子供が朝ごはんを食べるメリット。食べたくないを改善しよう!


子どもはしっかりと朝ごはんを食べていますか?1日3食を心がけている家庭では、朝ごはんを当たり前のように摂っていることでしょう。

しかし、中には朝から食べる元気のない子どももいます。生活習慣が乱れることで、運動や食事、睡眠の一連の流れが乱れてしまい、朝ごはんが食べられないなどの悪循環を招いてしまうことがあります。

本来、朝ごはんは活動するためのエネルギーを摂り、元気にしてくれる役割があります。

ここで、朝ごはんを食べる子と食べない子の違いを確認し、朝ごはんのメリットを確認していきましょう。また、欠食の理由による改善策もご紹介しています。

少しずつでも、朝ごはんの習慣を作っていきましょう。

朝ごはんを食べる子と食べない子の違いはどこにある?

朝起きたら挨拶をして、朝ごはんを食べる。

1日3食とっている子どもは、1日のスタートとして、朝ごはんの習慣が身についています。

一方、朝ごはんを食べない子は、そのまま1日がスタートしていきます。

エネルギーとされる食事を摂る子と摂らない子、どのような違いがあるのでしょうか?

文部科学省が平成27(2015)年に行った「全国学力・学習状況調査」では、対象とする小学校6年生と中学校3年生の朝食摂取と学力の状況について調べています。

それによると、朝ごはんを毎日食べている小学校6年生の国語Aの平均正答率が71.5%であるのに対して、朝ごはんを全く食べていない同学年の国語Aの平均正答率は54.2%でした。

他の国語B、算数A、算数Bについても、朝ごはんを毎日食べている子どもの平均正答率が高く、朝ごはんを全く食べていない子どもの平均正答率が低くなっていました。

こうした関係をみると、朝ごはんを毎日習慣的に摂る子どもほど、正答率が高く、学力が高い傾向といえます。

一方、朝ごはんを全く食べていない子どもの正答率は、国語、算数ともに最も低い傾向になるといえます。

また、同じく平成27(2015)年に行った「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」では、朝食摂取と体力の状況について調べています。

