小学生の子どもがイライラしている時に、親がしたい3つのこと


子どもがイライラしている!つい親御さんもイライラしたり「また始まった…」と暗くなったり。

「まだ反抗期ではないはず」…けれども筆者の子どもも含め、小学校低中学年でも「イライラしている」という声は聞くものです。

「子どもにどう働きかければいいの?」「自分の感情をコントロールしたい」…そんなお悩みを解決すべく、小学校での勤務経験がある筆者が、ポイントを3つにまとめました。

早速試してみれば、子どもがイライラしている状態も怖くなくなる、かもしれません!

ポイント①子どもの立場・気持ちを考える

小学生の子どもがイライラしている。親御さんも自分の小学生の頃を、少し思い出してみませんか?

何かストレスがあるのかも

「思春期でもないのに、もう反抗?」と思う親御さんもいるでしょう。しかし小学2~4年生ぐらいの反抗やイライラを、最近は「中間反抗期」と呼んでいます。

  • 勉強が難しくなってくる
  • 友達関係が複雑になってくる
  • 発達の個人差がはっきりしてくる

などの原因から、お子さんもストレスを抱えやすくなるのですね。

中間反抗期ではなくても、

  • 思い通りにいかない
  • やりたくないけど、やらなくてはいけない
  • 寝不足や疲れている

などの理由から、子どもがイライラする場合もあります。

子どもがイライラしていると、つい親御さんも感情的に。…気持ちはよくわかりますが、まずは「何か理由はあるのか」「イライラする時の傾向」を探ってみましょう。

筆者には二人の娘がいます。長女は小学3年生の時、一年間を通してイライラしがちでした。「中間反抗期かな」と思っていましたが、4年生になったとたん急におさまったのです。

3年生はとても厳しい担任の先生で、長女も他の子も何度も怒られていたようです。4年生になると自主性を大事にする優しい先生に変わり、「学校が楽しい」と言うように!

もちろん先生だけが原因ではないと思いますが、「こんなこともあるのだ」と勉強になりました。長女だけでなく、他にも同じようなお子さんが二人いることもわかりました。

1年生の次女の場合は、家庭学習でわからない問題があると必ずイライラ。次女のお友達は、宿題をする時だけイライラするそうです。

最近では、子どもの

  • 食生活の乱れ
  • 運動不足・体力低下
  • 慢性的な睡眠不足

も言われており、特に問題のない子とある子の二極化傾向が見受けられます。これらは子どものイライラの原因にもなりますので、思い当たることがあれば改善したいところです。

「わけもわからず」という場合もあるでしょうが、子どものイライラには理由や傾向がある場合も少なくありません。まずはそれを探ってみる。もし理由や傾向がわかれば、親御さんの対処もしやすくなるのではないでしょうか。

親だってイライラすることがある

「私は全くイライラしない」という親御さんも、中にはいるかもしれません。しかし大半の親御さんは、自分もイライラするのではないでしょうか?

