国立の小学校を受験するメリット。合格するために必要な準備とは


国立教育大学や国立大学教育学部の附属学校で全国各地にある国立小学校ですが、昔から人気があり倍率が高く抽選もある事で有名ですね。通学圏内に住居があれば誰でも受験する事ができ、必ずしも勉強ができるから合格できるという訳ではありません。

国立小学校では大学の実験校であるという役割があるので、色々なデータが必要となり、同じようなタイプのお子さんばかり集める事が無いのです。

では、どのように準備をすると国立小学校の受験に合格できるのでしょうか。

ここでは国立小学校のメリットや、合格するためにはどんな準備をしていけばよいのか詳しくご紹介します。国立小学校の受験を検討中であれば、是非参考にしてください。

国立小学校を受験するメリット

国立小学校は公立の小学校ではあるものの、制服やカバンが指定されている場合が多く、授業料も高いのでは?と感じてしまいますが実際のところはどうなのでしょうか。また、国立小学校の学校行事や学校の雰囲気についても、受験するのであれば親御さんとしては気になる点ですよね。

国立小学校とはどんな小学校なのか、近所の公立の小学校や私立小学校と比べてどのような違いがあるのかなど、国立小学校ならではの魅力を詳しくご紹介しましょう。

私立小学校よりも学費が抑えられる

私立小学校への受験を考えた時に、その学費の高さに驚く親御さんも多いのでは無いでしょうか。入学金や寄付金などを入れると初年度には100万円を超える事も珍しく無く、その後も卒業するまでお金は掛かります。

ところが国立小学校は地域の公立小学校と同様、授業料は無料です。任意で寄付金などがあるという事と、学習教材、学校行事、交通費などで公立小学校に通うよりは少しお金が掛かりますが、私立小学校と比べれば少額で済むのです。

学費が抑えられるので、習い事や塾にその分お金を使う事ができるというメリットもあるでしょう。家計に負担が掛からないので、将来に向けて教育資金もしっかり貯めていく事ができます。

教育熱心なご家庭が多い

国立小学校を受験するには私立小学校を受験するのと同様に準備をする必要があり、そのために幼児教室などに通っているお子さんも少なくありません。また、家庭の中でのしつけや学習もとても重要となり、色々な生活体験もさせなければなりません。

そのようにして幼児期より一生懸命努力して合格されたご家庭ばかりなので、国立小学校では教育に関して前向きな考えの親御さんが多いです。

学校の行事にも積極的に参加して子ども達のサポートを行います。参観や懇談の出席率も良いので、お母さん同士のコミュニケーションも盛んです。

また、お父さんの行事参加率も高く、ご夫婦揃って行事に参加されている事も珍しくはありません。親御さんに関しては、公立小学校よりは私立小学校に遥かに近い雰囲気があると言えます。

平均的な学力が高い

国立小学校には、有名私立小学校に負けないほど学力の高い優秀なお子さんが多く在籍しています。教育熱心な家庭で育っているお子さんが多いので、家庭学習の環境に恵まれていたり、塾通いなどをして学力向上のために力を入れている事が理由として挙げられます。

また、国立教育大学や国立大学の教育学部の附属校なので教育実験校としての役割も担っている為、他の公立小学校と比べて先進的な教育を受ける事ができている事も要因であると言えるでしょう。

入学検定で高倍率の受験生の中から選抜されているお子さんなので、平均的な学力が高くなるのも頷けるところでは無いでしょうか。

内部進学できる可能性が高い

国立小学校に受験して合格すれば、そのまま同系列の国立中学校へ進学できるわけではありません。内部進学するにしても、外部受験されるお子さんと同じように入学検定を受ける必要がある場合が多いからです。

国立大学の附属学校では中高一貫校もあるので、既に大学受験を目指しているのであれば何としてでも進学したいと考えるご家庭も多いです。外部受験されて国立中学を受験するお子さんも、倍率が高いので相当学力が高くないと合格するのが難しいでしょう。

但し、国立小学校から同系列の国立中学校へは内部進学しやすく、小学6年生では受験対策なども学校でしっかり行ってくれるケースが多いです。模擬試験や面接の練習なども行ってくれるので対策も万全で、公立小学校から受験するよりも合格率はかなり高くなります。

もちろん、残念ながら不合格となり内部進学ができない場合もありますが、外部からの受験よりは合格しやすいというメリットはあります。

国立小学校を受験するための準備

国立小学校を受験するには、小学校で勉強する足し算や引き算などが完璧にできていても合格できるわけではありません。また、ひらがなを書く事や読む事ができても、問題用紙に文字が書かれている事は無いので合否に関係無いのです。

