子どもと一緒の食事にテレビはつける?それともつけない?
食事中、テレビはついていますか?
今ではほとんどの家庭がテレビをつけて食事をしています。
大人はBGMのように聞き流せても、子どもは画面が気になってしまいます。そのため、テレビを観ながら食事をしていると、食べこぼしたり噛めなかったりといった悪影響がでてきます。
せっかく、いつもと違う料理を出しても気づいてもらえなかったら、悲しいですね。
食事に関心を持ってもらうためにも、家族でコミュニケーションをとるためにも、食事中のテレビ視聴は考える必要があります。
ここでは、テレビ視聴による食事中のメリットとデメリットを確認し、子どもと食事に集中するために、テレビ視聴をやめる選択肢を考えていきましょう。
Contents
食事中にテレビを観ている家庭はどのくらい?
食事中はいったいどのくらいの家庭がテレビを付けているのでしょう。
マイナビニュースでは、小学生以下の子どもを持つママ219人に食事中のテレビ視聴についてアンケートをとっています。
その結果、テレビをつける家庭が68.0%、つけない家庭が32.0%となりました。
半数以上の家庭で、テレビを観ながら食事をしていることが分かります。家庭によって食事中のルールは違いますが、いったいどちらがよいのでしょうか。
食事中のテレビ視聴によるメリットとデメリットをみていきましょう。
食事中のテレビ視聴の影響とは?メリットとデメリット
テレビ視聴には、メリットとデメリットがあります。
子どもと一緒に食卓を囲みながら、テレビを観る場合のメリットとデメリットを挙げてみましょう。
食事中にテレビがついているメリット
食事中にテレビがついていることで、感じられるメリットは5つあります。
- シーンとしない、寂しくない
- テレビから会話が生まれる
- 子どもがおとなしくなる
- 子どもが早食いをしない
- たくさん食べてくれる
それぞれ、詳しくみてみましょう。
【シーンとしない、寂しくない】
テレビがついていると、ずっと音が流れているので、寂しくありません。
静かな空間が苦手な人は、テレビの音が安心するかもしれません。
また、どうしても家族一緒に食べられない場合など、少人数やひとりで食事をするときは寂しいものです。
そんなときでも、テレビの音があると賑やかで食事の時間が楽しくなります。
【テレビから会話が生まれる】
会話の糸口が見つからない人でも、一緒にテレビを観ていると、会話の糸口が簡単に見つかります。
テレビをきっかけとして会話が弾む家庭なら、食事の時間が賑やかになります。
【子どもがおとなしくなる】
パワフルな子どもは、何かに集中しているとき以外は騒がしく遊び回ります。
食事中でも話したがる子どもには、テレビをつけているとおとなしく食べてくれるので、重宝している家庭もあるでしょう。
【子どもが早食いをしない】
よく噛む習慣のない子どもは、食事を早食いする傾向があります。目の前の食事をすぐに平らげて、遊び始めます。
テレビを観ていると、ゆっくりと噛んで食べるため、自然と食事のスピードが遅くなり、早食いを防ぎます。
【たくさん食べてくれる】
少食の子は、ちょっと食べるとすぐに「ごちそうさま」と言って、食事を終えてしまいます。
テレビを観ていると、その間食べ続けられるので、自然と食事量が多くなり、たくさん食べてくれます。
食事中のテレビ視聴のメリットは、さまざまなものがあるとわかりました。次に、デメリットをみていきましょう。
食事中にテレビがついているデメリット
食事中にテレビがついていることで、感じられるデメリットは5つあります。
- 静かに食事できない
- 食事に集中できない(食べこぼす、噛まない、食事がすすまない、など)
- マナーが悪い
- 食べるスピードが遅くなる
- 親子のコミュニケーションがとりにくい
詳しくみていきましょう。
【静かに食事できない】
テレビがついていると、騒がしいと感じる人もいます。
食事を楽しみたいのに、テレビの音が気になってしまい、十分に楽しめません。
子どもは特に、面白い番組を観ていると、騒がしくなったり真似をしたりして、静かに食事をすることができません。
