小学生の作文で困った!よく使う2種類の「かぎかっこ」の使い方
お子さんが、作文をうまく書けなくて困っていませんか?
もしかしたら、作文を書くときの決まりがしっかりと身についていないのかも知れません。
ここでは、そうした決まりの一つとして、良く使われる「かぎかっこ」の使い方についてみていきましょう。
作文や感想文を書くときは、たいてい20マス×20マスの400字詰め原稿用紙が使われます。
マスの中にどのように「かぎかっこ」を入れたら良いのか知っておくと、表現の幅が広がります。
普段から馴染みのあるかぎかっこ(「 」)と、特別な時に使う二重かぎかっこ(『 』)の使い方を例文とともにご紹介します。
決まりを身につければ、書くのは簡単です。お子さんが困った時、一緒に確認してみて下さい。
Contents
どんなときに使うの?かぎかっこの正しい使い方
原稿用紙に会話文を書くときなどに、かぎかっこ(「 」)が使われます。
他にも、二重かぎかっこ(『 』)というかぎかっこもあります。
かぎかっこは句読点と同じように、小学校1年生から正しく使えるように使い方を知っておくことが大切です。
これらのかぎかっこはどのようなときに使われるのでしょうか?
かぎかっこと二重かぎかっこの使われ方を確認しよう!
かぎかっこと二重かぎかっこは、以下のように使われることが多いです。
・二重かぎかっこ…かぎかっこの中で、かぎかっこを使うとき、出典をあらわすとき
このように、似たようなかぎかっこでも使われ方が少し違います。
それぞれ、どのような書き方で使うと良いのか見ていきましょう。
かぎかっこ(「 」)を使う時の3つのルールと注意点
作文の中でよく使われるのが、かぎかっこ(「 」)です。
かぎかっこを文中で用いる場合は、主に3つのルールがあります。
- 会話文で使う
- 会話文の終わりにくる句点(。)とかぎかっこ(」)は1マスに入れる
- 会話文の書き始めは行を変える
それぞれ、例文をもとに確認していきましょう。
たとえば、『3時になり、「おやつの時間よ。」とお母さんが言いました。それで、ぼくは階段をかけおりました。』という文章を書くとしたら、以下のようになります。
「おやつの時間よ。」
と、お母さんが言いました。
それで、ぼくは階段をかけおりました。
このとき、会話文の終わりにくる句点(。)とかぎかっこ(」)は、原稿用紙の1マス分に一緒に入れます。
また、会話文の書き始めは改行し、会話文の次にくる文章も改行して書き始めます。
こうしたルールのほかに、以下の場合における注意点があります。
- 会話文が2行以上になる場合
- 会話文が連続する場合
- 引用文を書く場合
それぞれ詳しくみていきましょう。
注意!会話文が2行以上になる場合
さきほど、会話文が1行の場合を取り上げましたが、2行以上の会話文の場合はどうやって書いたら良いのでしょう。
例文を挙げて見ていきましょう。
たとえば、『「あしたは遊園地にいくから、敷きものの用意をしてね。お弁当はママが腕によりを掛けて作るわ。飲み物の担当はパパにお願いね。」と、ママは張り切って言った。』という文章を400字詰め原稿用紙に書くとしたら、以下のようになります。
意をしてね。お弁当はママが腕によりを掛け
て作るわ。飲み物の担当はパパにお願いね。」
と、ママは張り切って言った。
ここで、注目したいのは、会話文の2~3行目です。
会話文が続く2~3行目の一番上は、見やすさの点から1マス空けることがあります。空けても空けなくてもどちらでも良いので、自分が見やすいと思った書き方を選びましょう。
もし、1マス空けるとしたら、以下のようになります。
□意をしてね。お弁当はママが腕によりを掛
□けて作るわ。飲み物の担当はパパにお願い
□ね。」
と、ママは張り切って言った。
