小学校受験で受かるには塾が必要?メリットやデメリットについて

小学校受験のための塾は、幼児教室とも呼ばれています。お受験ドラマにも必ずと言って良いほど塾のシーンが登場しますが、雰囲気は概ねあのような感じです。

塾は長年の傾向から受験校の特徴を抑えており、どのような子を入学させたいと考えているかなどを把握しています。ですから、小学校受験する際は塾へ行かせた方が有利と考える親御さんが多いのです。

但し、必ずしも小学校受験のために塾が必要なのかと言えば、そんな事もありません。塾に行かずに合格しているお子さんも大勢いるのです。では、小学校受験のために行く塾にはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。小学校受験までに掛かる塾の平均的な費用についても触れていきます。

小学校受験のための塾ってどんなところ?

そもそも、小学校受験のために通う塾というのは一体どんなところなのでしょう。子供の頃に通った事があるという親御さんでも、幼児期に通っていたはずなので断片的な記憶しか残っていないのでは無いでしょうか。

小学校受験のために通う塾は、幼稚園では行われない色々な幼児教育が行われるのです。ここで詳しくご紹介しますので、塾通いを検討されているならば参考にしていただけたらと思います。

小学校受験の塾ではどんな事をするの?

小学校受験のために年少さんから塾に通い始めても、いきなりペーパーテストの練習をどんどん始めるわけではありません。鉛筆を持つ力も弱いのですぐに疲れてしまいますし、じっと椅子に座っているのも難しいでしょう。

小学校受験のための塾では、年少さんや年中さんの頃は遊びの中から学びを得られるような授業をしています。先生の指示通りに行動できる訓練をしたり、お友達との関りも重要なところです。

小学校受験では、その学校によって違いますがいくつかの試験を行います。

  1. ペーパーテスト
  2. 運動
  3. 行動観察
  4. 記憶力

大きく分けると主に4つの種類があり、この他に面接を行う小学校が多いでしょう。塾ではこれらの試験内容に対応できるように徐々に訓練を行っていきます。先生の言った事をすぐに理解して行動に移せるようになる事と、挨拶や言葉遣いなどもきちんとできるように指導されるのです。

年長さんの時期には総仕上げとなっていきますので、こなさなければならない内容もハードになっていくでしょう。そして、最後には面接の練習も行います。親子面接がある小学校の場合は、本番さながらの状態で親子揃っての面接の練習も実施されます。

小学校受験の塾では、小学校に提出する願書の内容もチェックしてくれます。できるだけ合格に有利になるような願書の書き方のコツなども教えてくれる場合もあるので、親御さんとしてはとても心強いはずです。

小学校受験の塾に通うのはいつ頃から?

普通の幼児教室であれば0才児からスタートしているところが多いのですが、小学校受験のために塾に通うのであれば、幼稚園や保育園の年少さんからか、遅くても年中さんの頃からスタートすると良いでしょう。

小学校受験では色々な試験が行われますが、その中でも「行動」を最も重視している学校が増えてきています。ペーパー試験が完璧にできていたとしても、お行儀の悪い子は一瞬でチェックされてしまうのです。

日頃の行動は、特に幼児の場合すぐに直すことはできません。言葉の意味を理解し始める頃から少しずつ注意していく事で、受験会場でも自然な流れで行動する事ができます。小学校受験のために塾に通うのであれば、指示を理解し脳の発達が著しい年少さんの頃がベストなのです。

小学校受験の塾は週に何回通うの?

塾によっても違いがあり、年長さんになって受験が近付くと毎日のように通わなければならなくなる場合もありますが、通常は週に1~2回程度となるでしょう。1回につき90分から120分ほどの時間で授業が行われる場合が多いです。

小学校受験の塾は、殆どが平日に開講されています。但し、そう多くは無いものの土曜日や日曜日に開講している塾もあるので、共働き世帯でも小学校受験がしやすくなってきていると言えるでしょう。

小学校受験の塾では、親が毎回教室の様子を見学できるところと、送迎だけすれば良いところがあります。見学型の塾であれば、授業の様子から我が子に足りていない部分を家庭で補う事ができたり、行動の注意点も把握しやすいです。

送迎だけの塾では、お迎えの時に先生からお子さんの様子を教えてもらう事ができるので、家庭での課題もしっかり教えてもらえます。ワーキングママや下に小さなお子さんのいるママには、見学型より送迎だけの塾がおすすめかもしれません。

