過保護チェックで過保護と診断されたら…タイプ別対策を提案!


「過保護チェックの結果、過保護と診断」「人から過保護と言われた」…お子さんへの接し方を変えた方がよいのか迷う親御さん。

気づけたことが大切な一歩。お子さんが小学生なら、まだ間に合いますよ!

もしかしたら過保護になりやすいタイプなのかもしれませんね。そのタイプ別対策を提案します。合わせて、よくある過保護行動と、どう接したらよいのかもお伝えします。

すべては将来自立する子どものため…。今日から少しだけ意識して、お子さんへの接し方を変えてみましょう。

過保護になりやすいタイプとは

過保護になりやすいタイプを、3つに分けてみました。自分のタイプや行動をチェックしてみましょう。

「やってあげることが喜び」タイプ

実は筆者の母親がこのタイプでした。子どもや夫に、あれこれ尽くすのが喜び!

子どもを構ったり何かしてあげたりすることが、苦にならない。むしろ嬉しいと感じるのですね。

特に専業主婦の場合、「これこそ私の仕事!」と頑張っている人もいるかもしれません。子どもに自分の存在意義を見出す感じでしょうか。

また、小学校で勤務していた時に感じたことですが、たとえば専業主婦や一人っ子で子どもに構う時間が多くとれる場合。結果的に過保護になってしまっている保護者もいました。

「子どもが心配でしかたない」タイプ

日頃「こうなったら嫌だな」「○○が起きたらどうしよう」などと考えがちな人は、いませんか?

  • 心配・不安な気分になりやすい
  • 神経質
  • 悲観的

その結果、先回りして子どものことをやってあげてしまうタイプです。

たとえば、「魚の骨が子どもの喉にささったらどうしよう。だから骨をとってあげてから食べさせよう」などは、このタイプに当てはまります。

「自分がやった方がラクだし」タイプ

これは、日頃忙しい親御さんも、比較的当てはまりやすいです。

  • 子どもにやらせると時間がかかる
  • 後でトラブルになったら面倒
  • 後でやり直すのが面倒

子どもが自力でやるということは、親にとって多少のリスクや面倒を伴うことです。

初めのうちは時間がかかるでしょう。急いでいる時は「自分がやった方が早いし」と思うこともありますよね。

子どもが難しいことに挑戦すれば、ケガや事故につながる可能性もあり得ます。その後の対処が面倒だと思えば、親がやってしまう方がラクなわけです。

片付けや家事の手伝いなど、親御さんのやり方と違う場合があるでしょう。後でやり直すのはかえって面倒、ということもあるかもしれません。

「こうしたい」「こうでなくちゃ」というこだわりが強い親御さんも、このタイプに当てはまりやすいと言えるでしょう。

過保護は悪いことばかりではない

「過保護」の意味は、必要以上の保護を与えること。すなわち、子どものために「必要なお世話」はしてよいのです。

「必要なお世話」は、子どもにとって愛情を感じることが多いでしょう。安心感や自己肯定感を育むことにもつながります。

過保護チェックで過保護と診断されても、悲観しすぎることはありません。

ただ今後は、将来の子どもの「自立」に向け、ごくシンプルに、

  • 子どもが自力でできることはやらせる
  • 「できそうなこと」には挑戦させてみる
  • なるべく自分で判断・決定させるようにする

ことを意識していきましょう。もちろん無理のない範囲で、少しずつでよいのです。

過保護のタイプ別対策、提案します!

自分のタイプがわかったら、考え方やお子さんへの接し方を少しでも変えていけるとよいですね。複数のタイプに当てはまった親御さんも、多いのではないでしょうか?

「やってあげることが喜び」タイプ

家族のために尽くすこと。これ自体は素晴らしいことですよね。

ただ、子どもに「やって」と言われたら、すぐにやってあげていませんか?何でも先回りして、やってあげていませんか?