※文中の□は空欄のマスを表しています。
会話文が長いときは、次の行の1マスを空けて書くと、行が揃って読みやすい印象を受けます。
ただし、どちらか決めかねるとき、文章が以下のようになった場合は1マス空けない方が無難です。
- 会話文の2行目を1マス空けたことで、会話文が次の行に飛んでしまう
- 会話文の2行目を1マス空けたことで、終わりの句点とかぎかっこがマスからはみ出る
次に、会話文が連続する場合の注意点をみていきましょう。
注意!会話文が連続する場合
会話文が連続する場合は、会話文が始まるたびに改行して書き始めます。
友達を見つけて、ぼくは大きな声で話しかけた。
「どこいくの?」
「公園!」
「何するの?」
「サッカー!」
「僕も入れて!」
僕と友達は日が暮れるまでサッカーをして遊んだ。
このように、「ぼく」と「友達」といった2人以上の会話文が連続する場合は、会話文の書き出しは改行して書きます。
注意!引用文を書く場合
本の内容を引用するときなどに、原文をかぎかっこでくくる使い方があります。
短い引用文なら、改行せずに書いた方が見やすくなります。一方、長い引用文の場合は、改行して書いた方が見やすくなります。
作文形式によっては、かぎかっこ(「 」)でくくらずに、1~2字分下げて引用文を書く場合もあります。
次に、二重かぎかっこについて、みていきましょう。
二重かぎかっこはどうやって使う?正しい使い方の例
かぎかっこと似たものに、二重かぎかっこ(『 』)があります。
これは、かぎかっこの中で、かぎかっこを使うときや、出典をあらわすときに使います。
それぞれ、例文をみながら使い方を確認していきましょう。
《かぎかっこの中でかぎかっこを使うとき》
おばあちゃんは
「あなたが小さいときは車を『ブーブー』と言っていたよ。」
と言いました。
例文2
お母さんは
「電話をかけて、『ツーツー』となったら話し中よ。」
と教えてくれました。
このように、会話文のなかに、他の人の会話文や音などを入れる時に使います。
次に、出典をあらわすときについて、みていきましょう。
《出典をあらわすとき》
昨日読んだ「かんたんに折り紙を折る方法」は『折り紙絵本』に載っていたよ。
このように、二重かぎかっこを使うのは、文献や書籍などの出所を示すときに使います。
また、二重かぎかっこと分けて、かぎかっこで書かれた部分は、タイトル名をわかりやすくするために使っています。
この場合は、会話文ではないので、かぎかっこを使う時に改行しません。
かぎかっこと二重かぎかっこは、作文の中でよく使うので、使い方を覚えておくと便利です。
2つのかぎかっこの使い方を覚えて、伝わる作文を書こう!
かぎかっこ(「 」)と二重かぎかっこ(『 』)の使い方をお伝えしましたが、いかがでしたか?
普段何気なく使っていたかぎかっこですが、場合によって使い分けすると、文章がわかりやすくなります。
それぞれの使い方をもう一度おさらいしてみましょう。
◎かぎかっこ「 」
- 会話文、語句を強調するとき
- タイトル名など
- 引用文
◎二重かぎかっこ『 』
- かぎかっこの中で、かぎかっこを使うとき=会話文の中の会話文、会話文の中の音
- 出典をあらわすとき
◎かぎかっこ「 」を使う時の3つのルール
- 会話文で使う
- 会話文の終わりにくる句点(。)とかぎかっこ(」)は1マスに入れる
- 会話文の書き始めは行を変える(会話文が連続する場合もその都度改行する)
- 会話文が2行以上になる場合、2行目の一番上のマスは空けても空けなくてもよい。
(空けると見やすくなる場合は空けると良い)
これらの使い方を覚えておき、作文の中に積極的に会話文を取り入れてみてください。
きっと、その場にいるような情景が浮かび、生き生きとした文章が仕上がるはずです。