鉛筆の濃さは17種類もある!小学校で使うのはどれがいい?


使っている鉛筆の濃さがどのくらいか、ご存じですか?

鉛筆には濃さや硬さを表す段階がアルファベットで表記され、たくさんの段階があります。

この段階が鉛筆を使う人の筆圧に合わないと、字が薄すぎたり濃すぎたりする原因となります。

子どもに鉛筆を与える場合は、濃さを子どもの筆圧に合わせてあげることが大切です。

毎日のノートが薄くて見られなかったり、濃すぎて黒く汚れていたりしては見直しが大変です。

ここでは、JIS規定による17種類の鉛筆の濃さを取り上げ、幼児から中学生まで、学年ごとにおすすめの鉛筆の濃さをご紹介します。

また、筆圧チェックの仕方をご紹介しています。子どもにとって最適な鉛筆選びの参考にしてみて下さい。

鉛筆の濃さには豊富な種類がある

普段何気なく使っている鉛筆には、HBやB等の表記がついています。

これは、鉛筆の濃さや硬さをあらわしています。

日本の鉛筆は、昭和26(1951)年から品質向上のために日本工業規格(JIS)という決まりのもと、作られています。

それに規定されている鉛筆の濃さや硬さを表す「硬度記号」は、全部で17種類あります。

JIS規定による17種類の硬度記号

硬度記号は、芯が柔らかいものから順に並べると、6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9Hとなっています。

たくさんあって驚いてしまいますね。

三菱鉛筆の「ハイユニ」では、JIS規格とは別に10~7B、10Hの鉛筆をそろえ、22種類の硬度の鉛筆があります。

こんなにたくさんの種類をどう使い分けるのか疑問が浮かびますが、アーティストやデザイナー向けに、セットで販売している商品が出ていて、納得できます。

それぞれの記号「B」、「H」、「F」の意味は以下の通りです。

B…Black(黒い)
H…Hard(硬い)
F…Firm(堅い、引き締まった)

