家で勉強してほしい!子供の「やる気」を引き出す4つの方法
お子さんは、すんなりと家で勉強を始めていますか?
勉強の習慣が小さい頃から付いていると、親が声をかけなくても自分から勉強するようになります。
しかし、そうした習慣が付いていないと、なかなか「やる気」が起きずにダラダラと過ごしてしまいがちです。親の方が焦ってしまいますね。
今回は、こうした勉強の「やる気」が出ない子に対して、どうやって「やる気」を持って動いてもらえるか、探っていきます。
また、親の立場からできることとして、子供が「やる気」を出すための4つの方法をご紹介します。
子供によって、「やる気」を起こすスイッチは違うので、参考にしながら一つずつ試してみてください。
Contents
家での勉強をやる気にさせるにはどうしたらよい?4つの方法
小学校にあがると、宿題や家庭学習を推奨する学校が多く、子供たちは家で勉強する時間を作らなくてはいけません。
しかし、家に帰ってきてリラックスしてしまうと、いまいち「やる気」が起きないことがあります。
これが習慣化してしまうと、家で勉強をする「やる気」がいつまでも起きないということにつながります。
そうなると、親は子供に「勉強しなさい!」と言ってしまいますね。
叱られるのが怖くてイヤイヤ始めた勉強は、子供にとって楽しくありません。
本来、子供は興味があることには、周りが背中を押さなくても自分から学び始めます。
学校の勉強が苦手でも、虫には詳しかったり絵を描くのが上手だったり…と、子供の興味は色々な方向に向いています。
できれば、勉強も自分から興味を持って始めて欲しいですね。
そこで、家での勉強を「やる気」を持って行える方法をみていきましょう。
- 目標をもつこと
- 環境を整えること
- 言葉がけ
- メリハリをつけること
これら4つの方法は、子供の「やる気」を引き出す力になります。
それぞれの方法について、具体的にみていきましょう。
「やる気」アップと継続に欠かせない!【目標を持つこと】
「やる気」を持って勉強をするには、子供に合った目標をしっかりと持つことが大切です。
目標がないと、「ただやっている/やらされている」感覚だけが残り、自分から動く意欲(やる気)がなかなか生まれません。
目標を定めるには、以下の方法を試してみると良いでしょう。
- 心動かす体験をさせる
- ご褒美を用意する
それぞれ、詳しくみていきましょう。
心動かす体験が子供にやる気をもたらす
子供自身が目標をもつと、自分で動くようになります。
そのためには、子供自身が感動できる体験をするのが一番の方法です。
例えば、「子供が憧れている職業の人と話し、その職業に就くにはどうしたらよいのか知る」、「自然体験を重ねる」、「おつかいに行く」、「クイズ番組を見る」などが挙げられます。
一見、共通点がなさそうですが、どれも子供が心を動かす体験になり得るものです。
憧れが強い職業の人から、「毎日の勉強が大切」と聞けば、やる気につながりますし、自然体験では遊びから生まれた疑問を通して学ぶ意欲が高まります。
おつかいではお金の計算が必要になり、算数の大切さを実感します。
また、クイズ番組で同じ小学生の子が豊富な知識をもって解答しているのを見ると、同じように知識を高めようと「やる気」が芽生えます。
このように、子供によって心を動かす体験は異なりますが、「やる気」を持続させるには一番良い方法です。
「警察官になりたいから毎日の宿題は欠かさない」
「花がうまく育たなかったのはなぜ?家庭学習で解明したい」
「おつかいでもっと計算が速くなりたい」
「クイズ番組に出演したい」
など、自分から意欲が溢れてくると、目標が定めやすくなります。
ちょっと難しい言い方をすると、こうして「やる気」を出すことを「内発的動機づけ」と言います。
社会人でも仕事のやる気を出すための方法として知られています。
この「内発的動機づけ」は、「やる気」を長く持続させる特徴があります。
ご褒美を用意する
目標をしっかりと持つために「内発的動機づけ」という方法をご紹介しました。
実は、もう一つ「外発的動機づけ」と呼ばれる方法があります。
それが、「ご褒美」です。
子供にとって目に見えるご褒美はとても嬉しいものです。
「宿題を済ませたらおやつを食べて良い」
「家庭学習が終わったら好きなテレビ番組を見ても良い」
など、勉強が終わったらご褒美をもらえるようにすると、子供の「やる気」が出ます。
ただし、この「外発的動機づけ」とよばれる方法は、長続きしないのが特徴です。
子供が自分の意思で勉強を始めているわけではなく、その先にある「ご褒美」が欲しくてやっているため、「ご褒美」がなければたちまち「やる気」が失われてしまいます。
目標を定めるためには簡単な方法ですが、子供が自分自身で意欲を持って学習ができるようになったら、「ご褒美」はカットして良いでしょう。
集中できる?【環境を整えること】が「やる気」を左右する
家での勉強をやる気を持って行うためには、「環境」も大切な要素です。
子供の勉強スペースの近くで、笑いながら兄弟がアニメを観ていたり、おもちゃで遊んだりしていては、なかなかはかどりません。
ましてや、子供の集中力は途切れやすいものです。
子供に「やる気」を出して欲しいなら、まわりの人が皆で勉強する雰囲気をつくりましょう。
