小学3年生前後の反抗期。NG対応と親子で嬉しい接し方、教えます!
小学3年生。「えっ?反抗期?子どもが急に変わってしまった」…そう感じる親御さん、実は多いのではないでしょうか?
戸惑う気持ちがありつつ、でも生意気な口調に思わずヒステリックに!そして後で落ち込む…。筆者も苦労してきました。
ここでは、小学3年生前後の反抗期について、NGな対応法と親子で嬉しい「子どもへの接し方」、反抗軽減のために心がけたいことを、解説します。
子どもへの接し方のヒントをみつけ、早速試してみてください!
小学3年生前後の「中間反抗期」
「中間反抗期」って?特徴や子どもの発達について、簡単に解説します。
小学3年生前後の反抗期とは
「反抗期」と言えば、一般的に2回だと考える人が多いと思います。自我意識の強まる3~4歳時の「第一次反抗期」と、思春期の「第二次反抗期」。
よって、小学3年生前後で反抗的になると驚く!でも大丈夫。「中間反抗期」と呼ばれ、よくあることなのですね。
小学3年生前後の反抗期の特徴
具体的には、どんな様子が見られるのでしょうか。
- 口答えや屁理屈ばかり
- とにかくイライラしている
- 注意や指示を聞かない
- やる気の低下・無気力
- 疲れやすく、ため息が多い
- 泣く・暴れる・キレる
- ワガママや自己主張が多い
- 親と会話したがらない
- 親の世話を拒否する
もちろん個人差が大きく、全部当てはまるわけではないでしょう。程度が軽いと、親御さんが気づかずに過ぎてしまうことも…。
親が子どもにできることは?
文部科学省は、9歳以降の子どもの発達について、主に次のように記しています。
- 自分のことを客観的にとらえられるようになる
- 自己肯定感を持ち始める
- 発達の個人差が大きくなってくる
- 劣等感を持ちやすくなる
- 集団活動に主体的に関与するようになる
また同年代の友達とグループをつくる傾向があり、仲間内でルール・役割をつくり、それを守るようになる年頃です。子どもの頃を思い出すと、うなずける部分がありませんか?
これらのことから予想できるのは、
- 仲間との能力差に敏感になる
- 友達同士の関係に悩むことが増える
- 思うようにならずイライラが増す
すなわち子どもの心の疲れが、一気に大きくなっていることが考えられるのです。
親として努めたいことは、
- 子どもの気持ちを理解できるよう努める
- 子どもの気持ちに寄り添い、思いやりをもつ
- 子どもの自己肯定感(意欲や自信のモト)を高める
ことだと思います。「学校で頑張って疲れているのかな」「子どもにも苦労があるのかも」などの、想像力を働かせること…。
といっても、子どもの態度や言葉に、ついカッとなったりイライラしたり。自己嫌悪に陥る、疲れきる…。親御さんの気持ちもよくわかります。
小学3年生前後の反抗期::NG対応法
「頭ではわかっている!」という親御さんも多いと思いますが、反抗期のNG対応法を5つにまとめてみました。確認していきましょう。
感情的に怒る
ついカッとなり、大声で叱ったり乱暴な言葉で返したり…。気持ちはわかりますが、子どもの反抗的な態度が強まる恐れがあります。
それどころか、子どもが感じることは「親が怒っている」という事実だけ。叱っている内容が頭に入りにくく、意味がありません。
「カッとなっているけれど感情が表に出ない」タイプの親御さんも、いるかもしれませんね。チクリチクリ子どもに嫌みを言ったり、理詰めでやりこめたり…。
命令口調や押さえつける言い方
「小学3年生でこの状態では思春期が思いやられる」…今のうちに厳しく押さえつけようとする親御さんも、いらっしゃるようです。
しかし、効果がないどころか逆効果に。
- 子どもの反抗がますます強まる
- 自己主張を諦め、消極的な性格になる
- 子どもが友達に対して同じような口調になる
そんな可能性があるのです。
無関心・無視
「怒るのは無駄なエネルギー」「もう放置でいいや」…そんな気持ちになる時もあるかもしれません。
反抗期の対応として、あれこれ構いすぎるのもよくありません。たとえ一時的に放っておいても、子どものことをしっかり見守り、必要な時にサポートできればよいとも言えます。
存在の否定・ダメ出し
本当にそのつもりがなくても、つい以下のような言葉が出てしまうこともあるかもしれませんね。
- 「あんたなんかいない方がいい!」
- 「出て行け!一生帰ってこなくていいよ」
