酔いの原因とは

「酔わない子もいるのに」…。そもそも乗り物酔いって、何故おこるのでしょうか。簡単に解説します。

乗り物酔いのメカニズム

人間の体には、揺れても一定のバランスを保てるような機能が備わっています。

耳の奥にある「内耳」。この中の2つの部分が、バランス感覚をつかさどっているのです。

  • 前庭にある耳石器→直線加速を感知
  • 半規管(三半規管)→回転や体の傾きを感知

しかし乗り物に乗っていると、

  • 発信や停止が繰り返される
  • スピードが変化する
  • 前後・左右・上下に揺れる

ことが起こり、耳石器や三半規管に刺激を与えます。その結果バランス感覚が狂い、平衡機能が乱れてしまうのです。

通常、モノが見えることで周囲の状況が把握でき、バランスをとる手助けもしてくれます。

歩いている時などは、前述のバランス感覚と目で見える景色の調和がとれています。しかし乗り物に乗っていると、自分はじっとしているのに景色だけがどんどん変わりますよね。

3D映像や動きの激しいゲーム画面を見ていても、気持ち悪くなることがありませんか?それと同じですね。

バランス感覚が狂い、それでも体は前後左右上下に揺れ続け、景色はめまぐるしく変わる…。すると脳に混乱が生じ、自律神経に異常をきたします。自律神経は胃や心臓、汗腺などに影響を与えるので、乗り物酔いの症状が出てしまうと言われているのです。

具体的な要因は?

人それぞれ、もしくはその時によってということも言えるのですが、大きく3つに分けられます。

  • 体調など体に関する要因
  • 心配・不安など心に関する要因
  • その他の要因

体調など体に関する要因は

  • 睡眠不足や体調不良
  • 空腹や食べ過ぎ
  • 変な姿勢で乗り続けていた

などが挙げられます。その他の要因としては、

  • 車内やガソリンの臭いが嫌い
  • カーブや揺れが多かった
  • 車内で本やゲームなどを見ていた

などがあるでしょう。しかし「また酔ったらどうしよう」「きっと酔っちゃう」…こんな心配や不安は、症状に大きな影響を及ぼします。

乗り物酔いの症状は?

バランス感覚をつかさどる器官の、強さ弱さは人それぞれ。乗り物酔いをするかしないか、また「症状」も個人差が大きいのです。

乗り物酔いの症状として、

  • 吐き気・嘔吐
  • 生唾やあくびが出る
  • 頭痛・めまい
  • 冷や汗が出る
  • 顔面蒼白

などがあります。

日本耳鼻咽喉科学会の報告によると、

  • 小中学生の30~40%が乗り物酔いしやすい
  • 男子よりも女子の方が多い
  • 高学年になるにつれ、乗り物酔いしやすくなる

とのこと。幼児や高齢者は酔いにくいという報告もあり、小中学生で悩む場合が多いと言えますよね。

どうして大人に比べて子どもの方が酔いやすいのでしょう?

  • 身体のさまざまな器官が未熟
  • 乗り物に乗る経験が少ない
  • 自分で対策できない

ことなどが挙げられます。加えて、平衡感覚が発達し始めるのが小学生~中学生。よって小中学生が最も酔いやすいのですね。

最初の2項目は仕方がないですが、「自分で対策」はお子さんが気をつけるべきことを理解し実践できれば、効果が期待できます。

次章から対策方法を多数ご紹介。「これなら症状が軽くなる!」という方法をみつけ、不安・心配を減らすのが大きな目的です。

事前準備をして安心させよう

まずは事前準備編。不安・心配が強いお子さんは、「しっかり準備をした!」という事実が安心につながります。

バスの座席は?