では、国立小学校を受験するにはどんな準備をして臨むと良いのかお教えしましょう。幼児教室を利用した方が良いのか迷っているのであれば、参考にしてくださいね。

国立小学校の受験内容とは

受験と聞くと学力の高い者が合格できるはずですが、国立でも私立でも小学校受験では学力を試す事はありません。

ペーパーテストもありますが、内容は「点と点を線で結んで同じ図形を描く」というものや、「立体的に書かれた積み木の数を数える」、「迷路」など、幼児向けに販売されている知育本などに掲載されているような問題の難易度が高いものです。

文字を書く問題はありませんが、〇や×で印を付ける問題はあります。どれだけ速く綺麗に〇や×が書けているかや、線も速く真っ直ぐ綺麗に書けているかが見られます。また、季節の花や行事などをしっかり理解できていないと解けない問題なども出題されることが多いです。

いかに毎日の生活の中で色々な事に触れてきているか…が試されるので、短期間で受験の準備はできません。また、行動観察以外でも試験の最中は行動を逐一チェックされています。家庭でのしつけが重要視されるので、毎日の家庭の中でコツコツと受験準備をしていく必要があるのです。

幼児教室で学ぶ

英語やピアノ、水泳など様々な幼児教室がありますが、国立小学校を受験するのであれば受験専門の幼児教室を選ぶ必要があります。受験専用の幼児教室は「知育」だけでなく、国立小学校受験に向けて、「行動観察」や「面接」、「運動」、「絵画工作」などの試験科目に備えて対応できる力を養うところです。

また、国立小学校の合格実績が高い幼児教室は、各学校で異なる合格しやすい子の特長を把握しています。国立小学校では抽選が行われている場合が多いのでそこで外れてしまうと仕方が無いのですが、試験内容で確実に落ちないように対策するのであれば幼児教室で学ばせる事がおすすめです。

ペーパーテストに於いては、子どもの背丈ほどの量をこなさないと合格する事はできないと言われています。お子さんには辛い時もあるかもしれませんが、同じ目標に向かっている仲間と一緒に頑張れるというメリットも幼児教室にはあるのです。

家庭で学ぶ

国立小学校の受験をする多くのお子さんは、どこかしらの幼児教室に通っています。でも、幼児教室には行かずに合格を勝ち取っているお子さんもいらっしゃるのです。必ずしも幼児教室へ通うという選択肢を持たなくてはならないという訳ではありません。

今はネットでも、国立小学校の受験について詳しく調べる事ができます。自宅での学習だけで合格したという親御さんが、ブログで日々の様子を記しているものも見る事ができるので、どんどん参考にしましょう。

国立小学校は学校によって試験の内容や選抜の対象となりやすい子どもが違います。お子さんの受験する国立小学校の情報を、いかにして入手するかがポイントです。また、ペーパーテスト対策としての過去問なども存在しないので、市販されている問題集を繰り返し行う必要もあります。

家庭での受験準備をされていても、最後の数か月だけ幼児教室に通い仕上げをする方法もあるでしょう。但し、幼児教室によっては受け入れてもらえない場合もあるので、よく調べる必要があります。

国立に限らず小学校の受験当日はグループ別で行動観察や面接などが行われる場合が多いので、他のお子さんとの関りも上手くできなくてはいけません。お子さんの性格をよく考えて、幼児教室に通わせた方が良いか、自宅で受験準備をするかを検討してください。

国立小学校の受験準備はいつから?

国立小学校の受験準備は、年少さんから始めるのが理想的です。ご家庭によっては0歳から既に受験に向けてスタートされている方もいらっしゃいます。

準備期間が短かければ短いほど、お子さんにかなりストレスになる事が考えられるので、早くからスタートしておいた方が良いでしょう。

遊びの中では折り紙や積み木を使うなどして、体と脳を動かして色々な経験をさせていきます。休日は家族でピクニックなどをして自然と触れ合う事も、受験には大変必要な事です。また、お母さんのお手伝いなどからも多くの経験が得られ受験対策に繋がります。

年少さんから徐々に国立小学校の受験を意識した生活を始めて、無理のないスケジュールを組んで計画的に進めていきましょう。

国立小学校の受験に於ける親の役割り

国立小学校の受験はお子さんだけが選抜の対象になっている訳ではありません。面接がお子さんだけだった場合でも、親も見られているという事を忘れてはいけないのです。ここからは、国立小学校の受験に於ける親の役割について詳しくお教えします。