勉強する机の上はすっきりと片付け、集中して取り組める環境を整えます。
低学年のうちは、誰かが近くにいると安心する子が多く、リラックスして勉強ができるので、リビング学習がおすすめです。
小学生の兄弟がいるなら、勉強時間を決めて一緒に取り組んでも良いですね。
風水を取り入れてみよう
風水は環境学と関係が深く、勉強をやる気にさせるための環境作りについて知っておくと参考になります。
風水で勉強運が上がると言われている方法は以下のものがあります。
- 机を北向きにする、もしくは東に置く(入口に背を向けない)
- 観葉植物を置く
- 整理整頓
それぞれみていきましょう。
【机を北向きにする、もしくは東に置く】(入口に背を向けない)
風水で勉強に良いとされる方角は「北」です。
「強く流れる気を取り込めるため」ともいわれますが、太陽の動きを考えると「北向き」が一番落ち着ける場所です。
たとえば、西に机を置くとどうでしょう。
西日が強く当たって、勉強どころではありません。南も同じように、日本では太陽の通り道となるので、太陽の力が強く落ち着けません。
そのため、「北向き」に机を置くと穏やかに集中できるのです。「北向き」が難しければ、「東」でも良いので、一度方角を探って試してみると良いでしょう。
できれば、「入口に背を向けない」ことと、「大きな窓の近くに机を置かない」ことに注意しましょう。
背中側に入口があると、人が出入りする気配で集中力が途切れます。
同じように、窓の近くの机で勉強しようとしても、外の景色が気になって集中できなくなってしまいます。
【観葉植物を置く】
観葉植物があると、リラックス効果が高まり、おしゃれなインテリアとしてお部屋のワンポイントにもなります。
置くだけなので、とても手軽にできる方法です。
「子供と自然」、もっといえば「人間と自然」は切っても切れないつながりを持っています。
自然のパワーを持つ観葉植物は、リラックス効果を高め、勉強に集中して取り組める力をもたらします。
観葉植物の中には、空気を綺麗にしてくれる作用が強い種類があります。病院やホテルのロビーなどでよく見かける「サンスベリア」や「幸福の木」がそうです。
手軽なので、家のリビングに観葉植物を置いたところ、子供がその近くの机で勉強をするようになりました。(学習机があるのにもかかわらず…)
観葉植物の目に見えないパワーを子供が感じ取っているのかも知れません。
【整理整頓】
風水では、「整理整頓」を基本としています。運の巡りをよくするには、風通しのよい空間が大切です。
「やる気」を高めるためには、机まわりや勉強部屋の整理整頓を心がけましょう。
お便りが溜まりっぱなしの机、おもちゃが散乱した部屋……、こんな状況では勉強への「やる気」が起きてこないのは頷けますね。
子供自身が片付けられれば一番ですが、片付けが苦手な子には、一緒に手伝いながら環境を整えていきましょう。
「要るもの」と「要らないもの」、「とっておきたいもの」を入れる箱を用意して、まずは机の上から片付けてみて下さい。
机の上が物置きになってしまっている場合、一週間もしないうちに元通りになってしまうおそれがあるので、物の定位置(片付け場所)を決めて、散らからない工夫をしていきましょう。
片付いた机がキープされれば、勉強の「やる気」を出すだけです。
次の項で、「やる気」を引き出す言葉がけについて、みていきましょう。
勉強に誘うなら何て言う?「やる気」にさせる【言葉がけ】
一日の仕事を終え、ちょっとテレビを観てブレイクタイムのママ。
そんなとき、パパから「早く皿洗って!」と言われたら、ちょっとカチンときませんか。
「やる気」が出ないけれど、渋々やるかもしれません。
子供も同じで、学校で疲れて帰ってきてくつろいでいるときに、ママから「早く勉強しなさい!」と言われたらどうでしょう。
「はい!喜んでやります!」という子はほとんどいないのではないでしょうか。
親は子供が思い通りに動かないとイライラしてしまう傾向があります。しかし、子供は親とは全く別の人間です。
イライラして怒りながらかける言葉は、とげとげしくマイナスイメージが強いものばかりです。
子供に勉強をして欲しいときは、「やる気」が育つ言葉を選んで伝えましょう。
たとえば、勉強をなかなか始めない子には、「早く勉強しなさい!」と強く言うより、「今日は何時に勉強を始める?○○(次の予定)があるから早めにやっておくと良いと思うよ」と、穏やかに伝えます。
○○に入る次の予定は、お風呂でも良いですし、夕飯でもOKです。
時間が分かる子なら、次の予定の時間も伝えておくと、自分で考えながら勉強を始めるきっかけになります。
ポイントは、「感情にまかせて怒らないこと」です。
怒ると命令口調になり、相手の行動を押さえつけます。
つまり、「ママが怒らない日は勉強しない=ママが怒ったら勉強する」、「ママが不在の時は勉強しない=ママがいるときだけ勉強する」といった状況が起きてしまうのです。
ママがニコニコしているときも、不在の時も、習慣的に勉強を続けて欲しいですね。
「やる気」が育つ言葉とは、子供自身が考えて動き出せるメッセージです。
今まで怒りにまかせて子供に投げかけていた言葉を、今日から「やる気」が育つ言葉に置き換えてみませんか?