座席が自分で選べる場合、バスは「前輪と後輪の中間部」が最も揺れが少ないと言われています。もしくは、一般的なバスなら前から4~5番目、大型バスならもう少し後ろの席がベストだそうです。

タイヤの真上は比較的揺れるようなので、避けた方が無難でしょう。

といっても、バスの詳しい見取り図がない限り、難しいですよね。

わかりやすいのは、後ろか前かで言えば、前の方がよいこと。なぜ?進行方向がよく見えると、車の揺れに体が自然に対応できるからです。

運転者が酔うという話は、ほとんど聞きませんよね?マイカーでのお出かけの際は、酔いやすいお子さんは助手席がよいですね。

ただ、社会科見学などの際のバスの座席は、思い通りにならない場合も…。小学生はくじ引きや仲の良い友達に合わせて、ということも出てきがちです。

どうしても、の場合は事前に先生に相談しておくのも一つ。

筆者は小学校での勤務経験がありますが、座席を決める際、「あらかじめ酔いやすい子は前の方へ」などの配慮をする先生もいらっしゃいました。

前の方、特に一番前の席だと、万が一吐いてもクラスメートに見られにくいです。たいてい付き添いの先生もいますので、「その方が安心」というお子さんもいるでしょう。

また、座席が決まったら、その座席のメリットをお子さんに伝えてあげましょう。

  • 窓側…「遠くの景色を眺めてリラックスできるね!」
  • 通路側…「手足が通路側に伸ばせてリラックスできるね!」
  • 前の方の席…「前が見えやすく、先生が近くにいて安心だね!」
  • 中間部の席…「揺れが少ないみたいよ、よかったね!」
  • 後ろの方の席…「後ろの方が酔わないと言っている人もいるよ!」

ただ、後ろの方の席で「気持ちが悪い」と言い出せないお子さんなどの場合、特に先生に相談しておいた方がよいかもしれません。

なるべくその席のデメリットは言わないように…。お子さんを余計不安にさせてしまいます。

脱ぎ着が可能なゆったりした服装

神経質になる必要はないですが、「きつい服装」だけはやめましょう。

  • ウエストがきついズボン、スカート
  • きつい下着や靴下、きつい靴
  • 全体的に動きにくい服装

「オシャレをしていきたい」と言うお子さんもいるかもしれませんが、ゆったりした動きやすい服装を心がけましょう。

バスの中の温度も、その時にならないとわかりません。暑すぎたり寒すぎたりは、自律神経を乱して酔いやすいことも…。こまめに対応可能な、脱ぎ着しやすい服装を準備しましょう。

エチケット袋の用意

バスの座席の網ポケットに入っている場合もありますが、筆者の長女は各自でつくってくるよう学校から言われます。

紙袋とビニール袋を重ねてつくるのですが、筆者は

  • ビニール袋は紙袋よりも少し大きめのサイズ
  • 紙袋の中にビニール袋を入れて重ねる
  • 口(取っ手)の部分はビニール袋を折り曲げて軽くテープ留め

の要領でつくって持たせています。ビニール袋は穴があいていないか、破れていないか、要チェックです!

万が一吐いた時には、テープをはずしてビニール袋の取っ手を縛るよう言っています。

他にも「エチケット袋 作り方」で検索すると、新聞紙や広告で作る方法や、他のアイディアも載っていますよ。

「市販 エチケット袋」で検索すると、

  • 防臭効果のあるタイプ
  • 嘔吐物がゼリー状に固まるタイプ
  • 口がチャックでしまるタイプ

など、さまざまなエチケット袋があることがわかります。少し値段はお高めですが、お子さんの安心につながるのであれば、価値ありでしょう。

その他、「いつもより多めにチリ紙を持つ」「ぬれタオルなども持っていく」ことなども、安心につながるかもしれませんね。

薬の服用

小学生、特に学年が上がるほど理解力も増します。筆者の長女も含めてですが、「薬を飲んだ」ということが一番の安心につながるお子さんも多いでしょう。

ただ、酔い止めの薬は、基本的に病院で処方してもらえません。酔い止めの薬は「予防」のための薬。病院では「治療薬」を処方するのが基本です。

よって市販の薬を購入することになります。さまざまなタイプの薬が販売されており、錠剤の他にも

  • ドリンクタイプ
  • 飴(アメ)タイプ
  • チュアブルタイプ

などがあり、味もそれぞれ。「バスに乗る30~40分前に」というものが多いですが、酔ってから飲むのでもかまいません。
「バスの中で飲むことになるかもしれない」ことも考えた上で、選びましょう。おやつ禁止の時間に、薬と言っても「アメ」をなめるのは、お子さん自身も気になるかもしれませんよね。