小学校受験のために塾へ通うメリットとは

小学校受験を決めたら塾へ通った方が良いと、多くの先輩ママたちは言います。小学校受験専門の塾は授業料も決して安くはありませんが、それだけの魅力があるという事なのです。

小学校受験のために塾へ通わせるか迷っているのであれば、まずはメリットを知っておきましょう。自宅学習では補えない部分が、実はかなりあるのです。

塾で受験の雰囲気を掴む事ができる

小学校受験のための塾には、当然の事ながら受験をする子供が通ってきています。

幼いながらも受験を意識して通っているわけですから、他の子よりできるようになりたいと思っている子も多い訳です。良い意味での緊張感が、塾の教室内には溢れています。

実際の受験会場にも、同じように何年も前から頑張って受験に備えて来た子供がたくさんいますので、試験当日は独特な雰囲気になりますが、塾に通わなかった子供はその雰囲気にのまれてしまう場合があるのです。受験会場内の雰囲気に圧倒されて、本来の力が発揮できない場合も考えられます。

小学校受験のための塾では、特に後半からはピリピリとした緊張感の中で過ごす事になるでしょう。しかし、その雰囲気の中で過ごすからこそ、本番でも物怖じせずに自分の力を発揮できるようになります。小学校受験のための塾の様に、同じ志を持った集団の中にいる事で、受験の雰囲気を掴む事ができ本番にも強くなれるのです。

塾は志望校の情報を持っている

過去の合格実績が多い塾では、小学校受験のための情報をたくさん持っています。ネット社会とは言え、その情報を詳しく個人で掴むのは難しいでしょう。塾の先生は、塾同士の横の連携などがあったり、直接小学校からの情報を得ている場合もあるのです。

確かに、過去問は書店などで簡単に購入できますが、小学校受験では突然全く違う傾向の問題を出す場合もあります。「来年はこんな傾向の問題が出る可能性がある」など、小学校受験の様々な情報を得て、その対策を取る事ができる塾に通う事で合格に有利になると言えるのです。

集団行動による受験対策ができる

小学校受験のための塾では色々な小学校の受験情報を入手しているので、効率的な受験対策を行う事ができます。ペーパーテストや行動観察など、どの点を重視しているのかをある程度把握できているため、無駄のない受験対策ができるのです。

塾だからこそできる集団行動では、自宅学習だけで受験するよりもかなり有利になるでしょう。今、行動観察の試験科目は殆どの小学校で実施しているのと、試験科目以外でも何気ない様子を試験官は注意して見ています。

小学校受験では協調性を育む事も受験対策の一つになりますが、塾ではそこがしっかりできるのです。親御さんとじっくりマンツーマンで頑張るのも受験対策の一つの方法ですが、試験は集団の中で行われます。色々な子供が受験するので、集団行動にも慣れていないと本番で思いもよらぬ行動に出てしまう場合もあるのです。

親御さんの負担が軽減される

小学校受験の塾へ行かず、自宅だけで学習するのはとても大変です。

親御さんが毎日つきっきりで教えてあげなくてはなりません。また、志望校の情報も集めなくてはなりませんし、全てがゼロからのスタートとなります。

もちろん塾へ通うようになっても自宅での学習は必要ですが、「習う」という事に関しては塾で終えており、自宅で行うのはあくまでも「練習」です。宿題をこなす作業になり、親御さんが考えて何かをさせる訳ではありません。

小学校受験に関する事を、いつでも相談できる先生がいるという点も親御さんにとっては大きなメリットとなるはずです。しかも先生はお子さんの事を理解しているので、的確なアドバイスも受ける事ができます。

親御さん同士で情報交換ができる

小学校受験のために塾へ行くようになると、少なくともお迎えの時には他の親御さんと顔を合わせる事になります。そんな時に、同じ塾に通わせている親御さん同士が仲良くなり、情報交換できるというメリットがあるのです。

親御さんの中には、上のお子さんが既に受験していて一通りの経験をされていらっしゃる方もいます。体験談などはネットで書かれている口コミなどの情報よりも、ずっと身近な話として聞く事ができるのです。

