小学校の授業参観の時間。先生は何を思う?親が見るべきポイントは?


小学校の授業参観の時間。子どもの様子はもちろん、先生がどんな授業をするのかも、興味ありますよね。

でも先生も親のことを見たり、何か感じていたりするの?ちょっと気になりませんか?

ここでは、小学校の支援員や特別支援学校の教員経験がある筆者が、先生の目線からの授業参観をお伝え。先生の気持ち、親のNG行動などについて語ります。

合わせて二人の子の母親として、小学校の授業参観で見るべきポイントや、帰宅後の子どもへの接し方についてもお伝えします。

年に何度かの授業参観。さまざまな視点から参観し、存分に楽しみましょう!

小学校の授業参観 先生は何を思う?

小学校の授業参観の時間。先生はどう感じているの?先生側の目線での授業参観、それを踏まえた上での親として気をつけたいことを、お伝えします。

先生から見た親のNG行動

親のNG行動。私語!

「親御さんも含めて話し合ってください」などの展開でない限り、親が話すことはNGです。なぜ?

  • 皆が先生の話を聞き取りにくくなるから
  • 子どもの発表が聞こえにくくなるから
  • 子どもたちの気が散ってしまうから

先生は子どもの学力や技能が身につくよう、授業内容や展開を考えています。親の私語は、迷惑でしかないのです。

しかし親の立場になると、私語をする気持ちもわかる…。特に話しかけられてしまった時は、無視するわけにもいかないですよね。

筆者が親の立場で授業を参観している時、隣にいるママに話しかけられたら

  • 微笑んでうなずくだけ。何も話さない。
  • 最低限の言葉だけ返し、すぐに授業を見る
  • 視線を子どもや先生の方へ向けながら、短く返す

こんな感じで、「話したくない」オーラをあえて出すのです。ただ授業終了後に話しかけるなど、フォローは欠かしません。

「あのママとどうしても話したい!」「久しぶりに会った」…じゃあ廊下で話そうか。これもNGです。

廊下の話し声も、意外と教室まで聞こえるんですよ!特に出入口付近の席のお子さんには、迷惑この上なし。

しかも廊下で1組話していると、2組3組と話す親が増えていくもの。話の内容までわからなくても、ざわざわ感は教室に伝わります。

とにもかくにも、私語はNGです。

その他、NGとまではいかなくても

  • 派手もしくはカジュアルすぎる服装
  • にらみつけるように先生を見る
  • 威圧的な態度で参観

などは、不快感や緊張感を先生に与えやすいですね。

また、休み時間に先生に話しかけるのは、どうしてもの場合以外やめた方が無難。「お世話になっております。」などの一言や挨拶はむしろすべきですが、長い話は迷惑をかけることもあります。なるべく懇談会の際や普段の連絡帳で、伝えるようにしましょう。

先生も緊張している?

もちろん先生によりますが…。経験の浅い先生であればあるほど、その可能性は高いでしょう。

筆者も最初の頃は本当に緊張しました。巡回していた校長先生には「堂々としていた」と言われましたが…。

緊張していないように見えても、緊張している先生もいるということですね。

先生の性格やタイプにもよります。

  • 必要以上に「よく見られたい」と思ってしまう
  • 完璧主義で失敗を許せない
  • 教員の仕事に自信が持てない

こんな先生は緊張しやすいと言えますね。また、状況にもよるでしょう。

  • 何かとクレームを言ってくる親が多い
  • 学級づくりが上手くいっていない
  • 児童との信頼関係が築けていない

などの場合は、比較的緊張しやすいと思います。

いかなる場合でも対応できる優れた先生もいますが、先生も人間。「昨年のクラスは子どもとの関係もよく理想的なクラスをつくれたが、今年はイマイチ」などという場合もあります。

先生も親のことを見ている?

余裕がある先生は、親御さんのことも見ているかもしれませんよ。

もちろん児童のために授業をしていますので、親のことばかりを見ているわけではありません。

じっと見るのではなく、視界の片隅で見る。また瞬間視が優れている先生であれば、ちらっと見ただけでも把握できるもの。

服装や態度にも気をつけておく方が無難です。

  • 不快感を与えない身なり
  • ルールやマナーを守った態度
  • 口角を上げて参観する

授業参観の親の服装。ネットや雑誌では「キレイめで」と言われることが多いですが、デニムなどのカジュアルスタイルが多い地域もありますし、何も気にしない先生もいるものです。