- 「お前はダメな奴!この家の子じゃない!」
反抗的な子どもも、まだまだ心は弱く幼い…。上記のような言葉に深く傷つけば、よい作用をもたらすことは決してありません。
また、ただでさえ敏感になってくる「自分と他人の能力」。他の子と比較されてダメ出しされれば、自信や意欲の低下につながります。
我が子だけでなく、「我が子の友人」のことも同様。小学3年生頃からだんだんグループ化し、決まった子と遊ぶことが増えてきます。
見返りの提示
子どもが言うことを聞いてくれないと、親として困る場面が出てきますよね。「今までは聞いてくれていたのに」という場合、なおさらです。
使いすぎは、避けた方が無難です。
親子で嬉しい「子どもへの接し方」
では小学3年生前後の反抗期の子どもに、どのように接したらよいのでしょうか?
筆者の小学校勤務経験や母親としての体験、友人知人の声などから、7つに分けて提案します。
お子さんとのかかわりに少しずつ取り入れれば、反抗的な態度が和らぐかもしれません!
心の中で軽く受け流す
繰り返しになりますが、小学3年生前後の反抗期はよくあること。成長の表れで、むしろ安心してもよいぐらいなのです。
イラっとする言動を真っ向から受け止めず、「まあ仕方ない」と受け流せるとよいですね。それでも子どもの言葉や態度にカッとなりやすい親御さん、
- 深呼吸、もしくは「1、2、3、4、5」と数える
- 心の中で実況中継する
- 何か落ち着く物に目を向ける
などがオススメです。怒りそうになったら、深呼吸や5秒間数えることで、おさまることも多いものです。
筆者の友人は、部屋に好きな男性芸能人の写真を飾り、子どもに怒りそうな時はその写真を見るそう。その友人にとっては、効果的な方法のようです。
癒しのぬいぐるみや、自分の大好きな物でもよいですね。「それを見れば落ち着く」という物があれば、試してみてはいかがでしょうか?
子どもの話をしっかり聞く
次のような時、普段どのように対応していますか?
- 子どもが言うことを聞かない
- 子どもが口答えや自己主張をしてくる
- 何か話しても子どもが無視をする
筆者も我が子相手には、つい頭にきてガツン!なかなか自分を抑えられませんが、まず子どもの気持ちを受け止める努力をしてみませんか?
もちろん、ただやみくもに反抗的な態度をとる場合もあります。しかし何らかの「理由」がある場合も、少なくありません。
- 親の言うことに「疑問」を持っている
- 自分にも意見があり、それを聞いてほしい
- 学校生活の中で、何か悩みがある
そんなふうに感じられた時は、「どうした?」「理由があるのかな?」などと、話を聞いてみましょう。
「別に」などと返されれば、「じゃあ話したいことがある時はいつでも聞くからね」と、優しく一声かけておけるとよいですね。
話を聞く中で、学校生活の中での問題点や悩みがわかることも…。解決したら反抗が軽くなった、という友人の声もあります。
まだ小学3年生前後。
- 上手に説明できず、話がわかりにくい
- 話の途中で、イライラをぶつけてくる
- 主張が明らかに間違っている
そんな場合も多いでしょう。説明や話が上手くなくても、優しくフォローを入れながら聞けるとよいですね。
主張が間違っている場合。すぐに否定せず、ところどころ共感しながら話を聞き、最後に意見を言えるとよいでしょう。
「共感」を交えながらの会話は、相手が気分よく話せることにつながります。お子さん相手だけでなく、どの人間関係でも使える「テクニック」と言えますね。
- 「それ、わかるなぁ」
- 「たしかにそうとも言えるけどね」
- 「そういうこともあるよね」
親御さんの意見の「理由」や「ポイント」をわかりやすく、かつ穏やかに話せるとよいですね。
アイメッセージで伝える
どうしても指示や命令が多くなりがちな親御さん。「アイメッセージ」の習慣をお勧めします。
しかも大好きなお父さんお母さんが「嬉しい」「助かる」のなら、それを叶えてあげよう!…子どもが主体的に動くことにもつながるのです。
他にも、以下のような言い方があります。
- 「そんな言葉遣い、お母さんはとても悲しいよ」
- 「親をバカにする態度、お父さんはがっかりだ」
- 「宿題を早く済ませた方が、得だと思うよ」
筆者も体験済みですが、アイメッセージで伝えることで、子どもの心に言葉が入りやすくなると感じます。かつ自分も穏やかな気持ちに!
