3点で支えて持ってる?えんぴつの正しい持ち方と矯正グッズ


子どもの鉛筆の持ち方、気になっていませんか?

一度、身についてしまった癖は、なかなか直りません。

ちょっと持ち方が変だと感じたら、正しい鉛筆の持ち方と比べてみましょう。

鉛筆が机と垂直になっていたり、握るようにもっていたりするなど、明らかに持ち方が間違っている場合もあります。

また、鉛筆の持ち方によっては、姿勢や爪の形にまで影響してしまうことがあります。

早い段階で発見して、正しい持ち方ができるように、サポートしていくことが大切です。

ここでは、鉛筆の正しい持ち方を確認し、良くない癖がついてしまったときの矯正グッズをご紹介します。

お金をかけずに正しい持ち方へと導くアイテムもあるので、ぜひ試してみて下さい。


どうやって持つのが正解?鉛筆の正しい持ち方

 
鉛筆の正しい持ち方ができていると、座る時の姿勢が美しく、自然と正しい姿勢が出来るようになります。

鉛筆の正しい持ち方を見直してみましょう。

●右利き
・人差し指…指の腹で押し当てるように鉛筆を支える。
・親指…人差し指よりも少し後ろにくるようにして、鉛筆を支える
・中指…指の爪の根元(左側に鉛筆がくるように)を支える
・薬指と小指…中指に沿わせて、小指は軽く紙に触れるようにする

●左利き
・人差し指…指の腹で押し当てるように鉛筆を支える。
・親指…人差し指よりも少し後ろにくるようにして、鉛筆を支える
・中指…指の爪の根元(右側に鉛筆がくるように)を支える
・薬指と小指…中指に沿わせて、小指は軽く机に触れるようにする

右利きと左利きでは、持ち方に変わりはありませんが、中指が当たる位置が変わります。

また、書き始めは小指が紙に触れることが少ないので、机に軽く触れるようにしておくと良いでしょう。

利き手がどちらであっても、鉛筆を支える3つの指の位置がポイントです。

鉛筆を持つときの角度は、60度くらいが目安です。

このとき、主役の指3本の動きで字を書いていると思いがちですが、じつは「小指」と「小指側の手の付け根」も大きな役割を果たしています。

「小指」や「小指側の手の付け根」は、書く紙と直接触れる部分です。

これらが紙や机に軽く触れることによって、ものを書くときの手が支えられ、指をイメージ通りに動かしやすくなるのです。

持つときは力加減に注意しよう

鉛筆をそれぞれの指で支えて持ったら、あまり力を入れすぎないように気をつけます。

座学の授業が続いて、長いこと鉛筆で字を書いていると、力を入れすぎた指が痛くなってきます。

力を込めすぎず、ペンが抜け落ちない程度の力で支えるのがコツです。

力加減がどの程度かは、ノートを開いて、子どもが書いた字を見てみると、よくわかります。

力みすぎた字は、筆圧が高くなり、ノートに書いた字が凹んで見えます。

あまり頑張って強く握りすぎると、指が疲れてしまい、勉強に集中できなくなってしまうこともあります。

それほど力を入れなくても書けることを伝え、持ち方を間違えている場合は、正しく持てるようにアドバイスしてあげましょう。

持ち方が違う!鉛筆の持ち方を矯正するには

 
鉛筆の持ち方を間違えている子は意外と多くいます。支える指が違うと、間違った持ち方になってしまうので、気をつけましょう。

間違った持ち方は悪影響を及ぼすきっかけに

3本の指で軽く持つ正しい持ち方と異なり、子ども自身が書きやすいと感じて続けている間違った持ち方があります。

例えば、以下のような持ち方があげられます。

●間違った持ち方の例
1 支える指が親指、中指、薬指の3本になっている
2 支える指が親指、人差し指&中指、薬指の4本で支えている
3 支点の一つに親指の付け根がきている

1と2の持ち方は、本来中指で鉛筆を支えるはずのところを、薬指で支えている状態です。

本来の持ち方では力の調節がうまくできていないと、薬指を支えることで安定感が出たように感じてしまいます。

3の持ち方は、鉛筆を握り込む形となり、書いている字が見えにくくなります。そのため、書いている部分をのぞき込む姿勢になってしまい、姿勢が悪くなりがちです。

鉛筆の持ち方が姿勢の悪さにつながり、疲れやすさの誘因となってしまいます。

文部科学省が2,739名の小学生~大人を対象に行った調査では、鉛筆を正しく持てる小・中・高生は1割以下という結果が出ました。

学年や年齢が上がるにつれ、正しく持てる割合が増加するわけではなく、間違った持ち方のまま定着してしまったと考えられます。

そのため、持ち始めの段階で、しっかりと正しい持ち方を身につけることが大切です。

正しく持つための矯正グッズ

何もせず鉛筆だけを持たせていると、子ども自身が「書きやすい」と思った持ち方で定着してしまいます。

それが、正しい持ち方なら良いのですが、そうとは限りません。

「正しく持ってみよう」という声かけで直らなければ、便利な矯正グッズを試してみましょう。

【くもん出版 くもんのこどもえんぴつ専用 もちかたサポーター】
知育玩具やドリル、児童書など数々の学習用品を販売している「くもん出版」では、初めて鉛筆を持つ子どもでも正しく鉛筆が握れるサポーターを販売しています。

