ヘリウムガスは子供にとって危険？！あぶない事故例と安全対策
空中に浮かぶ風船や変声スプレー缶のおもちゃがあるけれど、ヘリウムガスは子供の体に悪影響があるの？・・・ガス風船や変声グッズを子供にあたえて良いのかわからないパパ・ママもいるのではないでしょうか？
子供の安全が心配なときは、ヘリウムガスの危険性と正しい扱い方を確認しましょう。ガス風船や変声スプレー缶には「ヘリウムガス」という気体が使われています。ヘリウムガスは無毒な気体ですが、使い方を間違えると大きな事故につながる恐れがあります。
特にヘリウムガスの事故は子供に多いので、お子さんにあたえる場合は注意が必要です。
ここではヘリウムガスの危険性、子供の事故例、注意点＆NG行動などをご紹介しますので、お子さんを安全に遊ばせたいときにお役立てください。
ヘリウムガスとは？
空中に浮かぶ風船（ガス風船）や高い声が出せる変声用グッズ（変声スプレー缶）は、パーティー商品として人気がありますよね。特にガス風船はデパートなどで子供に配られることもありますので、お子さんが触れる機会の多いアイテムといえます。
ガス風船や変声スプレー缶には「ヘリウムガス」という気体（希ガス）が入っています。ヘリウムガスは無毒の気体ですが、近年ではヘリウムガスによる子供の事故が報告されています。
ヘリウムガスは、扱い方を間違えると意識不明の重体や死亡などにつながる可能性があります。子供の安全を守るためにも、ガス風船や変声スプレー缶で遊ばせる前にヘリウムガスの特徴と危険性を確認しておきましょう。
ここでは、ヘリウムガスの基本的な特徴をご紹介します。
ヘリウムガスの特徴
ヘリウムガスは空気よりも軽い気体であり、「無色、無味、無臭、無毒、無刺激性、不燃性」という特徴があります。空気の1/7の軽さであり、無毒で安全性に優れているため、バルーンのガス風船などに使われています。
- 【ヘリウムガス】・・・空気よりも軽く、無毒な気体。空中に浮かぶ風船、変声スプレー缶などに使用されます。
変声スプレー缶は、声を変えて楽しむためのおもちゃです。変声スプレー缶のヘリウムガスを吸い込むことで、普段よりも高い声を出すことができます。
そして、風船用ヘリウムガスと変声用ヘリウムガスでは、ヘリウムガスの含有量が異なります。
- 【風船用のヘリウムガス】・・・ヘリウムガス100％
- 【変声用のヘリウムガス】・・・ヘリウムガス80％、酸素20％ほどの混合ガス
ガス風船にはヘリウムガスだけですが、変声スプレー缶にはヘリウムガスだけでなく、人間が吸っても大丈夫なように酸素が混ざっています。
ただし、変声スプレー缶には年齢制限があり、安全性を考えて低年齢のお子さんは使えないことが多くあります。たとえば、子供用の変声スプレー缶などは販売されていません。
変声用のヘリウムガスは大人にとって安全でも、子供には危険性があるので注意しましょう。
ヘリウムガスの危険性
日本中毒情報センターには、ヘリウムガスの事故の相談が寄せられています。ヘリウムガスは無毒ですが、吸い込むと呼吸困難になることがあります。変声用のヘリウムガスには酸素が20％ほど混ざっていますが、風船用のヘリウムガスには酸素が含まれないので吸引すると酸欠状態になる可能性があります。
ここでは、ヘリウムガスの危険性についてご紹介します。
ヘリウムガスの吸引リスク
ヘリウムガスをたくさん吸い込むと、肺に酸素が届かなくなって酸欠状態になる恐れがあります。そのため、変声用のヘリウムガスには、人間が吸い込んでも問題がないように酸素が混ざっています。ですが、体の機能や免疫力が未発達な子供の場合、変声用のヘリウムガスでも事故につながる可能性があります。
子供がヘリウムガスを吸引することのリスクは、以下のとおりです。
- 一時的な酸欠状態
- 呼吸困難
- 意識不明
- 顔面蒼白
- 気分不良
- 吐き気
- 脳空気塞栓症
2007年には、風船用のヘリウムガスを吸引した死亡事故も報告されています。また、風船用だけでなく、変声用のヘリウムガスでも子供の事故例が報告されています。