しかし、できればキレイめな服装が無難。カジュアルな場合でも、露出が多いものや穴あきデニムは避けるなど、不快感を与えないような服装を選びましょう。

キレイめな服装の場合でも

  • アクセサリーのつけ過ぎ
  • 香水がきつい
  • 全体的な印象が派手

など、「一体何をしに来たのか…」と思われるような身なりは、やめておきましょうね。

ルールやマナーを守った態度も大切です。前述の私語をしないのはもちろん、リラックスしすぎたような態度で参観するのも考えもの。

写真撮影が禁止なら撮らない。保護者用の名札をつける指示ならつける。事前に配られた授業参観の案内をよく読み、ルールをしっかり守りましょう。

また参観中、悪気はないのに怖い表情になっていまっている人もいます。

小学校の授業時間は、1単位時間=45分の場合が多いですね。特別日課、短縮日課でも、40分間はあるでしょう。

親になってからわかったことですが、内容によっては45分間がすごく長く感じられ、眠くなることも…。45分間きちんと立って参観するのがきつい、などの声も聞かれます。

しかし保護者の怖い表情や眠そうな表情は、先生にとって決して気持ちのよいことではありません。

筆者は口角を上げて参観するようにしています。これだけで、どんなに眠くても不快感を与えない表情になりますよ!

小学校の授業参観 見るべきポイント3つ

小学校の授業参観で何を見る?せっかくの機会。我が子の様子に加え、他のことも見てみませんか?

子どもの態度や様子

授業中の子どもの姿勢は?集中できている?理解できている?…我が子の様子が、もっとも気になる点だと思います。

しかし、授業参観日の児童のテンションは普段とかなり違うもの。低学年になるほどそう言え、朝からハイテンションの子もいます。

実際に親の姿を見て精神状態が変わる子もいますし、異常に興奮する子も…。とにかく自分の親が来てくれるのが、嬉しいのですね!よって、

  • 普段は集中できているのに集中できない
  • 自分の親や他の親をキョロキョロ見てばかり
  • わからないのに手を挙げまくる

などなど、普段とは違う態度ということが、よくあります。

高学年になると比較的落ち着いてはきますが、いつもと比べて悪い態度をする子もいれば、いつもは先生に反抗的なのに落ち着く子も…。

いずれにしても、授業参観での我が子の態度は、参考程度に見ましょうね。

授業の中で、隣の席の子や同じグループの子とかかわる場面があれば、日頃の友達とのかかわりを見られるチャンスです。

我が子はリーダータイプ?おとなしい?協調性は?…家庭で見せる我が子とは違う、意外な一面も見られるかもしれませんね。

もっと友達とのかかわりを見たければ、少し早く行って休み時間の様子を見るのがオススメ!