これでは、将来の子どものためになりません。そんなこと、頭ではわかっている!でも、

  • それだと自分が暇になってしまう
  • 私の喜びが奪われてしまう
  • 子どもの成長が寂しくて…

などと思う親御さんも、いるでしょうか。

専業主婦、比較的時間に余裕がある、そんな親御さんが多いかもしれませんね。

  • お金に困っていなくてもパートに出てみる
  • 自治体などのボランティア活動をしてみる
  • 何か趣味や習い事を始めてみる

ことなどがオススメです。家事・育児以外の新しいことを始めると、

  • 時間的に今よりも忙しくなる
  • 考え方が変わるきっかけになる
  • 子どもにも何らかの影響を与えられる

ことなどが期待できます。健全な活動や趣味・習い事であれば、お子さんもよい影響を受けられそうですね。

「主婦」の仕事は、完璧を目指せばいくらでも仕事があります。積極的に家の中の仕事をみつけ、忙しくするのも一つの方法でしょう。

「子どもが心配でしかたない」タイプ

大切に育てているお子さん。心配な気持ちは、よくわかります。

しかし過度の場合、将来自立をしていくお子さんは、困ったり迷惑に感じたりすることがあるかもしれません。

また、このタイプは「過干渉」になる可能性が高いです。過保護と過干渉は境界線を引くのが難しいですが、

  • 過保護…子どもが望むことをやり過ぎる
  • 過干渉…子どもが望まないことで干渉しすぎる

と表すとわかりやすいと思います。過干渉はたとえば、

  • 子どもの友達関係に口を出す
  • 子どもの行動を必要以上に把握
  • 何でも親の思い通りに指示する

ことなどが挙げられます。具体的な言葉や行動の例として、

  • 「○○くんと遊ぶのはやめなさい」
  • 「○○ちゃんと仲良くした方がいいよ」
  • 学校での出来事を事細かに聞き出す
  • 友達と遊ばせる時は自宅のリビング。監視。
  • 交換日記やSNSなど、すべてを見て把握
  • 毎日の着る服や靴、ヘアゴムなどを決める
  • 学習内容、習い事、生活行動などを親が決める

などがあります。

子どもは、親とは違う一人の人間です。心配な気持ちはわかりますが、

  • 子どもの立場になって考えてみる
  • 子どもを信頼する
  • 子どもの決定を尊重する

ことをなるべく意識できると、よいと思います。

ただ、不安になりやすい、悲観的、神経質…。これは性格で、すぐに改善できるものではないですよね。

筆者もこのタイプで、我が子が乳児期の時は苦労しました。しかし性格を改善したくて努力し、今はだいぶ大らかに!子どもにも悪い影響が少なくなったと思っています。

ネットや書籍などで、「心を軽くする」「気にしない」「前向きになる」方法などを調べ、根気強く実践していくのもよいでしょう。

筆者が実践した方法は挙げきれませんが、以下のことはずっと心がけています。

  • 物事の悪い面ではなく良い面を意識する
  • 当たり前と思わず、多くのことに感謝する
  • 日々のワクワクや楽しいことを探す

失敗や嫌なできごとも、そこから学ぶことが大きいもの。子どもの短所も、見方を変えれば長所になることも。…とにかく物事の「良い面」探しをするのです。

また、感謝やワクワクなど、プラスの気持ちを多く抱く。どんなに小さなことでも構わないので、大げさなぐらい「ありがたい」「楽しい」「嬉しい」と感じるよう心がけています。

根気強く続けてみると、だんだん脳が慣れてきます。筆者はこの方法が合っていて、不安などのマイナス思考がかなり減りました。子どもたちも、自主的に勉強やお手伝いをしてくれることが増えてきたように感じます。

「自分がやった方がラクだし」タイプ

このタイプは、仕事や介護などで忙しい親御さんも多いかもしれません。

学童保育などを利用している場合、そこでは子どもが自分でできることは自分でやっている可能性も高いです。程度にもよりますが、家では多少甘えさせるのもあり、と考えるのも一つでしょう。

「後で面倒だから親がやる!」という態度ではなく、愛情を持って優しくやってあげる。お子さんも同じように、友達に優しくできるかもしれませんね。

ただ、学校以外は主に家庭で過ごすようなお子さんの場合、やはり度が過ぎる過保護は改善していきたいですね。

  • 子どもが自分で決断できない
  • 親や他人に依存することが多くなる
  • 自力でできないことが多く苦労する

そんな可能性も高くなるからです。

中には「何でも親にやってもらっても、やり方をしっかり見ていて自分でもできる」器用なタイプのお子さんもいます。子どもにもよりますので、一概には言えないもの。

しかし筆者のように苦労する場合もあります。前述の通り、子どもが自力でできることはさせ、できそうなことには挑戦させてみる。危険を伴うことは、

  • しっかりと見守る
  • 最低限のアドバイスをする
  • 必要な手助けをする

ことも大切だと思います。危険を伴わないことに関しては、最後にチェックしてアドバイスするだけでもよいでしょう。

多少の面倒は伴いますが、すべては子どもの将来の自立のためです。

筆者の経験から

筆者は小学生の頃、学習面や翌日の準備などは自分でやっていました。しかし、

  • 家事の手伝いをほとんどしなかった
  • 焼き魚の身をほぐしてもらっていた
  • 自分が飲む物も、必ず親が入れてくれた
  • 散らかしても最終的には親が片付けてくれた
  • 「できない」と言えば何でもやってくれた