ヘリウムガスの事故例
ヘリウムガスの事故の多くは、子供によるものです。子供がヘリウムガスを吸うことの危険性を知るためにも、ヘリウムガスの事故例を確認しましょう。
ここでは、ヘリウムガスによる子供の事故例をご紹介します。
ヘリウムガスによる子供の事故例
ヘリウムガスの事故は、ヘリウムガスの扱い方を間違えることで起こります。たとえば、風船用のヘリウムガスを吸い込んだり、変声用のヘリウムガスを一気に吸い込んだりしてしまうと事故が起こる原因になります。
風船用のヘリウムガスを吸い込むことは絶対に駄目ですが、変声用のヘリウムガスでも事故が起こることがあります。変声グッズには対象年齢（10歳以上など）が記載されていますが、2015年には12歳の少女がヘリウムガス入りの変声スプレー缶を吸引して病院に搬送されるという事故が起こっています。
このほかにも、ヘリウムガス入りの変声スプレー缶では、7歳の女の子が意識消失したり、8歳の男の子が肺を損傷したりする事故が報告されています。また、風船用のヘリウムガスを吸引した事故例では、高校生の窒息死や3歳児の体調不良などが報告されています。
このような事故を起こさないためにも、ガス風船や変声用グッズを子供に触らせるときは十分気をつけましょう。
ヘリウムガスの注意点
ヘリウムガスは扱い方を間違えると、命にかかわる危険性があります。特に、体が未発達な子供はヘリウムガスを吸引しないように心がけましょう。
ここでは、ヘリウムガスの注意点をご紹介します。
ヘリウムガスの注意ポイント＆NG行動
普段はあまり触れる機会のない「ヘリウムガス」ですが、ガス風船や変声スプレー缶はイベント＆パーティーを盛り上げるグッズとして活用されています。ヘリウムガス入りとは意識していなくても、お子さんがデパートなどで空中に浮かぶ風船をもらったことのある方もいるのではないでしょうか？
ですが、過去にはガス風船の中身を吸い込んで体調不良を起こしたり、窒息死したりするなどの事故も報告されています。大切なお子さんの安全を守るためにも、ヘリウムガスの注意点を確認しておきましょう。
ヘリウムガスの注意ポイントとNG行動は、以下のとおりです。
- 【室内を換気しましょう】・・・風船用のヘリウムガスが室内に充満してしまうと、酸素濃度が下がってしまう恐れがあります。室内で使用する際は密室をさけて、十分に換気しましょう。
- 【安全に保管しましょう】・・・直射日光や火気がある場所にヘリウムガスのボンベを置くと、ガスが噴き出す恐れがあります。40℃以上の高温になりそうな場所はさけて、涼しいところで保管しましょう。
- 【風船用の吸引はやめましょう】・・・風船用のヘリウムガスを吸い込むと、体調不良や窒息などが起こる可能性があります。風船用のヘリウムガスは絶対に吸引しないようにしましょう。
- 【一気に吸い込むのはやめましょう】・・・変声用のヘリウムガスでも、一気に吸い込むと酸欠や意識障害、肺損傷などが起こる可能性があります。ヘリウムガスを一気に吸い込んだり、多量に吸い込んだりすることはやめましょう。
- 【商品の対象年齢を確認しましょう】・・・変声スプレー缶には対象年齢が記載されています。対象年齢に満たない子供には、ヘリウムガスを吸わせないように注意しましょう。
ヘリウムガスは取り扱い方に注意することが大切です。万が一、子供がヘリウムガスを吸い込んで体調を崩したときは、早めに病院を受診しましょう。
ヘリウムガスの吸引は危険性あり！子供に遊ばせるときは気をつけましょう
いかがでしたか？
ヘリウムガスは無味、無臭、無毒の気体ですが、多量に吸い込むことで事故につながる危険性があります。特に、風船用ヘリウムガスの吸引や、商品の対象年齢に満たない子供の吸引には十分注意しましょう。
また、商品の対象年齢を満たしていても扱い方次第では事故が起こる可能性がありますので、体が未発達な小学生のうちは変声スプレー缶を吸引しないほうが安全かもしれません。
もしも、ヘリウムガス入りのおもちゃを子供にあたえるときは、パパ・ママの目が届くところで安全に遊ばせましょう。