もちろん、その日のその時間が普段のすべてではありません。たとえ子どもが一人でいても、子ども自身が気にしないのであればよいとも思います。

けれども、

  • 本当は友達と過ごしたいのに過ごせない
  • 休み時間がしんどそう
  • 明らかに仲間外れにされているようだ

こんなことがわかったら、先生に相談したりネットで同じような体験談や対策を参考にしたりするなど、何かしてあげたいところです。

あまり神経質にならず、しばらく様子を見た方がよい場合もあります。しかし明らかないじめや仲間外れなどは、早急に先生に相談しましょう。

先生の授業の進め方

先生は普段どんな授業をしているのだろう…中には自分の小学生時代を思い出しながら見る人も、いるかもしれませんね。

筆者が見ていても、45分間引き込まれる授業もあれば、眠そうな親御さんが多い授業もあります。

小学校の授業参観では、

  • 先生の指導力
  • 先生と子どもたちのやりとり
  • 子どもたちの意欲

などを見られる、貴重な機会でもあります。

筆者の友人。子どもは現在6年生ですが、先生の指導力にかなりの差があったと言っています。

3年生と5年生の特に、子どもが「授業がよくわからない」と言ったので、授業参観時に注意して見てみると…。「これは子どもの言うことも無理ない」と思ったそうです。

このママ友だけでなく、他の親御さんからの同じ意見も複数あったようで…。家庭でフォローする必要性を、強く話していました。

他のママ友の担任の先生は、チャイムが鳴っても授業を終えられず、教頭先生にやめるよう合図され最後はグダグダだったとか。

しかし授業に不慣れでも児童のために一生懸命だったり、児童とのやりとりを見ると子どもたちがイキイキしていたり、という場合もあります。

もちろん

  • 誰が見てもわかりやすい授業
  • メリハリのある授業
  • 児童の目がキラキラしている授業

なども、たくさんあります。

授業参観が普段の授業のすべてではありませんが、先生の指導力や子どもたちの雰囲気を感じられる、よい機会ではありますね。

教室内の掲示物や環境

教室内や廊下の掲示物を貼ったり環境を整えたりするのも、主に担任の先生が行います。

皆が集中して一か所を見ている時に、一人だけキョロキョロは目立ちますが…。できる範囲で教室内や廊下を見てみましょう。

我が子の作品はもちろん、他の子の作品を見ると参考になったり「すごいなぁ」と思ったり。

我が子の絵や文字が他の子に比べて上手でなくても、我が子の作品の中でよい部分を探してみましょう。

また、先生方も十分に気をつけていらっしゃるはずですが、教室内や廊下に危険個所があればチェックできるとよいです。

自分の目だけでは自信がなければ、周りの親御さんにも危険だと思うか聞いてみましょう。同意が得られれば、連絡帳などで伝えてみるとよいと思います。

小学校の授業参観 子どもの帰宅後は?

前述の通り、子どもにとって授業参観は一大事!子どもが授業参観を好きになるか嫌いになるかは、帰宅後の親御さんの接し方も大きく影響する、かもしれません。

とにかく褒めよう

どんなに小さなことでも、褒める部分を見つけて帰ってきましょう!

  • 手を挙げられたね
  • 姿勢がよかったよ
  • 隣の席の友達に優しくできていたね

「褒めるところが見つからない…」そんな場合でも、「頑張っていたね。」と褒めてあげられるとよいでしょう。

動きたくて仕方ない子、授業が苦痛でたまらない子など、45分間座れただけでも子どもにとっては「頑張った」からです。

子どもは褒めてもらえると単純に「嬉しい」です。自信や「また頑張るぞ!」という意欲のモトにも、なっていくのです。

そして次の授業参観も、親御さんが来るのが楽しみになりますよ。次回は今回より、もっと頑張れるかもしれませんね!

注意したいことがあったら?

子どもの至らない点や課題ばかりを探すクセのある親御さんは、いませんか?

  • 手を挙げられず発表できなかった
  • 少し姿勢が乱れた時があった
  • ノートを書く時間が他の子より少し遅かった

完璧主義の親御さんに多いのですが、よほど優秀なお子さんでない限り、課題は探せばいくらでも見つかることも多いもの。

帰宅後の注意は、どうしても言っておきたいことだけに、とどめましょう。

うんと褒めた後に、なるべく最低限「こうできるとよかったね」と言うようにするとよいと思います。

ただ、他の子に比べて目に余る部分が多く、落ち込んで帰宅する親御さんもいるかもしれませんね。

帰宅した子どもに、つい感情的に叱ってしまう。気持ちはわかりますが、これは絶対にやめましょう。

低学年の場合、学年が上がるにつれ改善される場合もあります。筆者自身も低学年の頃は消極的でしたが、4年生頃から積極的に発表できるようになりました。

授業態度の悪さや作業時間の遅さも、子どもにとって「わかっていてもできない」場合もあります。

先生にも注意されることが多いと、悩んでしまう気持ちもわかります。しかし根気強く子どもに伝え続けていき、感情的に叱ることだけは避けましょう。

子どもの気持ちに寄り添いながら、その子のものさしで見ていくようにします。少しでも成長が感じられたら、うんと褒めてあげてほしいと思います。

たった45分でも子どもには大きい

中には仕事をしていて、「たったの40~45分のために半休をとるなんて…」という親御さんもいるかもしれません。

筆者も休みにくい仕事をしていた時期があるので、気持ちはわかります。

あまり感情を表に出さないタイプのお子さんなどの場合、「嬉しくないのなら次は行かなくていいか」と考えてしまうかもしれません。

授業態度もよくない、手も挙げない…。「そんな感じなら仕事に行った方がマシ!」と感じる親御さんも、いるかもしれません。

しかし、子どもはやはり、自分の親が来てくれるのが嬉しいもの。頑張って休みをとった甲斐は、あるのです。

子どもが複数いて行事が多い、発熱など突発の休みが多いなど、どうしても難しい場合もあるでしょう。その場合も「仕事をしているから当然!」ではなく、子どもの気持ちに寄り添った対応をしてあげてほしいと思います。

いろいろなことを見てこよう!

合間の時間や懇談会などは、他の親御さんに挨拶できる機会にもなります。日頃お子さんが仲良くしている友達の親御さんに、一言挨拶しておけると印象がよいでしょう。

せっかく行く授業参観。マナーを守った上で、さまざまな角度から、子どもたちや先生、教室の雰囲気を見てきましょう。

親御さん自身も「ワクワク」「楽しみ~」という気持ちで行くことが、お子さんにとっても嬉しいと思いますよ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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