作文の書き出しに工夫をプラス!個性の光る書き出し方4つ


小学校では、作文を書く機会が多くあります。

イベントごとに作文を書く学校もあれば、宿題として作文を書かせる学校もありますね。

自分の思ったことや伝えたいことを作文に書いて伝えるのが目的ですが、思ったことを文章にするのが苦手な子もいます。

また、始めの文章(書き出し)から、つまずいてしまう子もいます。

ここでは、思っていることを書き表しやすいように、4つの書き出し方をご紹介します。

わかりやすいように、それぞれに例文を挙げていますので、自分の作文で取り入れながら身につけていくと良いでしょう。

また、印象的な書き出しに使われるかぎかっこ(「 」)での書き出しについても、書き方を詳しくご紹介しています。

作文の雰囲気が決まる!いい作文にする書き出しの工夫

書くことが決まっていても、書き出しをどうしたら良いか悩んでしまうことがあります。

どうせなら、人とは違った魅力的な作文に仕上げたいですね。

書き出しは、作文を3部構成(始め・なか・終わり)に分けると、「始め」の部分にあたります。

これは作文の雰囲気が決まる大切な部分です。

作文の書き出しには、主に4つの書き出し方があります。

  • 「いつ」「どこで」から書く
  • その場の雰囲気を伝える様に書く(会話・動作・音)
  • 書きたいことをストレートに書く(できごと・感想)
  • 物語のように感動的に書く(天気・様子)

それぞれ、どんな書き出しなのかみてみましょう。

書き出し方1 「いつ」「どこで」から書く

作文で大切なのは、人に伝わるように書くことです。

そのためには、新聞記事やニュースでも使われる5W1Hが基本となります。

5W1Hとは何かというと、
When(いつ)
Where(どこで)
Who(だれが)
What(なにを)
Why(なぜ)
How(どのように)
の英語の頭文字をとったもので、出来事を正確に伝えるときに役立ちます。

こうした基本の「いつ」、「どこで」を書き出しに使うと、何をしていたのかがよく分かる文章が簡単に書けます。

書き出し方2 その場の雰囲気を伝える様に書く(会話・動作・音)

その場の雰囲気をそこにいるかのように伝えるには、「会話」、「動作」、「音」を書き出しに使うと、伝わりやすくなります。

その時の状況がダイレクトに伝わるので、読み手を文章のなかに引き込む効果もあります。

こちらの記事では、「会話」、「動作」、「音」を使った書き出しについて詳しくご紹介しています。→どうやって書いたら良い?小学生が気をつける感想文の書き方

書き出し方3 書きたいことをストレートに書く(できごと・感想)

自分が伝えたいことをストレートに読み手に伝えるには、「できごと」や「感想」から書き出すと、とてもわかりやすくなります。

実際に起こったことや感じたことをそのまま文章にするので、書きやすい書き出しです。

書き出し方4 物語のように感動的に書く(天気・様子)

その時の「天気」や「様子」を書き出しに使うと、普通の書き出しの作文とは一風違った感動的な文章ができあがります。

「天気」や「様子」の書き方によって、その時の気持ちや雰囲気を表すことができ、直接言葉に表さなくても伝わるおしゃれな表現ができます。

どんな書き方がある?違いが分かる具体的な書き出し例

4つの書き出し方がわかったところで、それぞれの書き出しの例をみていきましょう。

「いつ」「どこで」から書く例

「いつ」=時間、「どこで」=場所で書き出して、伝えたい場面をあらわします。

●「いつ」から書き出した例
神戸の冬
今年の冬休みは、神戸のおじいちゃんの家に遊びに行きました。

運動会
今日は、台所の音で早く目が覚めた。見ると、お母さんが大きなお弁当箱にたくさんのごちそうを詰めていた。

初めての包帯
1ヶ月前に自転車で転んでケガをしてしまった。左腕の骨にヒビが入ったようで、病院でぐるぐる巻きにされた。

●「どこで」から書き出した例
お手伝い
家の玄関にはたくさんの靴が散らかっています。家族全員分の靴を揃えるのが、ぼくの仕事です。

合唱コンクール
ステージでは、照明の光がまぶしくて、あまり目を開けられませんでした。

好きな本
図書館で図書委員の仕事をしていると、好きな車の本を見つけました。

文章が時間から始まることで、時間のながれが想像しやすくなり、文章が場所から始まることで、場面を想像しやすくなりますね。

その場の雰囲気を伝える様に書く例(会話・動作・音)