その関係をみると、朝ごはんを毎日習慣的に摂る子どもほど、体力の合計点数が高い傾向がみられました。

そしてこちらも、朝ごはんを食べない子どもは、男子、女子ともに体力の合計点数が低い傾向がみられました。

これらの傾向をもとに、それぞれの違いをまとめると以下のようになります。

【朝ごはんを食べる子】

  • 学力の値が高い傾向
  • 体力の値が高い傾向

【朝ごはんを食べない子】

  • 学力の値が低い傾向
  • 体力の値が低い傾向

このように、勉強や運動の面から見ると、朝ごはんを食べる子と食べない子では、力の差が出てしまうことが分かりました。

1日の多くを学校生活で過ごす子どもたちには、少しでも力を伸ばしてあげたいものです。

朝ごはんを食べることは、こうした学力や体力だけに影響するのではありません。他にも重要な役割をしています。

そこで次に、朝ごはんを食べるメリットをみていきましょう。

子ども生き生き!朝ごはんを食べるメリット3選

朝ごはんを食べると、体に嬉しいことがたくさん起こります。

なかでも子どもに嬉しい効果が以下の3つです。

  • エネルギー補給ができる
  • 体温が上がる
  • 排便のリズムが整う

一つずつ、くわしくみていきましょう。

エネルギー補給ができる→集中力が続く

人間が毎日活動するためには、エネルギーが欠かせません。特に朝は夕食からだいぶ時間が経っているため、ガス欠の状態です。

そのため、朝は自然とお腹がすくものです。

しっかりと朝ごはんを食べることで、活動の元となるエネルギーが蓄えられ、元気いっぱい勉強したり遊んだりすることができるのです。

朝ごはんで蓄えたエネルギーは、授業中の集中力を保つことにも一役かっています。

脳を働かせるためには、朝ごはんのブドウ糖が必要になりますが、パワー不足だと脳に栄養が行かず、ボーっとしたり、イライラしたりして集中力が続きません。

朝ごはんは脳へのエネルギーチャージにも、良い働きをしているのです。

体温が上がる→活動的に過ごせる

最近、大人だけではなく、子どもにも「低体温」と呼ばれる体温異常の子が増えています。

子どもは大人より体温が高いはずですが、35~36度くらいの低めの体温の子がいます。

こうした低体温は自律神経の乱れにより起こりやすくなります。

子どもが以下のような問題を抱えていたら、体温を測ってみるといいでしょう。

  • イライラしやすい
  • 集中力が続かない
  • カッとなりやすい
  • うまく人と関われない

自律神経を乱す原因は「運動不足」、「睡眠不足」、「排便がうまくされていない」など、色々とありますが、その中に「朝ごはんを食べないこと」があげられます。

朝ごはんを食べると、体内に栄養が運ばれ、熱が生み出されます。これによって、体温があがり、活動的な1日を過ごせるのです。

体温が上がると、免疫力がアップするため、風邪をひきにくくなるなどの嬉しい効果もあります。

排便のリズムが整う→朝スッキリして日中過ごせる

朝ごはんを毎日決まった時間に食べることで、腸が活発になり、排便のリズムが整いやすくなります。

学校生活を送る中で、排便のリズムが出来ていることは、1日を快適にスタートさせるために大切です。

学校では排便したくなくて、我慢してしまう子は多いものです。

排便リズムが不規則だと、学校でもよおしても、我慢することが続いてしまい、便秘になってしまうことがあります。

腸を刺激し、排便を促すためにも朝のご飯は重要なのです。

このように、朝ごはんにはさまざまなメリットがあることがわかりました。

もし、朝ごはんの習慣がない人なら、簡単な朝ごはんづくりから始めてみましょう。

朝ごはん抜きなら、少しずつ取り入れて!ケース別改善策

「朝起きてすぐにごはんが食べられない。」

「朝は食べる習慣がない。忙しい。」

こうした理由から、朝ごはんを食べない子どももいます。

小学校6年生を対象とした、文部科学省の「全国学力・学習状況調査」では、朝ごはんを食べていない子どもの割合は、4.6%(平成29年度)となっています。

朝ごはんを抜いて登校する子どもは、給食の時間まで空腹を我慢しなくてはいけません。

朝は気分が乗らなくて食べられなかったとしても、授業中にお腹が空いてくるのを感じます。

低学年ではお腹が空いてくるのを我慢できず、授業中でも先生に「お腹が空いた」と訴えますが、先生は我慢させるよりほか、どうしようもありません。

学年が上がっても空腹感を感じるのは同じです。

低学年ほど、空腹を訴えることは少ないものの、空腹を感じると、授業に集中できなかったり、イライラして友達に当たったりします。

そうして、午前中はエンジンがかからないまま過ごし、給食でやっと1日の最初のエネルギーを補給します。

エネルギーが入った子どもは、そこから活動的になります。

朝ごはんを食べている子は朝から活動的に過ごしているので、夜になると適度に疲れてぐっすりと眠ることができます。

一方、朝ごはんを抜いている子は、昼にエンジンがかかり、活動的に過ごすのが遅れるため、夜になってもなかなか疲れを感じず、眠るのが遅くなります。

