小学生が遊びながら「逆上がり」ができる練習方法と注意点
「逆上がりができるようになりたい」
子供からこんな願いを聞くことはありませんか?
授業で「逆上がり」を取扱っている学校では、「逆上がり」の単元になるとできるようになりたい子は多くなります。
しかし、親も「逆上がり」が苦手な場合や、練習方法が分からない場合があり、どうしてよいか分からない人も多くいます。(昔はできたのに、できなくなっているという人もいます。)
ここでは、親子で楽しく「逆上がり」ができるよう、遊びを取り入れた練習方法や、練習の際の注意点についてご紹介します。
また、早く上達するための補助アイテムについてご紹介していきます。
子供と一緒に逆上がりに挑戦してみましょう。
Contents
運動能力の低下!?「逆上がり」ができない子が増えている背景
パパやママが子供の時代には、授業で「逆上がり」の時間があり、一生懸命練習した記憶がある人もいるのではないでしょうか。
いまでは、「逆上がり」の指導の有無は小学校の判断に委ねられています。
子供の筋力低下や授業での取扱いが学校に委ねられていることにより、逆上がりができない子はますます増えていくことと考えられます。
しかし、公園や学校には鉄棒があり、サッと逆上がりができる子は憧れの的です。
「逆上がりができるようになりたい!」と子供が言うようになったら、練習のチャンスです。
もし親が、逆上がりができないとしても、一緒に練習してできるようになっていきましょう。
「逆上がり」に必要な筋肉は色々な運動を通して培われる
「逆上がり」ができるようになるには、「ぶら下がる力」や、「体を引きつける力」が必要になります。
学校や公園にある「うんてい」や「ジャングルジム」での遊びを通しながら、その力は次第にアップしていきます。
ところが、今では外遊びをする子が少なくなり、公園に行ってもポータブルゲームを持ち込んで遊ぶ小学生の姿がみられるようになりました。
これでは、なかなか逆上がりの筋力が付きません。
主婦の友社が「読者ネットアンケートクラブ会員」へ向けてメール調査で行ったアンケートでは、「逆上がりができる」と回答した割合は全体(回答者数73名)の31%という結果がでています。(対象…幼稚園年長~小学校3年生の子供がいる親)
約7割の子供は、逆上がりができないということになります。
体が大きくなるにつれて、逆上がりで自分の体を支える力も大きくなくてはいけないので、小学校1~3年生の体が小さなうちにできるようになってほしいものです。
それでは、どうすれば逆上がりができるようになるのでしょうか。
「逆上がり」はどうすればできる?ゲーム感覚で行う練習方法
最初から「逆上がり」の練習をしようとしても、「逆上がり」ができる体力が付いていなければ、なかなかうまくいきません。
まずは、鉄棒に慣れることから始めてみましょう。
徐々に慣れていき、体を支える筋力がアップしてきたら、回転技に挑戦します。
以下の4つの流れで「逆上がり習得」を目指していきましょう。
1 鉄棒にぶら下がって数を数える
2 鉄棒にぶら下がりながら移動する
3 前回りをする
4 逆上がりをする
それぞれ、具体的なやり方についてみていきましょう。
流れ1 鉄棒にぶら下がって数を数える
ただぶら下がるだけでも握力を使い、体を支える筋力アップにつながります。
肩幅よりも広めの場所を握り、鉄棒にぶら下がります。1~10まで数える間、手を離さずにぶら下がっているのを続けます。
できるようになったら、もっと時間を増やして親子で対決してもおもしろいです。
流れ2 鉄棒にぶら下がりながら移動する
腕の力を使って自分の体を移動させることを覚えます。
親子でぶら下がって移動するゲームを楽しみましょう。
隣り合う鉄棒の端からそれぞれぶら下がって相手の方向に移動し、もう一方の端まできたらジャンケンをします。
端に付かずに落ちてしまった人は負けです。楽しみながら、腕の筋力がアップしていきます。
難しければ、足をかけて移動してもOKです。
流れ3 前回りをする
長い時間体を支えられる筋力が付いてきたな…と感じたら、回転技の練習を始めましょう。
「逆上がり」の前に、回転に慣れるために、まずは「前回り」を練習します。
〈前回りの仕方〉
1 鉄棒を両手で肩幅に持ち、上半身を鉄棒の上に持ち上げる
2 肘をまっすぐにし、背筋を伸ばしたまま、上半身を前に倒していく
3 頭が鉄棒の下を通るとき、足を曲げる
4 鉄棒を握ったまま、ゆっくりと着地する
回転できると、すぐに着地してしまう子がいますが、「逆上がり」の練習をする前には、4の「ゆっくりと着地する」ことが大切です。
重力に負けず、自分の筋力で体を支えながらゆっくりと着地することで、「逆上がり」で鉄棒に体を引きつける力を養います。
前回りしてからどのくらいゆっくり着地できるか親子で競ってみると良いでしょう。
前回りができるようになったら、「逆上がり」の練習をしてみましょう。
流れ4 逆上がりをする
逆上がりのとき、手の向きを「順手(手の甲が上になる持ち方)」と「逆手(手の甲が下になる持ち方)」のどちらにするか悩むことがありますが、子供のやりやすい方で練習していきましょう。
練習をするときは、腰の位置よりも高い鉄棒を使って下さい。
〈逆上がりの仕方〉を参考に、挑戦してみて下さい。
〈逆上がりの仕方〉
1 鉄棒を両手で肩幅に持ち、脇をしめます
2 勢いをつけて頭上目指して地面を蹴り、片足を振り上げながら、もう片足もあげていきます。
3 このとき、腕でしっかりと体を支え、鉄棒に体(おへそ部分)を引き寄せます
4 鉄棒の上を両足が越えて、足の付け根(股関節部分)を鉄棒にのせます。