【食事に集中できない(食べこぼす、噛まない、食事がすすまない、など)】
食事中にテレビがついていると、楽しそうな場面でどうしても釘付けになってしまいます。
その結果、食べこぼし、噛む回数の減少、動作が止まるなど、きちんと食事ができなくなります。
ママが一生懸命に腕をふるった料理でも、自分がいったい何のメニューを食べたのか、記憶に残っていないことがあります。
【マナーが悪い】
何かをしながら食事をすることは、行儀が悪いという考え方があります。
家庭や国によって、どのマナーを重視するのか度合いが変わりますが、「テレビを観ながら食事すること」がマナー違反というところもあります。
テレビ視聴が習慣になっていると、親戚の家に行ったときや他国に行ったときなどに、「行儀が悪い」と思われてしまうことがあります。
子どもには、「食事中にテレビを観ることは、行儀が悪いと考える人もいる」ことを、伝えておくとよいでしょう。
子どもの食事のマナーについてもっとよく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。→子どもに伝えておきたい!人に不快感を与えない食事のマナー12選
【食べるスピードが遅くなる】
テレビに意識が向かうと、食事を噛む動作が止まってしまいます。その結果、食べるスピードが遅くなり、時間があっという間に過ぎてしまいます。
何時間も食事にとられるようなら、改善する必要があります。
【親子のコミュニケーションがとりにくい】
テレビがついていると、会話の糸口が見つかる反面、テレビで流れている情報以外で会話が見つかりにくくなります。
また、テレビを観ている間は静かに観るという家庭も多く、全く会話しないまま食事を終えることもあります。
子どもが学校で何をしたのか、どんなことができるようになったのか、仲の良い友達は誰で、どんな遊びをするのか、親として知っておきたいですね。
一家団らんで過ごす食卓には、子どもとの会話でたくさんの情報を得られます。
しかし、家族でテレビを観ていると、たくさん子どもと会話を交わす機会を逃してしまうことがあります。
このように、メリットとデメリットがそれぞれ挙げられました。
テレビをつけるのが習慣になっていて、特に子どもを注意するほど食事に影響が無ければよいのですが、テレビに集中しすぎてしまう点が気になります。
デメリットで挙げた「食事に集中できない」ことは、さまざまなロスを生み出します。
テレビ画面に釘付けで、食べこぼしが多くなったり、口に食べ物を入れたまま噛むのを忘れていたりと、楽しい食卓のはずが注意されてしまっては、楽しくありませんね。
もし、子どもがあまりにテレビにのめり込んでしまう子なら、食事中のテレビ視聴を控えてみましょう。
子どもと食べるときはテレビを消そう
子どもの年齢が低いほど、2つ以上のことを行うのは難しいものです。
特に、普段から落ち着きがなかったり、食事中でも立ち歩いたりする場合は、1つずつ集中できる環境を用意してあげましょう。
食事の時間はテレビをやめて、食事に集中してもらいます。
時間を気にして早食いになるようなら、好きなテレビ番組を録画しておいてあげてください。
「録画してるから、ゆっくり食べていいよ」と一言伝えれば、番組に間に合うように焦って食べることがありません。
そして、「食」に興味を持ってもらうために、メニューには何が入っているのか教えてあげてください。
「今日は、庭でとれたトマトで作ったよ」
「ジャガイモをたくさん使ったよ」
こうして、「食」に関する会話を広げていけば、食べ物に興味をもって、お手伝いしてくれたり、自分で野菜を育てたりすることにつながります。
テレビで野菜の作り方など放送していますが、「観る」だけでなく「体験する」ことで、子どもの興味や関心が大きく広がります。
テレビは食事に支障がなくなってからでも遅くない
子どもが食事中にテレビを観ると困るのは、多くが「集中して食べない」ことです。
家族揃ってご飯を食べていて、パパもママも「ごちそうさま」をしているのに、子どもだけ明らかに遅い場合は、テレビに集中してしまっているかもしれません。
