バイオリンの習い事で必要な物。子供の頃から習い始めるメリット


我が子にバイオリンの習い事をさせたいと考えても、親御さん自身に経験が無いと最初の一歩がなかなか踏み出せないのでは無いでしょうか。同じ音楽でもピアノなら周りに割りといますが、バイオリンを習い事にしている子ってなかなかいませんよね。

習い事にバイオリンと言えば、昔からお金持ちの子供がやっているというイメージです。楽器も相当高そうな感じですし、バイオリンの習い事なら高額な月謝が発生する事も考えられます。

では、実際のところ、子供の習い事でバイオリンをさせた場合、楽器や月謝、その他に掛かる費用にはどんなものがあるのでしょうか。バイオリンを習い事にした場合のメリットについても詳しくご紹介していきます。

バイオリンを習い事にした場合に必要なもの

バイオリンを習い事にすると、当然の事ですがバイオリンを買わなくてはなりません。でもバイオリンを習い事にするとそれ以外にも必要なものがあるのです。子供にバイオリンの習い事をさせる場合、どのようなものが必要になるのかご紹介していきますので参考にしてください。

体の大きさに合わせたバイオリン本体

子供のバイオリンは体の大きさに合わせたサイズのものを用意する必要があります。

バイオリンに顎を乗せて左腕を伸ばし、バイオリンの先が左の手のひらで包み込む事ができ、更に肘にほんの少し曲げる余裕があるサイズがちょうど良い大きさです。この子供用のバイオリンを「分数バイオリン」と言います。

バイオリンの習い事は2歳頃から始める事ができ、一番小さい分数バイオリンで1/32サイズ、それ以降大人のフルサイズの4/4までは1/16、1/10、1/8、1/4、1/2、3/4と7種類の分数バイオリンがあるのです。

バイオリン本体には駒と四本の弦がセットになっています。分数バイオリンの価格は子供用と言えども様々です。驚くほど高額なバイオリンから1万円もせずに購入できるものまであります。

バイオリン本体と一緒に、体の大きさや腕の長さに合わせた弓を用意する必要があります。バイオリンの弓は馬の毛が使われており、松脂を塗って初めて音を出す事ができるのです。

子供の習い事でバイオリンを始めるのであれば、別売りの弓を購入しなくてもバイオリンとセットになっている弓で十分でしょう。弓にも分数バイオリンと同じように大きさが分かれています。

分数バイオリンの大きさを決める際も腕の長さで決めるので、バイオリンの大きさに合わせた弓でちょうど良いはずです。

バイオリンケース

バイオリンの習い事では、自分のバイオリンを持って教室まで行かなくてはなりません。その時はバイオリン用のハードケースに入れて持ち歩く事になります。また、自宅に置いておく際も、バイオリンを保護するためにケースにしまっておく必要があるのです。

子供用のケースは黒いひょうたん型が多い様です。肩に掛ける事ができるタイプや、カラーもたくさんあります。

バイオリンセットなら改めて購入する必要はありませんが、おしゃれなケースもたくさんあるという事を覚えておいてください。

肩当て

バイオリンを顎と鎖骨の間で挟んで支える際に必要なのが肩当てです。プロの奏者で肩当て無しで演奏している人もいますが、基本的にバイオリンの習い事では肩当てを使わせる教室が多いでしょう。

肩当てはバイオリンの音の響きに影響が出るものなので、上級者になると拘りが出てきますが、これから習い事でバイオリンを始めようというお子さんの場合は、プラスチック製のブリッジタイプが安価なのでおすすめです。

肩当てに関しては、バイオリンのサイズが変わる度にいちいち買い替える必要はありません。対応できる分数バイオリンのサイズが幅広いものもあるので、これから購入するバイオリンの大きさによってできるだけ長く使えるものを選んでください。

松脂

「松脂(まつやに)」が無ければバイオリンを奏でる事はできません。バイオリンの習い事に行く時も、絶対に持って行かなくてはならないものです。

松脂は一度買うと相当長い間持ちますが、落とすと直ぐに割れてしまうので取り扱いに注意が必要となります。割れても使えますが、大人でも使いづらいです。お子さんが使う場合は、割れたら買い替えが必要になるかもしれません。

