反抗期のない子供は大人になったら危険?親子関係に問題ありかも


幼児期の反抗期とは違い、思春期の反抗期は色々な感情があり親子関係もギスギスしてしまいます。18歳くらいには落ち着いているのが普通ですが、小学校の高学年の頃からうんざりするほどひどい反抗期が続いていたという話も、よく聞いたことがあるのでは無いでしょうか。

そんな当たり前に訪れるはずの反抗期ですが、今、反抗期のない子供が大変増えてきています。当然の事ながら反抗期のない子供は、ずっと親と良好な関係を保っているという事になるのです。

一見、反抗期のない子供は羨ましい限りかもしれませんが、一方で反抗期のない子供は後々危険であるという見方もされています。反抗期が何故ないのか、それは子供と親の関係性に理由が隠されているようです。

反抗期のない子供

子供の頃は何度も反抗期が訪れるものです。お母さんはそのたびに手を焼いてしまいますが、それが成長の証なので頑張って子育てに励んでいる事でしょう。

思春期の頃の反抗期では、幼児期の反抗期と違い話しかけても「うるさい」と言われたり、「くそばばあ」と言われてみたり…毎日が憂鬱になってしまうくらい悩んでいるというお母さんの話もよく耳にします。

その一方で、「うちの子供は今まで反抗期らしきものがない」と言っているお母さんも最近多いのです。反抗期がない子供が何故、最近多くなってきているのでしょうか?

子供の反抗期には意味がある

思春期の反抗期は、ただイライラしてぶつかって来ている訳ではなくちゃんと意味があるのをご存知でしょうか。反抗期とは、子供が親を自分の位置まで下げて大人になろうとしていく時期なのです。

今までは、上に親がいて自分がその下にいるので親の言う事には疑問無く従ってくることができました。しかし、大人になる前の反抗期では、親を自分と同じ高さに引きずりおろして自分の意見を述べるようになり、親と同じ位置関係にあるという事を主張してくるようになるのです。

反抗期の子供は絶対と言って良いほど、まず最初に親に対して反抗的な態度を繰り返すようになります。反抗期の子供に対して親は高圧的な態度で接するのでは無く、一人前の大人として対応すると上手く乗り越える事ができると言われているのです。

子供に反抗期がない理由

なぜ、反抗期のある子供とない子供がいるのでしょうか。それには幼い頃からの親子関係が深く関わっているのです。

反抗期のある子供は、今までは親の言う事を素直に聞いていたのに突然、親に反抗的な言葉を言ってきたり話しかけても無視するようになります。自分の考えが親とは違う場合は容赦なく、自分を曲げずに押し通してくるようになるでしょう。

これは自分より優位な立場にいる親を、自分の位置まで押し下げる事で反抗期が起こると前述しましたが、「親が優位にいる」から起こります。子供は親を乗り越える事で、大人になろうとしているのです。

ところが、既に子供が親よりも優位にいる場合は反抗する必要がありません。

いつでも意見が言えて、それを認めてもらうことができる場合や、常に親も子供と同じ意見である場合は反抗心自体、抱く事が無いのです。そうすると当然の事ながら、反抗期のない子供になります。

また、親が絶対的な立場であり逆らう事を最初から諦めてしまっている子供も、反抗期がないのです。

親に従うのが当然と考えている子供や逆らう事が絶対できない子供、反抗するのを諦めてしまっていたり気持ちを抑えてしまうのが当たり前になっている場合などは反抗期がありません。

反抗期がない子供に考えられること

反抗期なんて無ければそれに越したことは無いと思いがちですが、子供が大人へと成長する過程に於いて、実はとても必要な事なのです。またそれは、親にとっても子供を大人として認め始めるきっかけとなり、更には子離れするタイミングにもなります。

では、反抗期がない子供にはどんな影響が考えられるのでしょう。反抗期のある子供とは違って、順調に大人へのステップアップができないという事なのでしょうか。

子供に反抗期がない場合、以下の事が考えられます。

  • 親より優位な立場になり暴君化する
  • 自己主張ができない大人になる
  • 自尊心が無い
  • いずれ爆発するかもしれない

親と子供の関わり合いは、そのご家庭によって様々です。子供に反抗期がないからと言って、必ずしも上記の内容が当てはまるわけではありません。ここで挙げた4つの事は、幼い頃からの親子関係に少し問題があるという場合です。

危険かもしれない反抗期のない子供とは

子供に反抗期があれば立派な大人になり、反抗期がないと危険な大人になるという訳ではありません。実際に反抗期のない子供時代だったけど、そのまま何の問題も無く今日に至っているという人も大勢います。

また、反抗期のない子供だったという人は性格が穏やかで優しい場合が多いとも言われているのです。では、反抗期のない子供時代を過ごした事で危険だと言われる場合と、そうでない場合があるのにはどんな違いがあるのでしょうか。

反抗期がない場合でも心配がいらない子供

反抗期のない子供でも、親御さんが幼少期からお子さんの意見を尊重し、ある程度自由な空間を作って育ててきている場合には心配はいりません。

反抗期は親の支配下からの脱却のようなところがあります。しかし、そもそも支配下に無かった子供には親に対して反旗を翻す理由が無いので、反抗期がないのは不思議な事では無いのです。

また、親と子供の価値観が一致しており、親の考えと子供の考えが無理なく常に同じという場合も、子供の反抗期がない事が珍しくはありません。どちらが言った訳でも無く同じ考えで同調できるのであれば、親に反抗する必要が無いのです。

このような理由で子供に反抗期がない場合、暴君化したり自己主張ができないという心配はありません。自分の意見を大事にしてもらえている環境で育っているので自尊心も育まれ、その分他人にも優しくなれるでしょう。

