宿題を始めない子供に困った!「やる気」にさせる5つの方法+α
お子さんは毎日すんなりと宿題に取り組んでいますか?
自分から宿題に取り組めるということは、自主性が育ってきている証です。
反対に、なかなか取り組めないということは、「自分でやってみよう」と思う自信が子供に付いておらず、自主性を育てる土台ができてないと考えられます。
自主性は、子供の「やる気」によって育っていきます。
宿題に対して「やる気」がない場合、親は一体どう関わったら良いのでしょうか。
ここでは、宿題をなかなか始められない理由を5つ取り上げ、そこからよりよい「やる気」の出し方を5つご紹介します。
さらに、宿題だけではなく、勉強に対して「やる気」を出すための3つの方法と習慣づけの大切さをご紹介します。
Contents
宿題がなかなか始められないのにはワケがあった!5つの理由
小学校にあがると、家庭学習や宿題などで、家庭で勉強する時間を持つよう勧められます。
漢字で言えば、毎日新しい漢字を習い、計算で言えば、一桁の足し算引き算から積み重ねて難しい計算を習っていきます。
日ごと新しいことを覚えるためには、家庭学習や宿題で習ったことを身につけることが大切です。
とはいえ、小学生の子供にとって宿題はやっかいなもの。
家に帰ってきてすぐに勉強を始められる子もいますが、なかなか始められない子もいます。
宿題を始めようとしない理由は何なのか、探ってみましょう。
子供が宿題を始めないのは、以下の5つの理由が考えられます。
- めんどうくさい
- 内容がわからない
- 宿題=やらなくていいと思っている
- 始めるタイミングが分からない
- 疲れている、眠い
このように、子供なりの理由はさまざまです。
それぞれ、みていきましょう。
理由1 【めんどうくさい】
子供は大人よりも本能的に動くので、面倒と感じたことに対して、なかなか動き始めません。
「いやだ」
「めんどうくさい」
「やりたくない」
と、宿題に対してマイナスイメージを持ってしまうと、勉強自体が嫌いになってしまう可能性があります。
どうして面倒と感じてしまうのか、子供の様子をみて探っていくことが大切です。
これに対しては、次で紹介する「内容がわからない」という項目とも関わりを持っています。
理由2 【内容がわからない】
子供が宿題に手を付けたがらない理由として、そもそも「内容がわからない」といった理由が挙げられます。
「内容がわからない」宿題を自分で調べて解いていくのは、とても「めんどうくさい」ことです。
子供の学習レベルは、その子によってさまざまなので、学校で一律に与えられる宿題だと、「すぐにできる子」、「時間をかければできる子」、「一人ではできない子」と、目標は同じでも、過程がバラバラになります。
宿題をなかなか始めない子は、「時間をかければできる子」や「一人ではできない子」に多く、周りのサポートが必要です。
「一人ではできない子」の中には、まわりの学習進度に全くついていけない子もいます。
授業では、小学校に配属されている支援員のサポートで学習を進めることができますが、毎日の宿題は、サポートしてくれる人がいないと手が付けられない状態になります。
自分の力で「できない」まま宿題を提出していると、達成感が得られず宿題に対してマイナスイメージを持ってしまいます。
その場合、宿題を子供の能力に合わせて個別に出してもらうなど、先生と連携しながら子供をサポートしていくことも必要です。
「時間をかければできる子」は、学習内容に対してそれほど介入しなくても良いですが、重い腰を上げるサポートをしてあげましょう。
理由3 【宿題=やらなくていいと思っている】
宿題をほとんどやらないまま提出するという強者もいます。
これは、宿題に対して必要性や重要性を感じていないからです。
先ほどお伝えしたように、「日ごと新しいことを覚えるためには、家庭学習や宿題で習ったことを身につけること」が大切です。
反復学習ともよばれ、繰り返し学習することで、記憶を強く定着させます。
「宿題に何の意味があるの?」
と、親に聞いてくる子もいるでしょう。
そんなときは、子供が理解しやすい伝え方で、宿題の必要性と重要性を教えてあげて下さい。
低学年なら…
と伝えましょう。
高学年なら…
と伝えると良いでしょう。
間違っても、「何の意味も無いからやらなくて良いよ」などと言ってはいけません。
もっとも、宿題の量やレベルは、先生の判断に任されているため、大量の宿題を毎日こなす…という子もいるかもしれません。(量が多すぎて生活時間を圧迫しているときは、はっきりと先生に相談しましょう)
本来、学校から出される宿題は少なくてよいのです。勉強したい子は自分で勉強するものです。
理由4 【始めるタイミングが分からない】
最近は、「ルーティン」という言葉をよく耳にすることがあります。