譜面台

自宅でバイオリンの練習をする際には、必ず譜面台に楽譜を置いて練習します。まだ曲を弾く事ができない初心者でも、音符を見ながらリズムを取る練習をするのです。

バイオリンの練習用の楽譜の中には、分厚い本も多いのであまり安価な譜面台だとすぐに壊れてしまう可能性があります。

譜面台はバイオリンの習い事を始めたらすぐに使い始めるものです。楽譜も読めないのにとは思わずに、最初から用意しておきましょう。

メトロノーム

メトロノームとは、正確な拍子を取るためには欠かせないものです。バイオリンの習い事には欠かす事ができません。

メトロノームの拍子に合わせて練習すると正確なリズムを取れるので、バイオリンの練習には欠かせないアイテムです。

また、曲の速さもメトロノームの数値で楽譜に表示されています。バイオリンは楽譜通りの正しいリズムで奏でる練習をするので、メトロノームを使っての練習は必須となるのです。

チューナー

家にピアノが無い場合チューナーが必要になります。開放弦(指で押さえていない状態)でバイオリンは音合わせをしますが、チューナーがあれば音が合っているかすぐに見て分かるのです。

バイオリンは基本的にA線の音を合わす事ができれば、他の3本の弦もそれを基にして音合わせをする事ができます。A線の弦が一番重要で、その弦の音が合っていないと全ての弦の音が狂ってしまうのです。

習い事でバイオリンを始めるのであればチューナーか、それに代わるものが絶対に必要になります。最近はスマホのアプリでバイオリンのチューナーをダウンロードしている人も多い様です。

ちなみに、家にピアノがある場合でも調律されていなければ意味がありません。自宅のピアノの音に自信が無ければ、チューナーを用意する必要があるでしょう。

バイオリンの習い事を子供の頃から始めるメリット

バイオリンの習い事を始めるに当たり、たくさん揃えなくてはならない物があって少し気持ちが萎えてしまったかもしれませんね。けれども、子供の頃からバイオリンの習い事を始めると、大人になってから始めるよりもたくさんのメリットがあるのです。

今、活躍している有名なバイオリニスト達の殆どが、バイオリンの習い事を子供の頃から始めています。

ここでは子供の頃からバイオリンの習い事を始めるメリットについて、詳しくご紹介していきますしょう。

耳が育つ

バイオリンを習い事で始めると、最初のうちは開放弦(指で押さえない状態)だけで綺麗な音を出す練習をしていきます。透き通るような音が出せるようになると、少しずつ指を使って音を出し、「きらきら星」などの簡単な曲を弾けるように練習するのです。

バイオリンのような弦楽器は叩けば正確な音が出る楽器では無く、指で弦を押さえて音を出していくので、微妙に指の位置が違っても音が外れてしまいます。子供の頃からバイオリンの習い事をしていると、そのちょっとした音のずれを何度も修復しながら練習していくので、とても耳が育つのです。

抵抗無く色々な音楽に親しめる

バイオリンは、一般的にクラシック音楽を奏でる楽器として認識されていますよね。確かにバイオリンを習い事にすると、いずれはクラシック音楽の曲を練習するようになります。バイオリン教室の発表会などで演奏される曲もクラシック音楽が多いので、自然とクラシック音楽に慣れ親しんでいくでしょう。

クラシック音楽に慣れ親しむと、他のジャンルの音楽にも抵抗が無くなります。それもそのはず、クラシック音楽は一番苦手意識を持たれやすいですよね。

ロックやジャズなど、クラシック音楽とは真逆のイメージである分野のミュージシャンも、子供の頃はクラシック音楽を習い事にしていたという人が意外に多いのです。

バイオリンを子供の頃から習い事にしていると、色々なジャンルの音楽にも興味が出てきます。バイオリン以外の楽器にも興味を示すようになり、大人になってからも趣味が広がるのです。

集中力や忍耐力がつく

バイオリンの習い事では、教室に行った時だけバイオリンを弾くという訳にはいきません。次回のレッスンまでに、先生から出された宿題の様な練習内容を毎日家で行わなければいけないのです。

バイオリンは毎日コツコツ練習を重ねていき、自分で上達していかなくてはなりません。

レッスンでは先生から更に上達できるように指導され、アドバイスを受けます。毎日の自宅練習が無ければ、どんなにバイオリンの習い事に何年も通っても上手く弾けるようにはなりません。

子供の頃から習い事にバイオリンを始めると、毎日の練習のお陰で集中力や忍耐力が養われます。子供の頃は一人での練習はできないので、親御さんとの二人三脚での練習になるでしょう。

最低でも1時間は練習時間を取らなければならないので、子供にしてみれば長時間の集中力や忍耐力が必要となります。慣れるまでは大変かもしれませんが、これが一度身に着けば一生の宝になるのは言うまでもありませんね。