2個入り280円(税別)で、ウサギと車の形のサポーターが入っています。

使い方はとても簡単です。

《使い方》
1 穴に鉛筆を通す。
2 人差し指をサポーターの間に入れる。
3 両サイドにある星のマークをそれぞれ親指と中指がくるように持つ。

サポーターがあると、指の位置が正しく固定されるので、自然と正しい持ち方が身につきます。

ただし、こちらのサポーターは、専用の鉛筆が必要なので注意して下さい。

専用のえんぴつではないものは、太さが違うためサポーターが安定せず、ずり落ちてしまいます。

サポーターに合う鉛筆は、「くもんのこどもえんぴつ」シリーズで、以下の種類があります。

くもんのこどもえんぴつ6B…2~4歳対象 420円(税別)
くもんのこどもえんぴつ4B…3~5歳対象 420円(税別)
くもんのこどもえんぴつ2B…4~6歳対象 420円(税別)
くもんのこどもいろえんぴつ…2歳~ 480円(税別)

6Bや4Bは対象年齢に合わせて短めに作られているので、小学生には長さのちょうど良い2Bのこどもえんぴつをお勧めします。

通常の鉛筆とは太さが違うため、専用の鉛筆削り「くもんのこどもえんぴつけずり200円(税別)」も必要です。

購入する際は、以下の3点をセットで購入するようにしましょう。

  • くもんのこどもえんぴつ専用 もちかたサポーター 280円(税別)
  • くもんのこどもえんぴつ2B 420円(税別)
  • くもんのこどもえんぴつけずり 200円(税別)

すべて揃えると900円(税別)となります。

【トンボ鉛筆 Yo-i もちかたくんはじめてセット】
トンボ鉛筆では、正しい指の持ち方を覚えるためのサポーター(もちかたくん)と持ち方を補助するサポーター(入門タイプ)の2個入りで矯正グッズを販売しています。

《使い方》
もちかたくん
1 「もちかたくん」を鉛筆に差し込む
2 親指と人差し指で「もちかたくん」をつまむように持つ
3 中指を添える
4 人差し指を鉛筆に沿わせて60度の角度で持つ

入門タイプ
1 削った部分から1.5㎝上に「入門タイプ」をつける
2 人差し指と中指の第一関節で、「入門タイプ」のハネの部分を挟む
3 親指を軽く添える

「もちかたくん」と「入門タイプ」は、どちらも鉛筆に一緒に差し込んで使うことができます。

三角軸、六角軸、丸軸のどの軸の形状でも取り付けられるので、便利です。

右手用と左手用があるので、購入の際は注意して下さい。

価格は350円(税別)です。

あまりお金を掛けずに持ち方を直したい…と考えているなら、家にあるものを使って矯正する方法もあります。

【ダブルクリップ】
書類を挟む文房具としてお馴染みの「ダブルクリップ」が、鉛筆の持ち方矯正にも役立ちます。

黒い板バネとワイヤーがついた形で、さまざまなサイズがあります。

装着方法は、ダブルクリップで鉛筆の持つ部分を挟むだけです。大きすぎるとすり抜けてしまうので、小さめのダブルクリップを用意しましょう。

幅19㎜のダブルクリップで対応できます。

《使い方》
1 ダブルクリップで鉛筆の持つ部分を挟む
2 人差し指をワイヤーとワイヤーの間に入れ、クリップの背の部分にのせる
3 親指と中指はワイヤーの根元部分に添える