やってもらうのは、ラクだし嬉しい。けれども年齢が上がるにつれ、周囲の友達が上手にできるのに自分はできないことが多いと気づきました。筆者の弟も同じ感じです。

もちろん、すべてを親のせいにするわけではありません。自分がやる気を出し、「私がやるから!」と言えばよかったのです。

前述の通り、過保護にはよい部分もあります。安心感や自己肯定感が育まれ、むしろ自立が早くなると言われることもあるぐらいです。

しかし、それは子どものタイプにもよる。強くそう思います。

筆者は苦労する中で「人に頼んでやってもらう術」だけはついたように思いますが、依存心が大きかったことは否めません。家事に関しては苦手意識が高く、今でも好きではありません。

小学校で、お子さんは頑張っています。社会に出ても、親御さんがいない中で頑張るのです。

今、親としてできることは、子どもが自分でできることを増やしてあげること。筆者も、愛情深く育ててくれた親に感謝をしつつ、娘二人の「将来の自立」を見据えた子育てに奮闘中です。

過保護行動10個をチェック!

小学生への過保護と言われやすい行動10個をチェック!子どもにどう接したらよいのかを、提案します。

何事も、まずはお子さんの「現在の力」を把握しましょう。無理なく少しずつステップアップさせ、最終的には自分でできるよう導くのがポイントです。

翌日の学校の準備をする

「親が準備するのが当たり前」になっていませんか?

まず自分でできる範囲でやらせてみましょう。1年生などやり方がわからない場合を除き、子どもが「終わったよ」と言うまで手も口も出しません。

最後に親御さんがチェックし、足りない物を教えます。一人でほぼ完璧にできるようになったらOK。先生に「忘れ物が多いので見てあげてください」と言われない限り、もうチェックはしないでよいでしょう。

忘れ物を学校に届ける

ハンカチやチリ紙、名札、箸…。「あっ忘れて行っちゃった」と思ったら、すぐに届けていませんか?

自分一人で準備するようになれば、教科書・ノート、連絡帳に書かれた持ち物なども、忘れることが出てくるでしょう。

忘れ物があっても、友達に借りたり恥ずかしい思いをしたりする中で、子ども自身学んでいきます。先生への伝え方を学ぶ機会にもなるかもしれません。

「明日は忘れないぞ!」と思って行動することで、子どもの力がついていくのですね。

宿題を手伝う、やってしまう

「子どもの今の能力では、あまりにも難しい…」そんな宿題もあるかもしれません。

しかし、夏休みの宿題も含め、すべてをやってあげてしまうことはオススメできません。できるだけ自分の力でやらせましょう。

「わかんない、教えて!」と言われても、すぐに答えややり方を教えるのはNG。なるべく自分で考えたり答えを導き出せたりするよう、声がけをしていきましょう。

大げさなぐらい褒める、上手にご褒美を用意するなど、やる気を引き出す工夫もできるとよいですね。

危険な遊びをさせない

少しでも「ケガをするかも…」と思ったら、すべての遊びを禁止してしまう。ネット上でも、

  • 坂道を走る
  • 公園で遊ぶ
  • 自転車
  • 一輪車
  • ローラースケート

などを禁止している親がいて驚いた、という声がありました。

転んだり滑ったりする、擦り傷をつくり痛い思いをする…。命の危険や大ケガの恐れがない限りは、少々の痛さを経験することも必要だと思います。

外遊びは、豊かな思考力や想像力などが育まれると言われています。外での運動を禁止することが多いと、子どもの体力も低下しますよね。

「片付けて!」と言いつつ片付けてしまう

「子どもがなかなか片付けない、イライラ」…気持ちはわかります。しかし、子どもの中では「親がやってくれる。だからやらなくていいや」と、今後も片付けない可能性が高まります。

筆者は、子どもに以下のような声がけをしています。

  • 「片付けてから○○をしよう」
  • 「何分で片付けられるかな?スタート!」
  • 「おっ!自分から片付けられてえらいね」

「出かける」「夕食」など、子どもが楽しみにしていることを「片付けてから行う」ことにする。姉妹で競争させる、大げさに褒める…。お子さんに合う方法をみつけられるとよいでしょう。