  • 子どもが言うことを聞かない
  • 日頃のストレスがたまっている
  • 生理前や寝不足・体調不良

理由はどうあれ、イライラしてしまう。中には自分でイライラしていることに気づかず、家族に言われて初めて気づくなんて場合もあるかもしれませんね。

人間、イライラすることもあるもの。お子さんだって、イライラすることもあるもの。「困った~」ではなく、むしろそれを「成長」ととらえてみるのも一つです。

そう考えるようにすると、必要以上に「子どもがイライラしている状態」が気にならなくなるかもしれません。

子どもに寄り添うことを意識

子どもに寄り添うって…?子どもの気持ちを想像し、そこに自分の心を近づけ、できるだけ子どもを理解しようとすることです。

子どもの立場に立てると、「ある程度のイライラはしかたない」と割り切りやすくもなれると思います。

けれども筆者も含め、意外とできないのですよね。小学校で勤務していた時も、子どもの立場に立って考えられる教員とそうでない教員は、はっきり分かれていたものです。

後述する「子どもの話を聞く」ことも、子どもの気持ちに寄り添いながら聞くのか否かで、子どもへの影響に差が出てきます。

せめて、子どもに寄り添う意識を持ち、努力だけはしてみましょう。子どもは、自分とは違う一人の人間なのです。

ポイント②子どもの話を聞く

子どもがイライラしている。子どもの立場・気持ちを考えた上で、話を聞いてみましょう。話を聞く際のポイントを、3つに分けてお伝えします。

共感する・受け止める

低中学年、特に低学年の場合、何かが嫌でイライラすることも多いです。

  • 宿題・勉強をやりたくない
  • 手伝いたくないけど手伝わなくてはいけない
  • 夕食の時間だから片付けなければいけない

「本当はテレビを見たいのに」「もっと遊びたいのに」…そのようなことでイライラすることも多いのですね。

理由が明らかにわかっている場合、「共感」をするようにしましょう。

子どもも含め、人間は「誰かに気持ちをわかってほしい」と思っているもの。親御さん自身も、そうではないでしょうか?

  • そうだよね、難しいしやりたくないよね。
  • もっとテレビを見たいよね。
  • 遊びたい気持ちはわかるよ。

ワンクッション、共感する言葉をかけてから、「でも頑張ってやっちゃおうか」「お母さんも手伝うからさ」などと声がけする。頭をなでたり肩に手を添えたりするのもよいでしょう。

親に理解してもらえている積み重ねは、子どもの自信や自己肯定感につながります。寄り添ってもらえている安心感が、やる気を高めることもあるのです。
子どもの気持ちを受け止める対応を、根気強く続けていきましょう。イライラの頻度が低くなる期待もできると思います。

言葉で伝えるためのフォローをする

勤務していた小学校の児童や、我が子と周囲のお友達を見ていて思います。低中学年の子どもは、まだ言葉で上手に説明ができません。うまく気持ちを伝えられません。

子どもがイライラしている理由が「特にない」場合もあるでしょうが、「理由をこれ以上言葉にできない」ことも多いのです。

言葉で伝えられないともどかしく、余計イライラしやすいのですね。

もちろん個人差はあり、低中学年でもしっかりしている子もいます。「理由があるけど言いたくない」と思う大人っぽい子も、いるかもしれません。

けれども、もし「言葉で上手に伝えられないのかな」という姿が見受けられたら…。気持ちを代用するような言葉がけをしてみましょう。

  • 本当は○○がやりたいのかな?
  • こっちじゃなくてこっちの方がよかったかな?
  • 自分でもよくわからないけど嫌な気持ちなんだね
子どものモヤモヤを言葉にしてあげる感じでしょうか。なかなか難しいかもしれませんが、お子さんの「語彙力」が増え、言葉で伝える力を高められることはたしかです。

自分の感情を表す言葉を覚えれば覚えるほど、自分の感情をコントロールできることにもつながるそうです。

決して感情的に「どうしたの?」「何言っているかわからない!」などと言うことはやめましょう。子どもの話す意欲が低くなり、逆効果ですよ。

子どもの話をきちんと聞く

初めは「どうしたの?」「何かあった?」など質問から入ると思います。

しかし途中から、

  • 気づいたら親ばかリ話している
  • 反対に無反応になってしまう

なんてことが、ありませんか?

「子どもの話をきちんと聞く」ということは、「子どもが話しやすい雰囲気をつくる」とも言い換えられるでしょう。

  • 「うんうん」「そうなの?」など相槌を打ちながら聞く
  • できれば子どもの目を見て、うなずきながら聞く
  • 子どもの言葉を、時折オウム返ししながら聞く

ことを意識しましょう。もちろん前述の共感や、気持ちを代用する言葉がけも加えていきましょう。

親御さん自身も、普段の生活の中で「話しやすい人」と「話しにくい人」がいると思います。

「この人には話しやすい」と思う人は、どんな雰囲気ですか?きっと優しい雰囲気で、相槌を打ったりうなずいたりしながら話を聞いてくれる人だと思います。
話しやすい雰囲気をつくること、またそのような積み重ねが、お子さんの言葉で伝える力を高めることにもつながっていくのですね。