【洗濯ばさみ】
家庭にあるものとして、「洗濯ばさみ」を活用する方法もあります。

装着方法は、V字のプラスチックタイプの洗濯ばさみを持ち手部分に挟むだけです。

お金をかけたくないし、ダブルクリップがない…というときに、試してみてはいかがでしょうか。

《使い方》
1 洗濯ばさみを鉛筆の芯部分から4~5㎝離して挟む
2 V字の真ん中に人差し指を入れる
3 人差し指のサイドに親指と中指を添える

この方法で、親指、人差し指、中指の3点を正しく使って鉛筆を持つことができます。

ただ、幼児や小学校低学年の場合、手が小さいので洗濯ばさみの円形のワイヤーが邪魔してしまい、うまく持てません。

この方法は、小学校高学年から向いています。

【輪ゴム】
家庭にあるものを使う方法として、輪ゴムを使う方法もあります。

ヘアゴムなどの太さのあるものではなく、天然ゴムを使った輪ゴムを使用します。黄土色の輪ゴムは工作などでも活躍していますね。

《使い方》
1 輪ゴムを二重か三重にして、小さな円を作る
2 中指の爪の根元まで輪ゴムを通す(キツかったらゆるくして調整する)
3 鉛筆の正しい持ち方ができるように、中指の隣に鉛筆を差し込む
4 鉛筆の芯から3~4㎝のあたりまで差し込んだら、親指と人差し指を添えて鉛筆を持つ

このように、輪ゴム1本でも持ち方を矯正することができます。

小学校低学年までは、輪ゴムで遊んでしまう事があり、集中力が途切れる原因ともなるので様子を見て使ってみて下さい。

他の矯正グッズは、支点となる3本の指が定位置にくる形になっていますが、輪ゴムは中指と鉛筆を固定させるだけです。

どの矯正グッズが子どもに合っているかは、試してみないとわかりません。

身近なものから試して、それでも直らなければサポーターを使うなど、最適な方法を探ってみましょう。

鉛筆の持ち方を直すのは本人の意思が必要

「子どもの鉛筆の持ち方を直したい」と思っていても、子ども本人に直す意欲がなければ、なかなかうまくいきません。

意欲が持てるように、声かけしたり意識づけさせたりして、直す意欲を上手に引き出して上げましょう。

こちらの記事では、鉛筆の正しい持ち方の教え方をご紹介しています。

鉛筆の持ち方を教えるには→子どもの鉛筆の持ち方が変!定着しやすい正しい教え方

気づいたときに早めに正しい持ち方にしよう

小学校にあがると、子どもが自宅で字を書いている姿を見ることが少なくなります。

宿題を見てあげる低学年や、リビング学習をしている子どもは観察しやすいかもしれません。

字を書くときの持ち方の癖は、早い段階で直すことが大切です。

持ち方の癖が姿勢に影響して、猫背になってしまうことや、筆圧の強さが影響して、爪が変形してしまうこともあります。

気になったときに、子どもが字を書いている姿を観察してみましょう。

もし、間違った持ち方をしていれば、それが直し時です。

先にご紹介した矯正グッズを使うのも一つの手ですが、子どもが使っている鉛筆の形を変えてみるという手もあります。

付いてしまった癖を鉛筆の形だけで直すのは難しいですが、直したい意欲のある子どもにはピッタリです。

学年によって、使いやすい鉛筆を見ていきましょう。

学年で見極め!使いやすい鉛筆はどれ?

学年別に使いやすい鉛筆を「形」と「濃さ」の面からまとめました。

年齢が低いうちは、3本の指で鉛筆を支えられるように三角鉛筆を使うのがお勧めです。

学校に上がってからも、丸い形ではなく三角や六角の方が、授業中に転がりにくくてお勧めです。

濃さは、年齢が低いほど書く力が弱いので、芯がやわらかく濃さの出る鉛筆を使って練習します。

濃さ
幼児 三角 6B~2B
小学校低学年 三角 2B~B
小学校中学年 三角、六角 B~HB
小学校高学年 六角 HB
中学生 六角 HB

子どもの筆圧に合わせて、鉛筆の濃さは調整していくと良いでしょう。

こちらの記事では、鉛筆の濃さについて詳しくご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。→鉛筆の濃さは17種類もある!小学校で使うのはどれがいい?

上手に意識づけして、正しく持たせよう!

自分の鉛筆の持ち方と比べてみて、いかがでしたか?

親の世代でも、鉛筆を間違って持っている人は多いようです。自分の持ち方や子どもの持ち方をじっくりと観察して、正しく持てるように練習してください。

正しい鉛筆の持ち方をおさらいしましょう。

・人差し指…指の腹で押し当てるように鉛筆を支える。
・親指…人差し指よりも少し後ろにくるようにして、鉛筆を支える
・中指…指の爪の根元(左側に鉛筆がくるように)を支える
・薬指と小指…中指に沿わせて、小指は軽く紙に触れるようにする

正しく出来ていなければ、癖を直すために本人の意識づけが大切です。

その上で、今回ご紹介した以下の矯正グッズを取り入れてみましょう。

  • くもんのこどもえんぴつ専用 もちかたサポーター
  • ダブルクリップ
  • 洗濯ばさみ
  • 輪ゴム

鉛筆の形や濃さを見直すことも視野に入れ、子どもに合った方法を見つけて下さい。

正しく鉛筆が持てるようになるといいですね。

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