筆者はほとんど手伝いません。片付け方が雑すぎる場合は、最後に「なるべく同じ場所に戻そう」「もう少しきれいに並べよう」など、声をかけています。

家事の手伝いをさせない

ある教育相談所の相談員の方が、講演会でお手伝いの重要性を話してくださったことがあります。

  • 生活力が身に着く
  • さまざまな体験ができる
  • 親の大変さがわかる

などのメリットがあるそうです。因果関係までは明確でないものの「不登校のお子さんは家の手伝いをしてこなかった子が多い」ともおっしゃっていました。

といっても、自ら手伝いをしてくれる子ばかりではないですよね。筆者も「どうしたら子どもが手伝ってくれるのかな」と考えながら聞いていたものです。

しかし過保護の親御さんの場合、子どもが「やりたい」と言っているのに「危険だから禁止」が多い気がします。

たとえば料理。包丁や火が危ないと言っても、5年生になれば調理実習もあります。

危険なことを「全くさせない」のではなく、最初のうちは付き添って教えたり低学年なら指を切りにくい包丁を使ったりするなど、段階を踏んでいくよう心がけるとよいでしょう。

食事を食べやすい状態で出す

必要以上のことをやってあげていませんか?

  • 焼き魚の身をほぐす
  • お肉を食べやすい大きさにカットする
  • 果物の種をとってあげる

家では親御さんがやるからよいでしょう。しかし、外で出された時にお子さんが困る可能性があります。

お子さんができることは自分でさせる。やり方がわからない場合は、その場で教えるようにしましょう。

欲しい物をすぐに買い与える

「欲しい」と言えば、何でも手に入る。お金の大切さ、物を大切にする気持ちが、育ちにくくなるでしょう。

子どもが働ける年齢になり、急に「自分で働いたお金で買いなさい」と言っても、なかなか受け入れにくいかもしれませんね。

最近では、祖父母が買ってくれてしまうパターンも、よく聞きます。

祖父母に控えるようお願いしたい場合、「子どもの教育のために」というスタンスで丁重にお願いしてみましょう。感謝の気持ちを表しながら話すと、上手くいきやすいですよ。

毎朝、子どもを起こす

自分で起きるのが難しい場合、目覚まし時計をかけるようにしましょう。どうしても起きられない場合、睡眠時間が不足していることが考えられます。

早寝の習慣をつけたり、寝る前のテレビやスマホ・ゲームをやめたりするなど、十分な質と量の睡眠がとれる工夫をしましょう。

起きるのが遅くなり、朝食の時間が短くなる、集合時間に間に合わない…。これは子どもの責任です。「明日はちゃんと起きよう」と自分で思えたら、子どもの成長です!

先回りしてやってあげることが多い

大人は多くの経験から「ここは失敗しやすい」「ここでこれが必要だ」などがわかることも多いでしょう。

もちろん先に教えてあげるのは親切とも言えます。しかし過保護と言われる親御さんは、何事も先回りして教えたりやってあげたりすることが多い傾向です。

どんな行動にも言えますが、自分で失敗して得たことは忘れにくい。子どもが自分で経験して得たことは、本物の力になりやすいです。

状況にもよりますが、子どもがお願いしてくるまで手を出さないのも一つです。大人でも、どうしてもできないことは人に頼んだりやり方を聞いたりしていますよね。

親に何かをやってもらうよう頼む際にも、

  • わかりやすくお願いできているか
  • 横柄な頼み方をしていないか
  • 「ありがとう」が言えるか

をチェックできるとよいでしょう。間違っても「ジュース!」だけでコップにジュースを入れて出してあげてはいけません。

家庭では甘えていても、外ではしっかりできるお子さんもいます。しかし「基本的には自分でやらせる、できないことは自分でお願いする」というスタンスがよいと思います。忙しい時もあるでしょうが、お子さんに頼まれたら嫌な顔をしないよう気をつけましょう。

子どもの将来を想像しながら

子どもはいずれ巣立っていきます。「巣立つなんて考えたくない!いつまでも側にいてほしい」なんて思っていませんか?

それは自由とも言えますが、年齢だけで考えれば親の方が先に逝くわけです。

親がいない学校や職場で、お子さんが頑張る姿を想像しましょう。その上で、親としてできることを考えて実践していきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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