これが続くと睡眠不足を引き起こす原因ともなり、注意が必要です。

平成18(2006)年4月24日には、「早寝早起き朝ごはん」の全国協議会が設立されました。

健康に過ごすために当たり前の生活(適度な運動、調和のとれた食事、十分な睡眠)が、最近の子どもたちをみると、乱れてきていることが背景にあります。

子どもが健康で快適な日々を過ごすために、朝ごはんはとても重要です。

朝ごはんを食べる習慣がない場合や、忙しくて食べさせる暇がない場合、子どもが食べたがらない場合など、さまざまな理由があります。

どんな理由であれ、どこか習慣を見直して、朝ごはんを取り入れてみてください。

良くあるケースの改善策をみていきましょう。

朝ごはんを食べる習慣がない場合の改善策

朝ごはんを食べる習慣がない家庭では、パパやママも朝ごはんを食べないことが多いです。

一度、子どもが活動的に過ごせるために、簡単な朝食を習慣づけてみましょう。

おすすめは白ご飯と味噌汁です。白ご飯なら、前日の夜に炊飯器にセットしておけば、翌朝ほかほかのご飯が炊きあがっています。

味噌汁は、冷蔵庫にある物をカットして、お鍋に入れて煮れば火が通ります。人数分の味噌を溶いてできあがりです。

味噌汁に豆腐やわかめなど、野菜以外の食材を入れるとバランスが良くなります。

朝から豪華な食卓は難しいですが、白ご飯と味噌汁ならできそうですね。味噌汁が苦手な子は、お汁を少なめにして、具だけでも食べてもらいましょう。

忙しくて食べさせる暇がない場合の改善策

朝は何かと時間がないものです。仕事が忙しかったり、兄弟が多くて面倒を見きれなかったりすることもあります。

そんなときは、パンやシリアルを活用しましょう。

できればよく噛める和食が良いのですが、時間が無いとそうも言っていられません。まずは空腹を満たすこと、エネルギーを朝に摂ることを目標にしていきましょう。

パンやシリアルだと、「食パンにバターを塗って焼く」、「シリアルに牛乳を入れる」といった簡単なステップで朝ごはんが出来上がります。

やり方を教えれば、就学前の子どもにも朝ごはんの準備をすることができます。色とりどりのジャムを用意して上げれば、食が進みそうですね。

そして、サイドメニューにカットするだけのトマトやレタスなど、時間のかからない生野菜を用意して、栄養バランスを整えてあげるとよいでしょう。

野菜ジュースが飲める子は、パンやシリアルと一緒に用意してもいいですね。

子どもが食べたがらない場合の改善策

親は食べさせたくても、子どもが食べたがらない場合があります。

低学年の場合は、朝は調子が悪くて食べられない場合が多く、高学年の場合はダイエット目的で自主的に朝ごはんを食べない場合もあります。

調子が悪くて食べられない場合は、その原因を探って、改善するようにします。

例えば、夜更かしが多く、寝不足になっていると感じたら、その原因は何か探ります。

もし、長時間のゲームが原因と感じたら、時間を制限するなどして改善します。

ただ、日々の習慣を改めるのには、それなりの時間と労力がかかります。根気よく朝ごはんを食べられる環境に整えてあげてください。

このように、朝ごはんを食べない理由が何であれ、食べる環境を整える方法がわかりました。

朝ごはんを取り入れると、今まで朝はボーっとして流れるままに学校に送られていた子が、朝すっきりと自分の力で目覚めて、もりもりご飯を食べ、活動的に家を出るようになります。

朝はぐずぐずで気力がない、朝ごはんも食べられない…といった悩みを持っている人ほど、朝ごはんの力を試して欲しいです。

食に興味をもつとおいしく食べられる!一緒に作ってみよう

朝の光が差すととおいしそうなごはんの匂いと料理の音で目覚める…。

何だかワクワクする1日が始まりそうな予感です。

朝ごはんのメリットを十分に得るために、食事を楽しむこともポイントです。

食事を楽しむには、以下の点が大きく関わっています。

  • 食事のリズムが整っている
  • 味わって食べる
  • 誰かと一緒に食べる
  • 食事を自分で作る
  • 健康を考える

なかでも、小学生の子どもが始めやすいのが、「食事を自分で作る」ことではないでしょうか。

初めてなら、すべて自分でやらせるのではなく、芋の皮をむく、皿を出す、といった準備から始めても良いでしょう。

トマト嫌いの子が、自分が育てたトマトはなぜかおいしく食べられるといったことがあるように、自分が関わると、そのものの評価がよくなることがあります。

食事作りに関わることで、「食」に興味を持ち、楽しく食べるようになります。

朝ごはんのメリットをおさらいしてみましょう。

  • エネルギー補給ができる→集中力が続く
  • 体温が上がる→活動的に過ごせる(体温が上がると免疫力がアップする効果も)
  • 排便のリズムが整う→朝スッキリして日中過ごせる

これらの朝ごはんのメリットを存分に発揮できるように、働きかけてあげましょう。

きっと、生き生きとした子どもの姿に驚くはずです。

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