大人のように、口を動かしながら目と耳だけで視聴するのが、子どもには難しいものです。
テレビに集中しすぎているな…、と感じたら、食事中のテレビ視聴を控えましょう。
食事中のテレビがやめられないときは…
すでに食事中のテレビ視聴が習慣化していてやめられないときは、ワンステップずつクリアしていきましょう。
やめるための3ステップをご紹介します。
ステップ1 テレビを観ながら食事することのデメリットを伝える
小学生になれば、理由を説明するとわかってくれる年齢です。
テレビがついていることのデメリットは以下のものが挙げられました。
- 静かに食事できない
- 食事に集中できない(食べこぼす、噛まない、食事がすすまない、など)
- マナーが悪い
- 食べるスピードが遅くなる
- 親子のコミュニケーションがとりにくい
これらのうち、子どもによく当てはまる事柄をとりあげ、わかるように説明してあげましょう。
たとえば、子どもの「噛まない」部分があてはまるなら、こう説明します。
「最近、○○ちゃんはテレビを観ていると噛む回数が少ないみたい。噛む回数が少ないと、虫歯になりやすかったり、あごが弱くなったりするから、もっとたくさん噛んで食べて欲しいんだ。そのために、一度テレビをつけないで食事してみよう!」
こうして、テレビがついていることのデメリットを確認し、どうしてテレビを控えるのか、理由をはっきりと伝えましょう。
ステップ2 朝食か夕食のどちらかからやめてみる
家庭によっては、テレビ視聴は朝か夕のどちらかだけ、もしくはどちらもしているというように、状況が違います。
もし、どちらもテレビ視聴をしている場合は、どちらかをやめてみましょう。
そして、テレビが無くても大丈夫だと感じてきたら、朝夕どちらも食事中はテレビを消して過ごします。
ステップ3 家族で実践する
家族で「食事中はテレビを観ない」と決めたら、全員が守るようにしましょう。
パパだけニュースを観ても良い、スマホをチェックしても良い、となってしまっては食事中の決まりがぶれてしまい、説得力がありません。
子どもも「なんでパパはいいの?」「なんでスマホはいいの?」と質問が始まり、ルールが複雑になってしまいます。
食事中に、テレビを観ない習慣がつくまで、家族全員で実践するのが大切です。
家庭の状況に合わせてテレビと付き合おう!
食事中のテレビ視聴によって、さまざまなメリットやデメリットのあることがわかりました。
家庭や子どもの状況によっては、食事中でも上手に「観ること」「食べること」が出来ていることがあります。
その上で、メリットを強く感じることができるなら、食事中にテレビを観ていても問題ないと判断できます。
実際にテレビをつけるかつけないかは、家庭の中でよく状況をみてから決めましょう。
テレビを消し、おいしく楽しく食卓を囲んで、家族でコミュニケーションをとるもよし、テレビを観ながら楽しく食事するもよし、上手にテレビと付き合っていきましょう。
もし、食事中のテレビをやめたい場合は、以下の3つのステップを思い出し、実践して下さい。
- ステップ1 テレビを観ながら食事することのデメリットを伝える
- ステップ2 朝食夕食のどちらかからやめてみる
- ステップ3 家族で実践する
ただし、無理強いはしないようにしましょう。
自分なりの考えを持っている子どもには、その考えを教えてもらい、ルールを決めて進めます。
例えば、子どもがどうしても「食事中にみんなで観たい番組がある」と主張し、一家で揃ってテレビを観る時間が食事のときしかない場合、ルールとして「30分だけ」などと決めておきます。
約束の30分が経ったら、テレビを消して過ごすというものです。
親がやめさせたくても、子どもに無理強いしてしまっては、けんかの元です。楽しいはずの食卓が、テレビのことで雰囲気が悪くなってしまっては悲しいですね。
続けてきた習慣を改めるには、時間がかかるものととらえて、少しずつステップを進めていきましょう。
食事の時間がいまよりももっと楽しいものになりますように。