お金の大切さを教えたい!小学生の親ができる5つのポイントとは
「うちの子、どうもお金の大切さがわかっていない…」。不安に感じる小学生の親御さん、多いのではないでしょうか?
買った物を大切にしない、誰かがすぐに買い与える…。祖父母に高額のお小遣いをもらうケースもあり、無理はないのかもしれませんね。
気づいた今がチャンスです!ここでは、お金の大切さを教えるために親ができることを、5つに分けて提案します。ぜひ参考にし、合うものを取り入れてみてくださいね。
日々の生活の中で、お金に感謝し大切に使える心を育ててあげましょう。それが、お子さんの将来の幸せにもつながりますよ!
Contents
教えたい!①お金は何かを得る手段
第一段階。発達段階にもよりますが、主に低学年向けの内容です。お金は何かと取り換えられる、ということを教えます。
レジで支払うのを見せる
クレジットカードや電子マネーをよく使う親御さん、特に意識してほしいところです。まだ仕組みの理解が難しい子どもには、魔法のカードや道具にしか見えません。
現金で買い物をする機会には、支払いの場面を子どもに見てもらいましょう。「お金を払って物が買えるんだね」などと、会話するのもよいですね。
実際に買い物をしてもらう
レジが混んでいない時にオススメです。一緒に買い物に行き、支払いだけを子どもに担当させるのもよいですし、「納豆とヨーグルトは〇〇ちゃんが買ってね」などもよいでしょう。
「お金と物が取り換えられる」ことを、肌身で感じる体験となります。物の値段はそれぞれ違う、ということも学べますね。
実際に支払わせるのはまだ早いかな、というお子さんは、自宅で「お店屋さんごっこ」をするのもよいでしょう。
サービスを得る場合もあることを教える
遊園地で遊ぶ、電車やバスに乗る、外食する…。これらは、物を持ち帰るわけではありませんね。
「お金を払うから遊べる、乗れるのよ」「お金を払って食事ができたんだね」など、物を買うこと以外の使い道についても意識できるようにしましょう。
教えたい!②お金は無限ではない
お金は使えばなくなります。そして都合よくもらえるのではなく、我慢をしなければいけない時もあることを教えます。
ちなみに小学校では、5~6年生の家庭科で、「物やお金の大切さ」「計画的な使い方」「適切に選び、購入すること」を考える指導がなされます。
しかし筆者個人としては、もう少し早い年齢から教えてもよいのかなと思います。
金額を決めて買い物をさせてみる
小学校の授業で行われることもありますが、筆者もお菓子売り場などで実践しています。子どもが欲しい物の方が、より意欲的になり、「我慢」も学べます。
毎月お小遣いをあげる
「お金を管理しながら使うこと」の第一歩となります。月に「学年×100円」が目安とも言われますが、ご家庭それぞれ。周囲のお友達に聞いて、参考にするのもよいでしょう。
お小遣いで何を買わせるのか、親子で決めるのも大事です。たとえば以下の物は、お小遣いで出すのか、親が出すのか。
- 学校で必要な文具類
- 家族での外出時のジュース代
- 友達と遊ぶ際のお菓子代
その範囲によって、お小遣いの金額も変わってくるでしょう。
計画的に使える子もいれば、すぐに使ってしまう子も…。「子どもが自由に使えるお金」の位置づけで渡すお小遣いの場合、翌月になるまで追加で渡すことはやめましょう。
子ども名義の通帳をつくり管理させる
筆者自身が小学3年生の頃、母が郵便局で通帳をつくってくれました。お年玉や祖母からの比較的高額なおこづかいなどを通帳に入れ、必要に応じて母に相談し使っていました。
お金の管理が好きそうなお子さんには、オススメです。通帳の見方、ATMの使い方なども教えると、勉強になりますよね。
たとえ高額でも手元にあるわけではないので、考えてから物を買う流れになりやすいですよ。
お小遣い帳を勧めてみる
「最初だけ喜んでつけたけど、なかなか続かず」という場合もあるでしょうが…楽しみながらつけられるお子さんには、オススメです。
大人の家計簿も同じですが、「いつ」「何に」「いくら」使ったかを後から確認できるのが、最大の効果ですよね。
無駄遣いを極力なくせるようにする
買うだけ買って食べない、使わない。そんなことがありませんか?