脳の発達を促す

バイオリンの習い事を始め楽器の習い事全般に言える事ですが、子供の頃から始めていると脳の発達にとても良い影響があると言われています。

バイオリンは楽譜を見て指を動かし、音を聴きながら体を使って演奏する楽器です。全身をフルに使って奏でる楽器がバイオリンなので、脳の発達が促される効果があります。

子供の頃に脳をたくさん働かせておくのは、将来的にも良い影響ばかりであるというのはお分かりですよね。思考力、判断力、会話力などにも影響して来るので、子供の頃に楽器の演奏、バイオリンの習い事は大人になってから役立つ事がたくさん得られるとも言えるでしょう。

バイオリンの習い事を始める前に

お子さんにバイオリンの習い事をさせる前に、いま一度確認しておきたい点があります。楽器やその他のものを揃えてしまってから、こんなはずでは無かったと後悔しても遅いからです。

ここでは、バイオリンの習い事を始める前に知っておいていただきたい事について触れていきます。バイオリンの習い事は、やりたいという気持ちだけでなく親御さんの理解が必須です。

レッスンと練習は親がつきっきり

バイオリンの習い事は、親御さんとの二人三脚の時期がとても長くなります。毎日の練習や毎回のレッスンも、お子さんと一緒です。年齢が低ければ低いほど、手も掛かるし時間も掛かるでしょう。

レッスンに一緒に行った際も、親御さんはただ黙ってレッスンを見ていれば良いという訳ではありません。先生から言われた事を細かくメモを取り、自宅での練習で教えなくてはなりません。

バイオリンの習い事ではレッスン中に先生からの注意点はたくさんあるので、一つひとつメモを取るのは親御さんの役目になります。お子さんが小さいうちは仕方ないとは言え、バイオリンの習い事では小学生の高学年になっても、中学生になっても親御さんがレッスンや練習につきっきりという事も珍しくありません。

バイオリンの習い事では親御さんの負担も大きくなってしまいますが、親子の絆が深まる習い事であるとも言えます。もちろん親御さんが楽譜を読む事ができなかったり、音楽を習った事が無いという場合でもお子さんへのフォローはできるので安心してください。

教室選びは先生選び

バイオリンの習い事をする際に、教室選びは慎重に行いたいところです。バイオリンの習い事は大手の教室か個人の教室のどちらかを選ぶ事が多いでしょう。それぞれに特徴があり、大手の教室ではグループレッスンを行っている場合もあります。

お子さんの性格や、バイオリンを何のために続けていくのかによって教室選びは変わってきます。また、バイオリンの習い事では先生との相性もあるので、教室選びイコール先生選びだと思っていただいて結構です。

バイオリンの習い事では、先生によって上達の仕方が変わります。但し、教え方の上手なベテランの先生はそれなりに厳しい先生が多いという事も覚悟しなくてはなりません。将来、音大へ進学させたいと考えてバイオリンの習い事をさせている親御さんが多いので、先生も真剣です。

バイオリンの習い事では、先生が合わないからといって簡単に教室を変えるのはおすすめできません。ネットで調べたり、グループレッスンであれば実際にレッスンを見せてもらうなどして慎重に探す必要があります。

バイオリンの発表会について

教室によっては開催していない場合もありますが、バイオリンの習い事では大体年に一度発表会が開催されます。

子供にとっては、同じ教室でレッスンを受けている生徒さんの演奏を聴く事ができる絶好の機会であり、また、自分の成長を確かめる場にもなるので楽しみにしている子も多いのでは無いでしょうか。

但し、バイオリンの発表会に出るには費用が掛かります。先生の自宅で行われる場合もありますが、会場を借りてと開催される場合には会費を払うのが一般的です。更に、ピアノの伴奏を頼むとなれば、ピアノの先生への謝礼も出さなければいけません。

また、発表会用の洋服や靴なども用意する必要があります。一年に一度の行事なので、お母さん達が気合いを入れて用意する教室もあるでしょう。教室によってどのくらいの費用が掛かるのかはそれぞれですが、教室選びの際には発表会についても尋ねてみても良いかもしれません。

バイオリンの習い事で得られるもの

バイオリンの習い事を始めるには、最低限用意しなければならないものと言っても結構色々必要です。但し、セットになって販売されているものもあるので、色々な楽器店へ行って比較してみましょう。

ネット通販でも数多く見る事ができますが、子供のバイオリンは実際に店頭へ行き大きさも確認して選んだ方がおすすめです。

バイオリンの習い事は親子二人三脚で練習していく必要があり、最初のうちは大変だと感じるかもしれません。でも、バイオリンの習い事を続けていたからこそ得られるものもとても多く、将来決して無駄にならないでしょう。
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