親の理解度が重要

国立小学校の受験では面接がありますが、その形式は学校によって異なります。お子さんだけしか面接が無かったり、お子さんと保護者が一緒の面接であったり、保護者とお子さんは別でそれぞれ面接行う場合もあるようです。

お子さんの面接しか無い学校は、お子さんさえしっかり受験準備が整っていれば大丈夫!と思っているととんでもない落とし穴が待っています。試験官は親御さんの試験会場での動向をしっかりチェックしています。

最も重要視されていると言われているのが、学校に対しての理解度です。国立大学の付属学校である国立の小学校は、中学受験のために学力を伸ばしていくという学校ではありません。大学の実験校としての役割りがあるので、授業の多くは実習生が行うため家庭学習にも力を入れなければならないのです。

また、年に一度の研究大会のために教職員は多くの時間を割いてその準備に当たります。地域の公立小学校とも、私立小学校とも違う特別な環境であると言える学校なのです。

大学の附属校としての役割や学校の教育方針を理解しているか、学校に協力的な保護者であるのかという点が重要視されます。面接ではもちろん試験会場で待っている姿やお子さんとの接し方、願書の志望動機など全てを観て親御さんの選抜も行われているのです。

お子さんがどんなに優秀でも、親御さんに問題があり不合格になる場合もあります。幼児教室に入れれば良いのでは無く、親子そろって受験準備をする必要があるのです。

お子さんのサポート

国立小学校の受験は、お子さんだけの受験では無く家族一丸となり協力し合わなければ乗り越える事が難しいでしょう。親御さんのどちらかがあまり乗り気でなく、受験準備に関しても非協力的な場合はもう一度じっくり話し合う必要があります。

共働きであれば、親御さんのご両親にも協力をお願いしましょう。国立小学校の受験では幼児教室への送り迎えはもちろんの事、家庭での受験対策に大人の手が絶対に必要です。

幼児教室に通わせていれば合格できると思ったら大間違いで、家庭でのしつけや体験が無くては乗り越える事ができないのです。常にお子さんをサポートできる環境にする事こそが、親の重要な役割となります。

また、幼児教室に通う場合はお子さんの事も詳しく把握しておく必要があるでしょう。迎えに行ってさようならでは無く、教室内の様子を見学できるのであればできるだけ見て、何が他の子よりもできていないのかを見極めましょう。

帰宅後はお子さんのできていないところを叱るのでは無く、上手にフォローしつつ伸ばしていく事を考えてください。お子さんのやる気を育てなければ、国立小学校の受験を乗り切る事はできません。

両親の考えが揃っている事が大事

ご両親のうち片方が国立小学校の受験に前向きで片方は否定的である場合、合格するのは難しいかもしれません。国立小学校を受験するには、家族一丸となって受験の準備をしなくてはならないからです。

ご両親の考え方がバラバラだと、お子さんも不安に感じてしまい受験準備に身が入らなくなる事も考えられます。幼児教室の送迎や家庭での学習も、全て片方の親御さん一人でできるものでは到底ありません。

また、国立小学校の受験では、家族の信頼関係のある中でお子さんが育ってきているかという点はとても重視します。試験官の先生たちはお子さんを観るプロです。試験当日だけ繕っても、絶対に見透かされてしまうでしょう。

国立小学校の受験

国立小学校を受験して合格を目指すのであれば、早めに準備をスタートさせた方が良いでしょう。遅くなればそれだけお子さんがストレスを感じるようになり、上手くできないと親御さんにも焦りが出てきます。

幼児の頃は遊びの中で楽しく学ぶことができるのが理想的です。屋外へも家族でどんどん行き、色々なものに触れたり観たりする事も受験対策に繋がります。ペーパーテストの練習も大変ですが、できるだけ楽しく進められるように親御さんがサポートしてあげてください。

但し、国立小学校の受験は募集人数よりも相当多くの受験者がいるので、試験を受ける前に抽選を行い、試験に合格した者の中から更に抽選を行う場合もあります。どんなに早くから準備をしてきても、抽選で外れてしまう場合があるのです。

それでも、国立小学校受験のために学んだことや経験したことはその先、間違いなくその先お子さんの結果として現れてきます。国立小学校受験のための準備は、決して無駄になるものではありません。

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