ちなみに長女の友人は、「ドリンクタイプのこの薬しか効かない!」と言っていました。一つの薬で万が一効果が見られなくても、他の薬も試してみましょう。

手軽に服用できるタイプの物でも、薬は薬。注意書きをよく読んで、正しく服用するようにしましょう。

前夜の睡眠をしっかりととる

前夜は「楽しみで眠れない」お子さんがいる反面、「酔うのが不安で眠れない」お子さんもいるかもしれませんね。

「対策をしているから大丈夫よ」「〇〇を見学できるのは楽しみだよね」など、前向きな言葉をかけてあげましょう。

そして深呼吸をし、リラックスして眠れるよう、手助けしてあげてほしいと思います。

万が一よく眠れなくて、翌朝「寝られなかったから酔っちゃうかも…」とお子さんが言い出しても、親御さんはどっしりとしていたいもの。「他の対策をすれば大丈夫!」と笑って送り出してあげたいですね。

朝食のとり過ぎ、空腹に注意

満腹の状態は、胃の粘膜を刺激し酔いやすくなります。神経質になり過ぎる必要はありませんが、適度な量の朝食を心がけましょう。

筆者のいとこは、「吐くと嫌だから食べない」と言っていました。しかし空腹も胃の粘膜を刺激。結局いつも胃液のような物を吐いてしまっていたそうです。

「朝ご飯を食べた方が酔わないみたいよ」と優しく教えてあげ、少しでも食べていけるとよいですね。

朝食の内容にも気をつける

朝食は、消化のよい物をとるようにしましょう。ご飯、柔らかい麺類やパン、柔らかい野菜や豆腐など…。反対に避けた方がよい物として、

  • カフェインが入った飲み物
  • 脂っこい食べ物や辛い食べ物
  • みかん、グレープフルーツなどの柑橘類

が挙げられます。柑橘系の果物は胃酸の分泌を促し、酔いやすくなる可能性が…。柑橘系の果物のジュースも控えるようにしましょう。

酔いにくい乗り方を教えよう!

「どんな乗り方が酔いにくいか」をお子さん自身が理解し、家族でのお出かけの際などで試してみましょう。合う方法がみつかれば、「これで大丈夫!」という自信につながりますよ。