このまま食べない、使わない、挙句の果てに処分。…まさに無駄遣いですし、物自体も使命が果たせずかわいそうです。お金は、
- 本当に必要な物やことに使う
- 人が喜ぶことに使う
- 事前にきちんと考えてから使う
ことを教えていきましょう。お小遣い帳をつけている場合、買った物を評価(〇は買ってよかった物、×は買わない方がよかった物、△はどちらとも言えない物)するのもよいですね。
親の価値観を聞くのも勉強
どんな家庭にでも、「これにはお金をかけるけど、これにはかけない」ということがあると思います。その大半は、どれが正しい、どれが間違っている、ということはないのですね。
ただ、価値観を押し付けたり、よそのご家庭の批判をしたりすることはやめましょう。大切なのは、将来お金の使い道を「自分で考えていける」、その力を養うことです。
教えたい!③お金は働いて得られる
宝くじやギャンブルで、ということも現実にあるわけですが、基本は「お金は働いて得るもの」。まず子どもには、そのことを教えてあげましょう。
「働いて得られる」ことを話す
普段の会話の中で、「お父さん・お母さんが仕事をしているからお金がある」という話をしましょう。
親以外でも、子どもが社会で目にする人…たとえばファミレスの店員さんも電車の運転手さんも、みんな仕事をしてお金をもらっています。
「このおもちゃは、お母さんが1時間働いたお給料分!」などと具体的に言う人もいるようです。賛否両論あると思いますが、わかりやすいことは確かですね。
働いているところを子どもに見せる
可能な場合、実際に親が働いているところを見せます。時給制のパートの場合、帰宅後に「あの仕事を9時~13時までして3800円」などと教える人もいます。
「楽しいことも大変なこともある」と会話の中で教えられるとよいですね。専業主婦の方でも、家事代行サービスを利用した時の値段はけっこうなものです。
「親の苦労を見せたくない」「あえて話さなくても…」という考えもあるでしょう。その場合は、その気持ちを尊重してあげてよいと思いますよ。
お手伝いの報酬としてお金をあげる
この方法はわりと聞く話なのですが、メリットとデメリットがあります。メリットは、なんといっても「働いてお金がもらえる」ことを体験できること。
デメリットは、「お金がもらえないなら手伝わない」という考えになりやすいこと。本来お手伝いは、無報酬で思いやりの気持ちなどからやってほしいものです。
そこで提案したいのが、「普段のお手伝いとは別に」やるということ。毎月のお小遣いでは買えない大きな物を欲しがった時などに、よいでしょう。
教えたい!④生活するにはお金が必要
高学年向けの内容です。生活をしていくには、目に見えないお金もたくさんかかっていることを教えます。
自宅の中を見回してみる
改めて見てみると、大人でも気づきがありますが…。自宅にある物や生活をするためには、すべてお金がかかっています。たとえば、
- 電気・ガス・水道代
- 携帯電話やスマホの利用料
- インターネットの接続料や医療費
など、目に見えないものにも、お金はかかっているわけです。
「照明をつけっぱなし」「水が出っぱなし」など、明らかな無駄使いはやめるよう教えましょう。
一人暮らしシミュレーションをする
上記に付随しますが、もし一人暮らしを始めるなら「何が必要か」「お金はいくらぐらい必要か」を考えていきます。楽しみながら取り組めると、よいでしょう。
「思ったよりお金がかかる!」と気づき、「もらえる物やつくれる物はないかな」という発想が生まれるとよいですね。
その次に、毎月かかるお金はどうでしょう?
① 必ず支払う家賃、電気・水道・携帯料金など
② 食費や日用品を買うお金
③ 趣味や洋服などに使うお金
④ 交際費(人とのつき合いで使うお金)
⑤ 貯金
その他、税金や保険などがある場合もありますが、まだ小学生。「働いてお給料をいただき、そのお金で計画的に①~⑤までのやりくりをする」ということまでを学べれば十分でしょう。
でも強く関心があるお子さんには、より発展させてもよいですね。
日々の会話の中で学ばせる
「毎月キツキツ」「お給料日までもたない」…こんなご家庭は、その状況をお子さんの前で口にするだけで、勉強の機会になるとも言えます。
お子さんと一緒に「節約」について考えたり行動したりするのも、よいかもしれませんね。
お金に関する教育を、難しく考える必要はありません。普段の会話の中で、お金にまつわる話をしていけばよいのだと思います。
たとえば、
- 土地にも値段がある
- 物価は地域によって違う
- 詐欺など危険なこともある
など、なんでもよいのです。特に昨今は、防ぎにくい悪質な詐欺も増加。「懸命に働いて得られたお金が一瞬のうちに…」という事例を話すだけでも、違いますよね。
お子さんの疑問に答え、わからない内容は一緒に調べられるとよいでしょう。
マネーセミナーや教材を使ってみる
銀行や図書館、ショッピングモールや住宅展示場のイベントなどで、小学生向けのマネーセミナーが開催される場合があります。
お金の貯め方や使い方、お金のルールなど、お金の大切さを専門家の方に教えていただけるチャンスです。仲間と一緒に学べ、楽しそうですね。
また、「お金の大切さ 教材」でネット検索してみるのも…。面白そうな教材や、教える際のヒントがみつかるかもしれません。
祖父母や家族に協力してもらう
「祖父母がお小遣いをあげる」「パパが何でも買い与えてしまう」…お金や物は簡単に手に入ると思いそうで、心配になりますよね。
だからと言って「もうやめて!」と怒るのは、得策ではありません。どうすればよいか、一緒に考えていきましょう。
まず感謝の気持ちを前提に
祖父母や家族が実際に働いて得たお金で、という場合がほとんどだと思います。まずは感謝。子どもにも「ありがとう」が言えるよう、しつけましょう。
筆者個人としては、そんなに頻繁でなければ問題ないと思います。祖父母や家族の「好意」であり、それを素直に喜んで受け取る姿勢も大事なのではないでしょうか?