ぜひアイメッセージを試して、よい効果をたくさんみつけてみませんか?
一人の大人として接する
筆者の長女は、小学3年生になったとたん反抗的に。比較的言うことを聞いてくれていた小学2年生までが懐かしく、ちょっぴり寂しい気もしました。
戸惑いもありましたが、自我が強くなってきた…大人への一歩です。まだまだ子どもの部分はありますが、体も知識面でも成長してきて、「一人の大人と話している」気持ちになることもあります。
口答えや自己主張されると、「子どものくせに!」とイラっとすることも…。しかし冷静に聞いてみると「なるほど」と思う内容があり、勉強になるのです。
- 「たしかにそうかもしれないね」
- 「それは知らなかったよ」
- 「なるほど、そういう意見もあるよね」
子どもの中間反抗期。親子関係を見直す、よい機会なのかもしれません。
また、明らかに間違った内容の場合は別ですが、素直に「よいかも」と思う時は褒めるようにしています。
「わかりやすく主張できて素晴らしいね」「こんなに自分の意見を言えるようになったのだね!」…。
子どもに決めてもらう
反抗期のお子さんは、自分の意志で行動したい気持ちが強まっている。これは前述の通りです。
指示命令でなく、子どもができることに関しては「自分で考え自分で決める」ようにさせましょう。その方が、子どもの成長や主体的な動きにつながるのです。
- 宿題をやり始める時間
- 宿題の自主学習や日記の内容
- 学校で必要な文具・道具類の選択
適度なスキンシップをとる
ネット上の親御さんの声、筆者の友人知人…。スキンシップを大事にしているという声が、けっこう見られました。
小学3年生だと、まだ8~9歳。小学校で勤務している時も、「甘えたいけど、なんかカッコ悪い!恥ずかしい!」と思っている子どもが多い印象でした。
筆者の長女の担任の先生は、「子どもが頑張った時、子どもを褒める時、ハグしてあげてください」と、よくおっしゃっています。スキンシップはハグ以外にも、
- 頭ポンポン
- 手をつなぐ
- 家の中でおんぶ
などがあるでしょう。筆者の友人は、子どもの足裏マッサージを日課にし始めてから、子どもがよく話をしてくれるようになったと言っていました。
親も「ごめんね」と「ありがとう」
小学3年生前後での反抗は、親側が言い返せないような内容をぶつけてくるお子さんもいるでしょう。それが第一次反抗期との違いですね。
- 「お菓子はダメ」と言うのに、親は食べている
- 「ゲームは1日30分」と言うのに、親は長時間スマホ
- 「無駄遣いはダメ」と言うのに、親は洋服を何着も買う
その他にも、言い方が適切でない、ちょっとした矛盾や間違い…。けれども親も人間。仕方がないですよね。
プライドが高く、謝るのが苦手な人もいると思います。ましてや「自分の子どもに?」と思う親御さんもいるかもしれません。
しかし素直に「ごめんなさい」が言えると、子どもも「ごめんなさい」が言えるよう育つかもしれませんね。
「ありがとう」も、お子さんにたくさん言ってあげてほしいと思います。「ありがとう」や「ありがたい」という言葉は、想像以上によい効果をもたらしてくれるのです。
お子さんを褒めることが「どうも苦手…」という親御さんもいるでしょう。「ありがとう」なら言えませんか?たとえば以下のような内容でもよいと思います。
- 「洗い物をしてくれて助かったよ、ありがとう」
- 「学校の話をしてくれて嬉しかった、ありがとう」
- 「授業参観で頑張る姿を見られてよかった、ありがとう」
反抗が軽くなる!他にも期待できる方法
「体が疲れている」「ストレスが発散できていない」…大人でもむしゃくしゃすることがあると思います。お子さんのそれを取り除けば、反抗の軽減が期待できるかもしれません!