5 足を地面につける力と頭を起こす力を利用して、くるりと体を起こしていきます。
このようにして、順を追いながら楽しく「逆上がり」ができるように練習していくと良いでしょう。
注意!「逆上がり」がなかなかうまくいかない主な原因3つ
練習をたくさんしているのに、なかなかできないときは、「逆上がり達成」を邪魔する3つの原因について知っておきましょう。
「逆上がり」がうまくできない主な原因として、以下のことが挙げられます。
- 腕が伸びている
- 前方に蹴り上げている
- 目線が上を向いている
それぞれの原因について、詳しくみていきましょう。
【できない原因1 腕が伸びている】
腕が伸びていると、鉄棒を中心として体を引き寄せながら回転することができません。
脇をしめて、腕を曲げながら鉄棒と体(股関節部分)を密着させるように回るのがコツです。
【できない原因2 前方に蹴り上げている】
「蹴り上げ」がうまくできていないと、足から鉄棒を越えることができません。
蹴り上げるときは、方向をさだめて蹴ることが大切です。
足が上がらない子の多くは、前方に蹴り上げてしまっているので、両足が前方に伸びてしまい、回転できません。
頭があった所をめがけて思いっきり蹴り出すことで、もう片方の足が付いてきて逆上がりができます。
【できない原因3 目線が上を向いている】
足を上に高く蹴り上げようと気にしすぎて、上を向いてばかりいては、回転がうまくできません。
逆上がりで回転するためには、目線はおへそのあたりを見て、体を丸くするのがコツです。
逆上がりができない原因として、子供に当てはまるものがあったら、そこを重点的に練習していきましょう。
それでも、なかなかうまくいかないときは、逆上がりの感覚をつかむために、補助具を使ってみても良いでしょう。
回転を助けてくれる便利グッズ 逆上がりの補助アイテム2選
逆上がりの補助アイテムにはいろいろなものがありますが、家庭で使うならかさばらず、使いやすい以下のアイテムがお勧めです。
TOSSオリジナル教材 「鉄棒くるりんベルト」
授業の教材や教具を販売している「TOSSオリジナル教材」では、腰を鉄棒の近くに固定できるベルト型の補助アイテムを販売しています。
逆上がりを練習するときは、子供の体を支える補助者の負担が大きいですが、こちらのベルトを使えば、負担が少なくなり、簡単に逆上がりの感覚を覚えられるようになります。
ベルトを使う時は、バックルを鉄棒に留めるだけでとても簡単です。公園などに持ち運んで使うこともできます。
ベルトは、鉄棒と腰の位置を調整できる仕組みになっており、自分で体を支える力がつくようになれば、段階的にベルトの長さを長くして自分の力で体を引きつけられるように工夫されています。
●価格…2,037円(税別)
●標準耐用年数…1年
さらに、もう一つ画期的な補助アイテムをご紹介します。
どちらかというと、学校現場などで取り入れて欲しいアイテムですが、家庭でも練習がしやすいので、家庭用の鉄棒をお持ちの方にお勧めです。
セノー株式会社 「逆上がり練習器 くるっと」
ベルトタイプの補助アイテムは、腰の位置を固定するのに便利ですが、足を高く上げられるように、補助者のサポートが必要です。
しかし、こちらの補助アイテムは、補助者のサポートなく一人でも練習することができます。(位置調整や安全使用のためには大人の見守りが必要)
スチール素材の頑丈な練習器で、鉄棒にワンタッチで取り付けられます。
「逆上がり練習器 くるっと」は、投げ出す足と背中をしっかりとサポートしてくれる作りなので、子供の恐怖心を和らげながら練習することができます。
最初に組み立てる手間はかかりますが、その後は自分でたくさん練習を重ねることができます。
●価格…25,000円(税別)
●重量…約4㎏
●サイズ…SSサイズ(身長90~110㎝)、Sサイズ(身長110~130㎝)、Mサイズ(身長130~150㎝)、Lサイズ(身長150~180㎝)
同じ鉄棒用の補助アイテムでも、形状や価格はだいぶ違うので、使いやすい方を取り入れると良いでしょう。
「できた!」を実感 逆上がりで感動と達成感を味わおう!
ここまで、逆上がりについてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
今、逆上がりができなくても、練習を続ければできるようになる日がきます。
テレビやスマホのゲームでは味わえない、実体験での達成感を味わうことは、子供の心を揺さぶります。
達成感が子供に自信をつけ、感動が子供の世界を広げていきます。
もし、逆上がりができなくて教えられないのであれば、一緒に練習を重ねて同じ感動と達成感を味わいましょう。
もう一度、逆上がりの練習方法についておさらいしてみましょう。
まずは、逆上がりまで4つのステップを踏んでいきます。
1 鉄棒にぶら下がって数を数える
2 鉄棒にぶら下がりながら移動する
3 前回りをする
4 逆上がりをする
逆上がりをするときは、以下の要領で行いましょう。
1 鉄棒を両手で肩幅にもち、脇をしめる
2 勢いをつけて地面を蹴り、足を振り上げる
3 腕は体を支えたまま、鉄棒におへそ部分を引き寄せる
4 足の付け根(股関節部分)を鉄棒に乗せる
5 くるりと体を起こす
うまくできないときは、3つの原因をチェックしてみて下さい。
- 腕が伸びている
- 前方に蹴り上げている
- 目線が上を向いている
どうしてもできないときは、補助アイテムを活用し、逆上がりする感覚を覚えながら練習を重ねていきましょう。
小学生では、逆上がり以外にも、縄跳びや自転車など、挑戦したいことがたくさんあります。
逆上がりでの「できた!」が子供の自信につながり、次の挑戦へと続いていくと良いですね。