もらうと同時に、報告するよう約束させましょう。以下のことも教えてあげられるとよいですね。
- 祖父母や家族が「働いて」得たお金を使っていること
- あなたのことが好きだから、してくれたのだということ
- 使う時に、「感謝」の気持ちを持つこと
ただ、大金をもらった場合、対応を考えた方がよさそうです。
- 親が預かり、必要に応じて使う
- 子ども名義の通帳に入れておく
- 学校で必要な物、習い事などに使う
などは、どうでしょうか?親御さんが使ってしまいたい場合もあるでしょうが、やはりお子さんのために使う方がよいと思います。
問題になる場合とは
祖父母や家族がお小遣いをあげたり物を買い与えたりすることに際し、問題となるのは以下のような点でしょうか。
- 頻度があまりにも多い
- 子どもが勝手に祖父母宅に行き、お小遣いをもらう
- お金や物が欲しい時だけ態度を変える
頻度に関しては、お金のありがたみがわからなくなる恐れが…。物の場合、単純に増える一方で困りますよね。
同居や祖父母宅がすぐ近くの場合、親に内緒で会いに行けます。「ただお小遣いをもらうだけ」「感謝もしない」のでは、なおさら困ります。
思春期・反抗期などで普段は口も聞かないのに、何かが欲しいときだけすり寄る。相手を悲しませ、傷つける行為ですよね。
可愛いお子さんやお孫さんの要求は、「断れない」人もいます。祖父母の場合、
- 単純に、心からお金や物をあげたい
- 断ったら、もう孫が来てくれなくなる気がする
- 孫に「お金がない」と思われたくない
など、さまざまな心理が絡むこともあるでしょう。パパの場合は「思春期の娘と唯一つながれる機会で嬉しい」などという心理も、あるかもしれません。
しかし、ここは協力を得たいところです。直接お子さんに教育をするのも当然なのですが、祖父母や家族にも「協力」してほしいですね。
協力を依頼するには
祖父母や家族に「協力」してもらうためには、相手の気を悪くせずに「説得」する力が必要になります。
① まずは感謝
② 困った事例などを挙げながら説得
③ 提案
という流れが成功しやすいです。例として、
② 「ただ最近、小学校でお金に関する授業があり、どうもお金の大切さがわかっていない発言が多いようなのです。先生からもご指摘がありましたし、私も将来のあの子のために努力したいと思っております。」
③ 「もしよろしければ、おばあちゃんも協力していただけませんか?たとえば、子どもが一人でお邪魔した際には、お小遣いを渡さないでいただけるとありがたいのですが…。」
ここでのポイントは、
- 好意はありがたいという気持ちを伝えている
- 小学校の授業や先生の指摘をきっかけにしている
- 親である自分も努力する姿勢を示している
ことです。もちろん会話は言葉のキャッチボール。相手の反応や言葉に上手く対応しながら、説得・提案を進めましょう。
「お小遣いをあげないでください」だけでは、おばあちゃんは責められた気持ちになってしまうでしょう。
➂の提案としては、状況に応じて回数や金額を減らしてもらい様子をみる。健康な祖父母の場合、お小遣いではなく一緒に買い物に行くのもよいかもしれませんね。
祖父母だけでなく、パパや親戚の方でも同様。①~③に当てはめながら、上手に説得できるとよいですね。
お金は大切にしてくれる人のところに来る
お金にも心があるならば…。やはり自分のことが好きで大切に管理してくれる人のところに、行きたくなります。
全く使わないで貯めこむ、ということではなく、必要なことに感謝の気持ちを持って使える。そんな人のところに、お金は集まると言われています。
もちろん大人になれば「働いて得る」のが前提なのですが、お子さんの豊かな将来のために、少しずつ「お金の大切さ」を意識できるようにしてあげたいですね。
そのためには、私たち「親」も、お金に感謝し大切に使えるよう、努力していきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。