生活習慣を整える
言うことを聞かない子ども相手ですので、難しいかもしれませんが…。睡眠不足や偏った食生活は、お子さんのイライラを大きくさせます。
十分な睡眠に有効なのが
- 朝起きたらカーテンを開ける
- 就寝直前のテレビ・ゲームなどをやめる
- 寝室の環境を整える
ことなどです。起床後に太陽の光を浴びることで、精神安定の働きをもつセロトニンが分泌。平日だけでなく、土日も心がけましょう。
セロトニンは、夜の眠気を誘うメラトニン分泌の材料にもなります。メラトニンは、夜に強い光を浴びると、分泌が妨げられてしまいます。
せめて寝る30分前ぐらいからは、テレビ・PC・ゲーム・スマホなどの画面を見ず、できれば暖色の照明で過ごせるとよいでしょう。
寝室の温度や湿度、寝具などにも気を配れるとよいですね。特に親御さんと寝室が別の場合、一度確認してみるとよいかもしれません。
食生活においては、近年3つの「こしょく」が増えていると言われています。
- 家族それぞれが別の物を食べる「個食」
- 毎日決まった物しか食べない「固食」
- 一人で食べる「孤食」
家族で食事をすると、家族の絆が強まります。なんと子どもの問題行動の確率が減り、学業成績にもよい影響を与えるという報告があるほど。
アレルギーなどでやむを得ない場合を除き、なるべく家族で同じ物を食べ、バランスよく食事できるような工夫ができるとよいでしょう。
外での運動や活動
運動には、ストレス発散の効果があります。大人でも、「運動したらスッキリ」「運動した日はよく眠れる」と感じること、ありませんか?
休日は中高学年の子どもでも楽しめるような公園に連れて行ったり、親子で外出したりもよいですね。
しっかり甘えさせる
精神科医の明橋大二先生は、「愛情」を大切にするなら「甘え」も大切にすべきだと言います。甘えは人への信頼と思いやりを育むのです。大人の世界でも、
- この人には何でも話せて甘えられるな
- 実家で甘えて休んでこよう
- 配偶者に甘えて出かけてこよう
などがあると思います。安心感が生まれたり、「また頑張ろう!」という意欲につながったり…。ストレス軽減や心が満たされる感じもあるでしょう。
「誰にも甘えず頑張っている」親御さんもいると思いますが、時には誰かに甘えたいと思うことも、あるのではないでしょうか?
でも「子どもに甘えさせる」って…?たとえば前述のスキンシップもそうですし、子どもの話を穏やかに聞くことなども当てはまるでしょうか。
子どもがどうしてもできないことを手伝ったり、どうしても我慢できないことを助けたり、ということもありますね。
しかし、「甘やかす」のとは違うので、注意が必要です。
- 子どもが自分でできることまでも「やってあげる」
- 子どもが欲しい物を、何でも買い与える
- 子どもに注意すべき状況でも、全く注意しない
境界線が引きにくい部分もあるでしょうが、これらは「甘やかし」になると思います。
今、この瞬間を…
お子さんの赤ちゃん時代、幼児期、低学年…。それぞれ大変なことも多かったでしょうが、今振り返るとどうですか?
「あの頃はかわいかったな」と思う親御さんも、多いかもしれませんね。
「今」この瞬間は、二度と戻ってきません。10年後は、今のことをどう思っているのかな…?できれば「今」の良い面に目を向けて、極力楽しく過ごしたいものです。
かく言う筆者も、自分に言い聞かせるように書いています…。共に頑張りましょう!