ポイント③親の感情をコントロール

親も一緒にイライラしたり、逆に「また始まった…」と心が沈んでしまったり。感情はできるだけコントロールできるとよいですね。

イライラしてもよいことが一つもない

子どもがイライラしていて、親も一緒にイライラ…。気持ちはよくわかりますが、よいことは一つもありません。

  • 子どもに悪影響
  • 親の心身に悪影響
  • 家の空気・雰囲気が悪くなる

お子さん自身、イライラしてつらいはず。それを誰にも受け止めてもらえない上、大好きな親もイライラ…。よい影響のはずがありません。

イライラしていては、親御さん自身の美容と健康にもよくないですよね。その上、何の解決もせずメリットもなし。

「そんなことはわかっている!」という声も聞こえてきそうです…。

感情をコントロールする方法を試す

では感情をコントロールするさまざまな方法を試してみましょう。筆者の体験やネット上の声から、いくつか挙げてみます。

  • 深呼吸をする
  • 爪もみ
  • 耳つぼを刺激する
  • アロマオイルの香りを嗅ぐ
  • ガムを噛む・チョコを食べる
  • 「1,2,3,4,5」とゆっくり数える
  • 感情を追い払うイメージを描く
  • 口角を上げる
  • 癒される画像や好きな物に目を向ける
  • その場を離れる

深呼吸や爪もみ、耳つぼの刺激などは、リラックス効果が高いです。やり方はネット検索すればいろいろ出ていますが、難しく考えずに一呼吸置く感じで試すとよいでしょう。

アロマオイルにはさまざまな香りがあり、期待できる効果・効用も違います。「イライラを静めたい」「元気になりたい」などの感情に合わせた、かつ好みの香りを選べるとよいでしょう。

ガムやチョコレートも、リラックス・リフレッシュできそうですね。

目を閉じて「1,2,3,4,5」とゆっくり数えるのも、感情をリセットできる感覚があります。

感情を嫌いな虫などに見立て、頭の中から追い払うイメージを描く。特に怒りやイライラを抑えるのに効果的だそうですよ。

今、鏡の前で口角を上げてみましょう。笑顔もしくは柔らかい表情になりませんか?先に表情をつくることで脳に情報が送られ、その表情に合った感情になりやすくなるのです。

イライラがおさまりそうな物、元気が出そうな物を見るのもオススメ!

  • 癒される動物や自然の画像
  • 好きなアイドルや芸能人の写真
  • お気に入りのキャラクターグッズ

などを、目につく所に置いて試してみましょう。

可能であれば、ほんの少しでもその場を離れることが最も効果的かもしれません。心を整えて、お子さんの前に戻れるとよいですね。

他にもさまざまな方法があると思います。参考にしつつ、自分に合う方法をみつけてみてください。

どうしても感情がコントロールできない方へ

「頭ではわかっていても、子どもがイライラしているとつい…」という親御さんもいるでしょう。

完璧な親にならなくてよいのです。「一緒にイライラしてしまってごめんね」「元気がなくなってしまってごめんね」と素直に謝るのもよいでしょう。

そして少しでも「子どもがイライラしている時に感情がコントロールできた」ということがあれば、存分に自分をほめてあげてくださいね!

子どもがイライラしている時以外は…

普段、お子さんに愛情を持ってかかわっていれば、多少感情的になってしまっても大丈夫。

  • 子どもの努力やよいところを褒める
  • 子どもの長所をみつける
  • 子どもと一緒に何かを楽しむ

小さなことでも、頑張っていることやお子さんのよい行動を、褒めてあげましょう。日頃からお子さんの長所を探して、言葉で伝えてあげましょう。

筆者はある記事をきっかけに、子どもと一緒に子どもの長所を100個書き出してみました。よかったら以下の記事も読んでみてください。
小学生のやる気が出る言葉!この一言で子どものスイッチON

お子さんと一緒に何かを楽しむことも心がけてみましょう。どこかに行かなくてもお金をかけなくても、

  • トランプやゲーム
  • おやつを食べながら会話
  • 足裏をマッサージしながら会話

など、親子で楽しんだりリラックスしたりできる時間を、大切にしたいですね。

小学校低中学年なら、まだまだスキンシップもよいでしょう。

  • ギューっと抱きしめる
  • 褒める時に頭をなでる
  • 話す時に肩や背中に手を添える

ことなどがオススメ。スキンシップや家族団らんは、オキシトシンという幸せホルモンが出るのです。

お子さんの心が今以上に満たされることで、イライラの頻度も少なくなるかもしれませんね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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