頭を大きく揺らさない

頭を揺らさない方が、バランス感覚をつかさどる内耳が刺激を受けにくく、酔いにくいとされています。タオルを折って枕のようにし、頭を固定すると効果的です。

しかし、小学生の遠足や社会科見学。周りの子が浮き足立っていたりバスレクがあったりし、常時じっとしているのは困難でしょう。

なるべく、体をひねったり大きく頭を揺らしたりすることは避けるよう、教えてあげられるとよいですね。

また、後ろの座席の子と会話すると、進行方向と逆を向いていることになります。体の動きが予測できず脳が混乱するので、前を向くように伝えましょう。

遠くの景色を眺める

窓側の席で景色を眺めると、気分転換にもなりますよね。しかし近くの景色はめまぐるしく変わり、かえって酔いやすくなります。

景色を見る時は、前方の遠くの景色を見るよう教えましょう。視点を一点に保つと、バランス感覚が乱れにくくなりますよ。

遠足・社会科見学のしおりなどを読まない

少し見る程度ならよいのですが、しおりや本を読み続けると酔いやすくなります。ご家庭でのお出かけの場合、ゲームや動画も要注意です。

  • バスの揺れの予測ができず、体が対応できない
  • 眼球の動きが激しくなり、平衡機能が乱れる

などの理由からです。ゲームや動画の場合、意思にかかわらず画面が動き、目で追いますよね。激しい動き、明るい映像は特に酔いやすくなります。

気分転換になるとも言えるのですが、なるべくやめるよう伝えましょう。どうしてもの場合は、こまめに目を休める。少しでも不調を感じたら、すぐにやめることです。

好きな匂いを嗅ぐ

匂いの好みは人それぞれ。筆者の友人は、「マイカーは酔うけれど観光バスのにおいが大好きでバスは酔わない」と言っていました。

しかし通常は、観光バスのガソリンや独特の臭いが嫌だ、というお子さんの方が多いと思います。その場合は、好きな匂いを持ち歩くことです。

たとえばレモンやグレープフルーツのアロマオイルをハンカチに染み込ませる。筆者は、妊娠中のつわり対策で使っていました。他にも、

  • ミント系のガム
  • 好きな匂いのお菓子
  • 匂い付きのティッシュ

など、お子さんの好きな匂いの物を持参しましょう。少し気持ち悪いと感じた時に「これを嗅ぐとスッキリするぞ!」という物があると、お守り代わりにもなりますよ。

ツボを刺激する

低学年のお子さんだとまだ難しいかもしれませんが、乗り物酔いに効く「ツボ」があります。「内関(ないかん)」と呼ばれるツボです。

【内関の探し方】

① 手のひらを上に向ける
② 手のひらと手首の境目に一本しわがある
③ そのしわから約3cmひじ側に移動した部分

ここが内関です。反対側の親指で押してあげるだけで効果がありますが、カー用品店などに内関を刺激できる「酔い止めバンド」も売られています。

ちなみに、100円ショップなどで売られているリストバンドにボタンを縫い付けると、手作り酔い止めバンドのできあがり!「酔い止めバンド 手作り」で検索すると、詳しく載っていますよ。

効き目は個人差がありますが、不安が強いお子さんは「対策が多ければ多いほど安心できる」ことも多いもの。ぜひ対策の一つに加えてみてください。

楽しい時間を過ごす

症状がひどくないお子さんの場合は、これが一番かもしれません。友達と騒いだりバスレクに夢中になったりしているうちに、目的地到着…。

座席やバスレクの内容がわかる場合、ぜひ「〇〇ちゃんと話せて楽しそう」「バスレク、楽しみだね」など、前向きな言葉をかけて送り出してあげてください。

親御さんからかけてもらった言葉は、子どもの脳に刻まれます。そんなに楽しみではなくても、「そう言われると楽しいのかも…」ということもあるのです。

中高学年で反抗的に「ちっとも楽しみじゃない!」と言われたとしても、気にせず…。確率的に「楽しくなる可能性」が高まることはたしかですよ。

寝てしまう、目を閉じる

筆者の夫が小中学生の頃使っていた方法です。周りの友達に宣言して、堂々と寝ていたそうです。

それが可能なのであれば、たしかに眠ってしまった方が酔わずに済みます。

眠るまでではなくても、目を閉じるだけで視覚の刺激がシャットアウトされ効果があるとか。ただ、目を閉じると「酔ったらどうしよう」という気持ちが頭を占めてしまう…。そんなタイプのお子さんは、やめた方がよさそうですね。

プラシーボ効果を利用する

プラセボ効果とも言います。聞いたことはありますか?プラシーボは「偽薬」という意味。

簡単に言うと、「思い込むことで本当にそうなりやすくなる」ということです。さまざまな実験結果もあり、医学・心理学の分野でも活用されています。

「暗示をかける」と言うとわかりやすいでしょうか?

梅干し、炭酸水が効く?

よく言われる、「梅干しを食べておけば酔わない」。だ液の分泌を促しリラックス効果を高める、酸味が胸のムカつきを抑えるなどの説と、医学的な根拠はないという説があります。

炭酸水も、胃や自律神経の調子を整えるという説と、酔いやすくなるという説があります。

でも、プラシーボ効果を利用するのであれば、とにかく「効く」方の説を信じこむ。お子さんの場合であれば、親御さんが「効く」と言って渡すのです。

実際に筆者の友人は梅干しを持ち歩き、少し気分が悪くなるとすぐ口に含みます。ネットで調べていると、気分が悪くなったら炭酸水を飲んでゲップ。これが一番効くと言っている人もいました。

小学校の行事におけるバスの中では難しいですが、ご家庭でのお出かけの際は、薬を飲まないで済むならその方がよいかもしれませんね。

薬でなくラムネでも?

「酔い止めの薬」と言ってラムネや飴を渡す。成分的に吐き気やめまい、頭痛などを予防・緩和する効果はないのですが、酔わない確率は高まります。

筆者の長女も、低学年までは効き目がありました。しかし3年生ぐらいになると、知識や理解が進み、きちんと薬の箱を確認。そこから薬を出して口に入れる、という一連の流れを、自分自身で行うようになってしまいました。

これはお子さんによってそれぞれ。効くと思ったり実際に効いた体験があったりすれば、大人になってもラムネでOKな場合も!

かく言う筆者も、「少し気持ち悪いな」という段階でハイレモンというお菓子を口に含むと治るので、必ず持ち歩いていたものです。

お子さんと一緒に不安にならない

お子さんが「酔ったらどうしよう」。親御さんが「かわいそう。〇〇くんは酔いやすいから大変だよね。」…この会話、どこがよくないでしょうか?