受験が近くなると、子供にどんなものを着せたら良いのか、また、自分自身の洋服についてやメイクの仕方などの細かい点についても気になるところです。先生には聞きづらいと思う事でも、親御さん同士でだったら気軽に相談する事もできますよね。

小学校受験のために塾へ通うデメリット

ここまで、小学校受験のために塾へ通うメリットについてご紹介してきましたが、逆にデメリットも少なからずあります。デメリットからは小学校受験のために塾へ通う事が、本当にお子さんのためになるのか?と考えてしまうような事もあるでしょう。

ここからは、小学校受験のために塾へ通うとどんなデメリットが考えられるのかを詳しくご紹介していきます。

費用が掛かる

小学校受験のために塾へ通う事は、間違いなく合格への可能性が高くなりますが、その分費用もかなり掛かります。

普通の習い事であれば、1週間に1~2回通っても月に5000円から1万円程度で収まります。しかし、小学校受験のための塾の費用は月に4万円から6万円ほど掛かる場合が多いでしょう。

これは、私立小学校に受験する場合でも国立(公立)小学校を受験する場合でも同じです。そして、塾によっては試験が近くなると通塾回数も増えてそれ以上の費用が掛かるようになる場合もあります。

塾では月謝の他にも、模試代や季節講習代、テキスト代なども定期的に掛かる事が多いです。年少さんから3年間通うとなれば、年間で少なくとも50万円は掛かるので受験までに200万円ほど掛かる事が考えられます。

他の子と比べてしまう

見学型の塾の場合、毎回授業の様子を見る事になります。小学校受験のために通う塾の先生は、一般的な幼児教室とは違い時折り厳しい事を言うかもしれません。それは直すべきところをきちんと直させるために言っているのですが、それがたび重なると親御さんも気になりますよね。

うちの子だけができていないのでは無いかと思い始め、他のお子さんと比較して見るようになってしまうのです。すると、家での勉強にも焦りが出てしまい、できていないとついついりつけてしまうという親御さんも少なくありません。

自分のペースで進めていく方が伸びるお子さんもいるので、必ずしも集団に入るから良いという事はありません。ましてや、親御さんが本人の前で他の子と比較してしまっては可哀想です。

一人の方が集中できて上達が早いお子さんや、親御さんご自身が他のお子さんが気になって比べてしまうという場合は、小学校受験のために塾に通う事がデメリットになってしまうかもしれません。

ストレスを感じてしまう事も

小学校受験のために塾へ通うようになると、幼稚園や保育園から直接行かなければならなくなる事も考えられます。まだ幼く体力も無いので、塾通いにより疲れが出てしまいストレスになってしまう事もあるでしょう。

塾へ行く事が楽しいと感じているお子さんならば良いのですが、塾での勉強にも負担を感じてしまっているお子さんの場合には塾通いがストレスになってしまいます。

また、先生との相性や塾の方針がお子さんには合っていない場合も、お子さんだけでなく親御さんもストレスに感じてしまうでしょう。

小学校受験のための塾に通えば間違いなく合格できるという訳ではありません。強くストレスを感じるようであれば塾通いは逆効果になってしまう可能性があるので、お子さんの様子を見て塾通いに関しては冷静に考える必要があるでしょう。

小学校受験の塾は合格率を高めるところ

小学校受験のために高額な費用を払って塾通いしても、合格できない場合もあります。小学校受験ではペーパー試験の点数で結果が出るのでは無く、その学校独自の視点で行動を観察されますし、お子さんはまだ幼いので緊張などから本来の力を発揮できない場合もあるのです。

小学校受験の塾に通うと自宅で勉強するよりは、志望校への対策がしっかりとできます。また、他のお子さんと一緒に頑張れるのでモチベーションも保てるでしょう。塾に通っている事でお子さんが頑張っていると、親御さんも嬉しいですよね。

塾へ通うのが楽しいお子さんや勉強するのがさほど苦にならないお子さんであれば、小学校受験のために塾へ通った方が良いでしょう。ただ、集団の中で受験勉強をするとプレッシャーに感じてしまうお子さんや、あまり勉強に前向きになれないお子さんの場合は塾通いは逆効果になるかもしれません。

小学校受験の塾は合格率を高めるところであり、合格させてくれるところでは無いのです。お子さんの性格を考えて小学校受験の塾が向いていると判断されるのであれば、先ずは体験に行ってみましょう。

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