Bは芯が柔らかく、軽い力でも濃く書けます。反対にHは芯が硬く、軽い力では薄くなります。

それぞれのアルファベットの前には数字が付き、濃さや硬さの段階を知ることができます。

ただし、Fには段階を示す数字は付きません。

FはHとHBの間に作られた新しい規格で、HやBの中間の濃さや硬さを表します。

ちなみに、規格が守られていることを示すJISマークは、90年代後期におこった規制緩和の一環で、表示が無くなりました。

それでも、長い歴史のなかで高い品質を保ってきた鉛筆は、マーク表示は無くとも規格に沿った製品作りを続けています。

それでは、小学生におすすめの鉛筆の濃さを探っていきましょう。

指定されることもある!?学年ごとにおすすめの鉛筆の濃さ

小学校では、鉛筆を用意するときに濃さを指定されることがあります。

とくに小学校1年生では、Bや2Bなどの濃さの出る鉛筆を指定されることが多くなります。

文部科学省では小学生に持たせる鉛筆の指定は特にしていませんが、各学校で指定されている理由は何でしょうか。

その理由として、幼児や小学校低学年では筆圧が低いから、ということがあげられます。

筆圧が低いと文字が薄くなってしまい、字の勉強を始めるときに字形の確認がうまくできません。

採点を行う先生に、字の形がよく見えなければ、どうにも採点できませんね。

子どもの年齢が上がると、自然と筆圧は強くなり、使いやすい鉛筆の濃さは変わります。

学年別におすすめの鉛筆の濃さを見ていきましょう。

濃さ
幼児 6B~2B
小学校低学年 2B~B
小学校中学年 B~HB
小学校高学年 HB
中学生 HB

このように、学年が上がるにつれて、筆圧が強くても折れにくい硬めの芯の鉛筆になっていきます。

入学時に購入した2Bの鉛筆をそのまま使っていると、筆圧が強くなったのに芯が柔らかすぎて、過剰に紙面についてしまいます。

そうなると、紙面に擦れた手が汚れたり、机や衣服を汚したりする原因ともなります。

鉛筆汚れに思い当たる節があるという方は、こちらの記事も併せてご覧ください。→子どもがつけた鉛筆汚れはどうする?アイテム別の落とし方

中学生ごろになると、自分の好みの濃さを自分で見つけることもできますので、さまざまな硬度の鉛筆を用意して、書き味を試してもらうのも良いかもしれません。

色々試して合った濃さを見つけよう!筆圧チェックの仕方

学年別におすすめの濃さをご紹介しましたが、子どもの筆圧は人それぞれです。

小学1年生でも筆圧が強く、しっかりとした字を書く子もいれば、高学年でも薄い字を書く子もいます。

子どもに合った鉛筆を探す場合は、子どもが持ってきたテストなどを見て、筆圧のチェックをしてみて下さい。

字のハネやはらいが、よく確認できないほど薄い字の場合は、一段階濃い鉛筆を与えます。

また、濃い字が書けていて、筆圧の強さで紙面が凹んだり穴があいたりしている場合は、一段階薄い鉛筆を与えると良いでしょう。

普段書く紙の質も考慮に

昔のようにざらざらとした藁半紙ではなく、表面がなめらかな紙に書くことが多い現代の子どもたちは、鉛筆の芯が滑りやすく太い字が書きにくい、ということがあります。

ツルツルした表面のノートに書く場合の鉛筆と、ざらついた紙に書く場合の鉛筆をどちらも用意しておくと、子どもが思い描いた字を書きやすくなるでしょう。

テストやノートの多くは上質な紙が使われているため、滑りにくい柔らかさのある濃い鉛筆がお勧めです。

一方、少し質の落ちた紙が使われるプリント類は、滑りにくいので硬さのある薄い鉛筆がお勧めです。

2種類の濃さの鉛筆を用意する場合は、濃い鉛筆を「ノートとテスト用」に、薄い鉛筆を「プリント用」に分けておくと良いでしょう。

小学校低学年の子どもには、名前の記入と一緒に「ノート」や「プリント」といった使い分けについても記入しておくとわかりやすくなります。

文字がまだ読めない子にはイラストを描いても良いですね。

もっとも、本人が使い分けをしたくないというなら、無理強いはせず一番使いやすい鉛筆を1種類用意してあげてください。

濃さの違う鉛筆を5本ほど並べて見せると興味を持ってくれることがあります。

「鉛筆には色々な濃さがあって、あなたにとって、一番書きやすい鉛筆がこの中にあるんだよ」と、一緒に最適な鉛筆探しを始めてみて下さい。

子どもにとって書きやすい鉛筆を探そう

鉛筆にはたくさんの種類があること、成長に合わせて使いやすい鉛筆が違うことがわかりました。

親の世代では硬さと柔らかさが中間となるHBが主流でしたが、紙の質の向上や子どもの筆圧の弱さによってBや2Bの鉛筆の需要が伸びています。

学校で指定されている場合は、それに従い、指定がない場合は気づいたときに鉛筆が子どもにあっているかチェックしてみると良いでしょう。

チェックする時期は、テストの答案用紙が返ってくるテスト期間や、宿題をゆっくり見てあげられる夏休みと冬休みが良いでしょう。

もう一度学年別におすすめの鉛筆の濃さを確認してみましょう。

幼児は6B~2B、小学校低学年は2B~B、小学校中学年はB~HB、小学校高学年と中学生はともにHBでしたね。

子どもにとって書きやすい鉛筆を選ぶときは、この学年別にあてはまる鉛筆の濃さを基準に、筆記状況に合わせて段階を変えていきます。

たとえば、小学校低学年では2B~Bの範囲がお勧めなので、薄い字を書く場合は3B、濃い字を書く場合はHBを用意してあげます。

子どもは選択肢を与えられず、用意された鉛筆を使うことが多くなりがちですが、色々な種類の鉛筆に触れることで、書き味や持ちやすさの面から気に入った鉛筆を選びやすくなります。

これから長く使っていくであろう鉛筆自体に興味をもってもらうためにも、濃さの違いを教えることは有効です。

書きやすい鉛筆を見つけて、いつもよりうまく書けるようになったら、勉強がもっと楽しくなるかもしれませんね。

ぜひ、子どもと一緒に合う鉛筆を探してください。

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