ストレス無く自分の考えを述べ親からの理解も得られているので、後々爆発するなどという心配も全くありません。反抗期のない子供で良かったと、単純に喜ぶことができるケースです。

危険かもしれない反抗期のない子供

反抗期にも関わらず親への反抗心を持たない子供は、はた目にもおとなしくて物分かりも良く、羨ましいと思われるかもしれません。親御さん自身も、反抗期のない子供で良かったとホッとしている事でしょう。

でも、ひょっとすると反抗期のない温厚そうな子供でも、後々危険な状態が待っているかもしれません。一体どのような親子の関係だと、その可能性があるのでしょうか。

まず、親が絶対的な権限を持ち、幼少期から強制的に従わせ子供の主張したいことも一切受け入れる事が無い環境で育ててしまっている場合、子供が親に対して反抗をしても仕方が無いと言う気持ちになり反抗期がない事があります。

また、あれこれ親から指図されたままに反抗心を持たず行動をするので、親の言った事は自分の考えであると勘違いしてしまい、自主性も失われ自発的に行動を起こす事もしなくなってしまう事が考えられるのです。

どうすればいい?反抗期のない子供への対応

子供に反抗期がないので助かったと思っているのだとすれば、ちょっとここで立ち止まってみてください。

お子さんに対して親御さんの圧力が過度に掛かり過ぎていたり、あまりにも親御さんへの依存心が強い事が原因で子供の反抗期がないのであれば、対応を考えた方が良いかもしれません。

子供に意見を言わせる環境づくり

子供に反抗期がない理由には、お子さん自身が意見を言う必要性が無いと感じている場合があります。これは、親御さんといつも意見が一緒であるうちに、特にお子さんから意見しなくても親御さんの方から常に先に意見を言ってしまっている事も考えられるのです。

「~よね。」「~の方がいいわよね。」など、常に先回りして言ってしまうと自主性も失われてしまいます。仲良し親子だから…と思っていると、自己主張できない大人になってしまうかもしれません。

また、何を言っても意見を受け入れてもらえない環境で育ってきている場合、子供は自分の頭の中で考えた事を話さなくなるでしょう。言うだけ無駄と考えたり、ひょっとしたら暴力や暴言を受けるのではという事に怯えてしまっているのかもしれません。

子供に反抗期がない場合、親子関係が原因と考えられるのであるならば思い切って子供に主導権を握らせてあげましょう。そして、子供の意見を尊重してあげてください。幼いころから子供の意見を頭ごなしに否定したり認めない事が原因で反抗する事を諦めてしまっている場合、大人になってから爆発してしまうかもしれません。

親離れ子離れする

子供に反抗期がないと、親子は喧嘩する事も無くいつまでも仲良しでいられます。平穏な毎日が過ごせるのですから、子供に反抗期がないのを良かったと思っているかもしれません。

でも、反抗期は親離れ子離れのきっかけにもなります。その反抗期がないという事は、親離れ子離れするきっかけを完全に失ってしまったという事になるのです。

子供に反抗期がないのであれば、親離れ子離れを意識的に行う必要があるというわけです。いつまでも仲良し親子のままでは、自立心が育たないため社会に出てから苦労をするのは目に見えています。

子供に反抗期がない場合、親子の関係が近過ぎていないか、子供が親に頼り切っていないかをよく見定めて少しずつ親離れ子離れするようにしていきましょう。子供に主導権を持たせる、自分の事は自分でするようにさせるなど、親の力を借りずに生活できるように準備をする時期でもあるのです。

あまり厳しくし過ぎない

反抗期のない子供の中には、親が厳し過ぎて反抗する事を諦めてしまっている場合もあります。うちはそんな事無いと思っているかもしれませんが、意外と「厳しすぎる」事が理由で反抗期のない子供になっている場合は多いのです。

子供の人権を無視し、自分の意のままに育てているとひょっとすると大人になってから爆発してしまうかもしれません。或いは、常に委縮していたり自尊心の低い人になってしまう可能性もあるでしょう。

自尊心が低いとどんな事でもマイナス思考になりがちで、自分を肯定できません。周囲の人に優しくする事ができず、孤立してしまう可能性もあります。

子供に対してあまりにも厳しくしてはいないか、今ここで自分自身に問いかけてみてください。本格的に自立心を養う時期に、親の厳しさのせいで頭打ちされてしまっては反抗もできません。お子さんの事を思って厳しく育てているのかもしれませんが、思春期の頃には少し手綱を緩めて子供の人権を尊重してあげてくださいね。

反抗期のない子供は親子関係に問題ありかも

反抗期のない子供はみんな危険であるという訳ではありません。幼少期から子供の意見を尊重し、親の意見も取り入れながら上手に問題を解決してきている場合などは、子供は反抗する必要がないので反抗期でも今まで通りに過ごしているでしょう。その場合、子供に反抗期がない事で後々悪影響が考えられる事はありません。

ただ、親の先回りにより子供が意見を述べる必要がなくなってしまっている場合や、親が厳しすぎて子供が意見を述べる事が全くできない環境で育ってる場合などには、反抗しても仕方が無いと諦めてしまいます。この場合は、大人になってから危険と指摘されている影響が出る可能性があるのです。

反抗期のない子供は育てやすく、家庭の雰囲気も壊れるの事が無いので親にしてみると理想的かもしれません。でも、ここで今一度、子供に反抗期がないのであれば親子関係に問題が無いのか確かめてみましょう。

この記事をシェア

合わせて読みたい

ページ先頭に戻る