  • お子さんは、ますます気持ちが暗くなる
  • 「自分は酔いやすい」という思考になる
  • 「酔うことは大変でしんどい」という思考になる

一見、お子さんに共感する優しい親御さんに見えますが、残念ながらよいことは一つもありません。脳科学的にもお子さんの「酔う」確率は高まり、酔うことへのマイナスイメージがどんどん大きくなります。

何気ないママ友や家族との会話。「うちの子は乗り物酔いがひどくて」「吐かないか心配…」なども、お子さんに聞こえていれば同じことです。

演技でもよいので、親御さんはどっしり大らかに。

  • 乗り物酔いする小学生は、他にもいる!
  • 酔う時もあるけど、酔わない時もある!
  • 症状が重い時もあるけど、軽い時もある!
  • 酔っても、時間がたてば(あるいは吐けば)治る!
  • 毎日毎日の悩みではない!

初めは難しくても、親御さん自身がこのように思い込む。お子さんの不安を減らすには、親御さん自身の不安を減らすことも大切です。

乗り物酔いだけでなく、子育て全般に言えることだと思います。心の中は不安でも、大らかに振る舞ったり前向きな思考を選んだりするクセをつけていくと、気持ちが変わってきます。不安に感じがちな筆者も体験済みで、オススメです。

また、お子さんに以下のことを伝えてあげましょう。

  • 気分が悪くなったら、すぐに先生に言えば大丈夫
  • 先生の近くの席に移動など、何らかの対処をしてくれる
  • 吐くことは恥ずかしいことではない
筆者は観光バスの車掌業務の経験もありますが、小学生が吐くことをずっと我慢し、エチケット袋を出せずに…という例をいくつも見てきました。「恥ずかしいことではない。いさぎよくエチケット袋を!」という思考にしてあげられるとよいですね。

日頃からできる対策ってあるの?

バランス感覚や平衡機能が乱れることが、乗り物酔いの原因?だったら三半規管を鍛えればいいの?

日頃からできる対策、お伝えしていきます。

公園で遊ぶ

ブランコ、鉄棒、シーソー、すべり台、自転車…。体の前後・左右・回転など、あらゆる方向の動きに慣れることができますね。平衡感覚を養い、揺れやスピードを体験できます。

後ろ歩きや目をつぶって歩くことも、平衡感覚を鍛えられるそう。親御さんが安全を確認しながら、行なってみましょう。

トランポリンやふわふわドームも効果的。高学年でも楽しんでいるお子さんが多いですので、設置されている公園をぜひ見つけて行ってみましょう!

自宅でマット運動やダンス

マット運動も効果的。自宅の布団の上で、前転や後転もよいでしょう。

ダンスが好きなお子さんは多いと思いますが、頭や体を揺らすタイプのものは効果的!好きなアーティストのDVDを見ながら踊るのもよいですね。

積極的に乗り物に乗る

家族のお出かけで、路線バスなどの乗り物に乗ってみるのもオススメです。

  • 乗り物のスピードの変化や揺れに慣れる
  • 楽しい思い出をつくり、苦手意識を少しでも減らす
  • 「酔わなかった」という自信をつけさせる

筆者も、家族で意識していることの一つです。「一気に長時間」ではなく、「短時間の乗車を何度も」の方がよいでしょう。

「酔わなかった」という成功体験は、お子さんに自信をつけさせ、不安を軽くしてくれますよ。

「これなら大丈夫!」が安心につながる

「病は気から」…繰り返しになりますが、乗り物酔いに対する不安や心配は、

  • 症状が出るか
  • 症状の程度
  • 回復の速さ

などに、大きな影響を及ぼします。

「この対策が効いた!」「これなら症状が軽く済む!」。少しでも酔いが軽減する方法を知っておくと、お子さんの不安軽減につながり、さらに症状が出にくくなる「良い循環」が生まれますよ。

ちなみに、一般的に言われていない方法でも、ご紹介した方法と反対の内容でも、本人が「効くかも」と思う場合もあります。柔軟に考えていきましょう。

「これなら大丈夫!」「もし酔っても大丈夫!」…お子さんと親御さんが、少しでもそのような気持ちになっていただければ幸いです。

この記事をシェア

合わせて読みたい

ページ先頭に戻る