意味は「決まった手順」や「日課」のことで、毎日決まった作業をすることを「ルーティンワーク」と言います。
小学生なら、例として以下のようなルーティンワークが挙げられます。
2 トイレに行く
3 顔を洗う
4 着替える
5 朝ごはんを食べる
6 歯を磨く
7 学校に行く
8 学校から帰る
9 おやつを食べる
10 遊ぶ
11 テレビを観る
12 夕ごはんを食べる
13 歯磨きをする
14 お風呂に入る
15 パジャマに着替える
16 トイレに行く
17 寝る
さて、一つ入っていない項目があります。一体なんでしょう。
「宿題」ですね。
子供の一日は、「宿題」を入れなくても過ぎていってしまいます。
宿題をなかなか始めない子の多くは、親の怒り口調の声かけでやっと動きます。
毎日「寝る」前が宿題タイムになっているなら、「遊ぶ」前や、「テレビを観る」前など、楽しみなことの前に宿題を終わらせるルーティンを作っていきましょう。
子供に見やすいよう、ルーティンワークを表にして、貼っておくことも有効です。
そして、一度「テレビを観る」前と決めたら、親がルーティンワーク破らないよう気をつけましょう。
「子供が騒ぐから宿題の前にテレビを見せてしまった…」となっては、ルーティンの意味がありません。
親が守れないことを子供に望んでも、子供は守ってはくれません。
習慣がついて、自分で動けるようになるまで、一貫した態度で臨んで下さい。
理由5 【疲れている、眠い】
プールの日でも、運動会の練習が続いた日でも、宿題はほぼ毎日あります。
疲れていたり眠かったりして、宿題がなかなかできないこともあるでしょう。
そんなときは、子供に休息の時間を与えましょう。
ひどく疲れているときや眠いときは、頭がまわらず、宿題をしても反復学習の効果が見込めません。
その日は早めに就寝して、翌日早起きして宿題をしたほうが効率的です。
子供が宿題を始めない5つの理由がわかりました。
これらの理由をもとに、「やる気」を引き出す方法を探ってみましょう。
宿題を始めない理由から導き出す「やる気」を出す5つの方法
先ほどご紹介した5つの理由から、子供の「やる気」をどうやって引き出したらよいのか、考えていきましょう。
【めんどうくさい】ときの「やる気」の出し方
「めんどうくさい」と感じている子供は、宿題にとりかかる準備すら面倒と感じているものです。
重い腰をあげられるよう、宿題に取りかかりやすい環境を作ってあげましょう。
たとえば、夕食までの間に「勉強タイム」を作ると良いでしょう。
「勉強タイム」は、家にいる人みんなで勉強をする時間です。テーブルを囲んでみんな一緒に勉強をします。
子供は宿題、ママは家計簿、下の兄弟はお絵かきなど、みんなで集まって勉強する時間を作ると、宿題を始めるきっかけ作りになります。
大切なのは、「一緒にやること」です。
一人では気が乗らない勉強でも、みんなで同じことをする時間が楽しく思えます。
難しそうにしていたら、すこしお手伝いしてあげましょう。手伝って宿題ができたとしても、子供の力で頑張ったことを褒めてあげてください。
褒めることで子供が達成感を味わい、自信につながっていきます。
勉強が終わったら、そのテーブルのまま「おやつタイム」にしても楽しいですね。
【内容がわからない】ときの「やる気」の出し方
宿題の「内容がわからない」ときも、「一緒にやること」が有効です。
学習内容がわからないままになっていると、宿題だけではなく、授業内容について行けなくなってしまうおそれがあります。
先ほどの【めんどうくさい】理由のときの方法と同じように、一緒に勉強する環境を整え、側で学習をサポートできるようにしてみましょう。
一緒に行う「勉強タイム」が習慣づいてくれば、子供が宿題を始めないときに、「勉強しなさい!」ではなく「ママ、先に始めてるね」と、サラッと勉強に誘うことができます。
子供は「わかった!」、「できた!」を経験すると、グングン伸びていきます。
いま、どこでつまずいているのかを把握し、一緒に宿題に取り組んでみましょう。
一緒に取り組む中で、「うちの子には難しすぎる…」、「時間がかかりすぎる…」と感じたら、先生に相談し、宿題のレベルや量の調整をお願いしてみるようにして下さい。
【宿題=やらなくていいと思っている】ときの「やる気」の出し方
宿題の必要性と重要性を感じていない子には、子供が理解しやすい伝え方で、それらの大切さを伝えてあげましょう。
●授業で教えてもらったことが分かっているのか、先生が知るのに大切
高学年なら…
●反復学習による学習内容の定着に大切
●時間配分の力をつけ、自立に役立つ
このように、宿題をすることで、子供の能力アップにつながることを教えてあげましょう。
【始めるタイミングが分からない】ときの「やる気」の出し方