1「宿題終わったの!?」
→「今日は宿題でてるのかな?」/「いっしょにやろう」
2「いつ勉強始めるの!?」
→「何時にごはんにする?勉強を済ませて一緒に食べよう」
3「ゲームやめて勉強しなさい!」
→「ゲームのプレイ時間が過ぎているよ。時間が守れないなら、明日はゲームできないルールだったね。」
1は、宿題をやること自体忘れている子や、なかなか勉強にとりかからない子へのメッセージです。
2は、なかなか勉強を始めない子に、予定の見通しをたてながら伝えています。
3は、ゲームをなかなかやめられない子に、強制ではなく自分でルールを守るように伝えています。
言葉を置き換えるだけで、相手(子供)の受け止め方は変わってきます。
最近、人間関係を良好に保つために話題の「アドラー心理学」をご存じでしょうか?
この考え方は、教育や子育ての分野でも役立ちます。
「アドラー心理学」では、親子の関係を「横のつながり」でみています。上下関係のある「縦のつながり」だと、親は子供を下に見てしまい、命令口調になりがちです。
命令は子供のやる気を減少させてしまいます。
命令ではなく、子供を信頼する友のような立場で、「勇気づけ」のメッセージを送ることが大切なのです。
【メリハリをつけること】が大事!休憩で集中力を持続しよう
家庭での勉強時間は、「学年×10~15分」が理想と言われています。
しかし、勉強を始めたと思ったら、10分も立たないうちに、集中力が途切れて遊び始める子もいます。
学習内容に興味が無かったり、気がかりな事があったりと、子供によって理由はさまざまです。
●学習内容に興味が無い
→子供といっしょに勉強をする/興味がある物と関連づけて勉強する
●気がかりな事がある
→先に気になることを済ませてしまう
以上のように、子供の様子を見ながら対処法を変えていくことが大切ですが、細かいケアができないときは、子供の集中力が途切れそうな時間に休憩を挟むと良いでしょう。
8分頑張ったら5分休む、また8分頑張ったら5分休む…というように、子供の集中力に合わせて、短時間の休憩を挟んで勉強します。
なんだか忙しく感じますが、タイマーを使って行うと、子供がゲーム感覚で勉強に取り組めるので、おすすめです。
この時間がクリアできたら、勉強時間を8分から10分に、10分から15分に伸ばしていきましょう。
次第に短い休憩時間を挟まなくても集中できるようになっていきます。
親子で始めよう!子供自身が「やる気」を持って行動するために
ここまで、「やる気」を持って勉強するための方法をご紹介してきました。
もう一度おさらいしてみましょう。
●目標をもつこと
・心動かす体験をさせる…「憧れの人との会話」、「自然体験」、「おつかい」、「クイズ番組」など
・ご褒美を用意する…勉強したらご褒美(おやつやテレビなど)
●環境を整える…勉強に取り組みやすい環境を作る
・風水では「机を北向きか東に置く」、「観葉植物を置く」、「整理整頓をする」
●言葉がけ…上から目線の命令口調ではなく、メッセージを送るように言葉を置き換えて伝える
●メリハリをつける…集中が途切れそうな時間に休憩を挟む
子供に行動を起こさせるには、子供自身が「やろう!」という意思を持っていなくては始まりません。
いくら親が怒って子供を机に向かわせたとしても、子供には「やる気」が芽生えるどころか、活力を奪われてしまい、勉強へのマイナスなイメージが付いてしまいます。
子供に「やる気」を起こさせるために、今回ご紹介した4つの方法を少しずつ試してみてはいかがでしょうか。
こちらの記事では、宿題へのやる気が起きない子への対処法をご紹介しています。ここでご紹介した内容とは違った角度からアプローチしているので、気になった方は是非併せてご覧ください。→宿題を始めない子供に困った!「やる気」にさせる5つの方法+α
勉強は、子供に圧力をかけて「させる」のではなく、自分でうごいてもらうように、親子で「一緒にやる」気持ちで取り組んでみましょう。
子供の力を信じて、「やる気」を育てていけると良いですね。