学校から帰ってきて、「おやつを食べたい」、「遊びたい」と、色々やっているうちに、「お風呂に入る」→「ごはんを食べる」…で、宿題をやる時間が見つけられないときは、ルーティンワークで流れを意識した生活をおくるようにしましょう。
学校から帰ってきてからの以下のルーティンワークの中に、「宿題」を入れます。
2 おやつを食べる
3 遊ぶ
4 テレビを観る
5 夕ご飯を食べる
6 歯磨きをする
7 お風呂に入る
8 パジャマに着替える
9 トイレに行く
10 寝る
できれば、「遊ぶ」前や「テレビを観る」前など、子供が楽しみにしていることの前に設定するのがコツです。
【疲れている、眠い】ときの「やる気」の出し方
疲れていたり眠かったりして動けないときは、思い切って休んでしまうのが得策です。
早めに就寝するように促し、早起きして宿題するようにさせると、頭がスッキリして良いですよ。
宿題以外の勉強にも有効!「やる気」を出すための3つの方法
ここまで、宿題を始めない理由をもとに、「やる気」を引き出す方法をご紹介してきました。
じつは、それ以外にも、子供に勉強への「やる気」を出させる方法が3つあります。
それが、以下のものです。
- 言葉がけ
- ご褒美(ポイント制(お小遣いなど)、お菓子、ゲームなど)
- 周りがいっしょにやる雰囲気を出す
『言葉がけ』は、普段言ってしまいがちな「宿題終わったの!?」や「宿題やりなさい!」といったフレーズを、子供が受け止めやすいように言い換えて使います。
ママに怒られて宿題に取り組むより、「今日は宿題でてるのかな?」、「いっしょにやろうか」と声をかけられた方が、子供はやってみようかな…という気になります。
『ご褒美』は、宿題をやることで与えられるちょっとしたプレゼントや、褒め称える言葉です。
ほめ言葉で自信を持ってくれるのが一番ですが、目に見えるご褒美の方が、子供は動きやすいです。
子供が好きな「おやつ」を用意したり、ポイント制(たまったら好きな物を購入)にしたりして、楽しく宿題に取り組める工夫をすると良いでしょう。
そして、宿題を自分からやる力がまだ付いていない子にお勧めなのが、『周りがいっしょにやる雰囲気を出す』ことです。
宿題が【めんどうくさい】場合と、【内容がわからない】場合の対策としても挙げましたが、一緒に取り組む時間を作り、それを積み重ねていくことで、次第に自分で動けるようになっていきます。
こちらの記事では、ここでご紹介した3つの方法を含め、勉強全般での「やる気」の出し方をご紹介しています。
ぜひ併せてご覧ください。→家で勉強してほしい!子供の「やる気」を引き出す4つの方法
早い内に習慣づけを!宿題を自分から始めるために大切なこと
宿題を「やる気」を持って行うには、初めが肝心です。
宿題に取り組むことは、習慣と同じで、毎日続けていれば生活の中に馴染んでいきます。
例えば、能力アップのために、「これから毎日、資格取得の勉強をしてください」と言われたらどうでしょう。
いままでやっていない習慣をさせられるのは、大人でも大変な労力がいります。
しかし、その勉強に必要性を感じている大人なら、何とか勉強の時間を捻出しようとしますね。
できれば、低学年のうちから課題(宿題)を自分の力で取り組めるように、自信をつけてあげたいところです。
自信をつけるために、「一緒に勉強を行う」ことがポイントなのですが、これは低学年だからこそできる方法ともいえます。
子供によっては、成長するにつれ、親と一緒に勉強したがらなくなったり、教えてもらうことを嫌がったりします。
一緒に勉強を楽しめる低学年のうちに、効果的な関わり方で自主性を伸ばしてあげましょう。
親のサポートが大切!「自分でやる」気持ちを育てよう!
ここまで、宿題をなかなか始めない子供がもつ理由と「やる気」の出し方についてご紹介してきました。
お子さんに当てはまる理由は見つけられましたか?
それぞれの理由に対して、どんな方法で「やる気」を出したら良いか、もう一度まとめてみていきましょう。
『理由から導く「やる気」の出し方』5つ
- 【めんどうくさい】とき…重い腰をあげられるよう、一緒に勉強に誘う
- 【内容がわからない】とき…一緒に勉強する
- 【宿題=やらなくていいと思っている】とき…必要性を感じさせる
- 【始めるタイミングが分からない】とき…時間を意識した生活をする
- 【疲れている、眠い】とき…少し休んでもOK。早起きして朝やるのも効果的
『勉強全般で使える「やる気」の出し方』3つ
- 言葉がけ
- ご褒美
- 周りがいっしょにやる雰囲気を出す
自分の力だけではなかなか宿題に取り組めない子には、「怒る」「叱る」「脅す」以外の方法で自主性を引き出すようにサポートしていきましょう。
毎日、怒鳴っていて喉がカラカラ…なんてことが続いては、子供自身が自分で動く力を妨げているかもしれません。
子供との関わり方を見直し、上手に子供の「やる気」を引き出していきましょう。