会話や動作、音を書き出しに使うと、まるでその場にいるような臨場感のある作文が書けます。

「会話」から書き出した例を2つ取り上げ、「会話あり」と「会話なし」とで比べて見てみましょう。

●「会話」から書き出した例1
【会話あり】
大掃除
「危ないっ!!」
という先生の声で立ち止まると、床に水が入ったバケツが置いてあった。

【会話なし】
大掃除
危ないと先生に言われて立ち止まると、床に水が入ったバケツが置いてあった。

【会話あり】の文章のように、会話から始まることで、目の前にあるバケツをひっくり返さないように注意した先生の緊迫感が伝わる文章になっています。

●「会話」から書き出した例2
【会話あり】
公園
「ブランコしに行く人~」
「は~い」
お姉ちゃんの声で、僕も妹も一斉に返事をした。

【会話なし】
公園
お姉ちゃんが公園に誘ったので、僕も妹も一斉に返事をした。

会話から始まることで、お姉ちゃんの楽しく優しい感じや、兄妹の仲の良い感じが伝わる文章になっています。

次に、動作から書き出した例を2つ見てみましょう。

●「動作」から書き出した例1
鉄棒
思いっきり地面を蹴った。
初めて一回転することができた。

「動作」から書き始めることで、どんな場面かがわかりやすくなります。この文では、初めて一回転できたときの様子がよく伝わります。

●「動作」から書き出した例2
野良猫
ふわっと足元に暖かいものが当たった。
見ると、ふわふわの白猫が私の足にまとわりついている。

この文章は、同じ「動作」から始まっていても、自分以外の人やもの、動物などの「動作」について書かれています。

書き出しに何か得体の知れないものを書くと、その後の文章を読み進めたくなります。

次に、「音」から書き出した例を2つ見ていきましょう。

●「音」から書き出した例1
入院
ピーポーピーポー
目覚めたとき、ぼくは救急車の中だった。

救急車の音を書き出しに使うことで、その音を聞いて目覚めたことが伝わる文章になっています。

●「音」から書き出した例2
おじいちゃんの風邪
ゴホンゴホン
深い咳をずっとしていて、苦しそうだった。

咳の音を具体的に表すことで、風邪の症状がより詳しく伝わる文章になっています。

このように、「音」を書き出しで使うと、後に続く文章がより伝わりやすくなる効果があります。

聞いた音をそのまま文章にするのは簡単なので、低学年からチャレンジできそうですね。

「会話」・「動作」・「音」を書き出しに使ったその他の例は、こちらの記事でもご紹介しています。→どうやって書いたら良い?小学生が気をつける感想文の書き方

書きたいことをストレートに書く例(できごと・感想)

何かが起こったときや、生活に変化があったときなどに、「できごと」をそのまま書くと、伝わりやすい文章に仕上ります。

●「できごと」から書き出した例1
宿泊研修
学校での宿泊研修に行きました。

●「できごと」から書き出した例2

夜中に飛び起きるほどの怖い夢を見ました。

このように、いつもと違うことが起きたときに、「できごと」から書き出すと、その後につづく文章を書きやすくなります。

そのあと、どんなことが起こったのか、読み手を引き付ける効果もあります。

次に、「感想」から書き出した例を見てみましょう。

●「感想」から書き出した例1
とびばこ
ぼくは とびばこが きらいです。
いつも しろいところにのって うまくとべないからです。

ものごとに対する「感想」を書き出しに使うと、書き手の気持ちが伝わりやすい文章が書けます。

●「感想」から書き出した例2
図書館
私は本が好きです。
一週間に3冊ずつ、新しい本を借りに行くのが楽しみです。

このように、「好き」や「嫌い」といった書き手の気持ちを素直に表現すると、読み手に伝わりやすくなります。

他にも、「感想」を表す表現として、以下の表現が挙げられます。

  • 楽しい
  • おもしろい
  • うれしい
  • おどろく
  • さびしい
  • かなしい
  • おこる
  • くやしい
  • おかしい
  • はずかしい
  • こわい
  • ~したい(願望)
  • ~になりたい(願望)
  • なぜ~か?(疑問)
  • どうして~か?(疑問)

自分の言いたいことをはっきりと伝えたいときに、「感想」から書き出してみましょう。

物語のように感動的に書く例(天気・様子)

そのときの「天気」や「様子」を書き出しに入れることで、物語の一場面のような情景が伝わります。

●「天気」で書き出した例1
展望台
澄み渡った空には満天の星が広がっています。

●「天気」でかきだした例2
最後の遠足
雲一つ無い青空とまぶしい日差しが照りつける日でした。

このように、書き出しに「天気」を使うと、普段とは違った文章の感じが出せます。また、「天気」の様子から、その時の情景を想像しやすくなります。

●「様子」で書き出した例1
いつもの公園
チューリップがたくさん咲いている公園では、ぼくの友達がたくさん来て遊んでいる。

●「様子」で書き出した例2
球技大会
石ころ一つないグラウンドで、大会に出る人たちが準備体操を始めた。ぼくは兄を応援するために、一番近い草むらにシートを敷いた。

このように、書き出しに「様子」を使うと、いつもの場所を描いただけでも、印象的な書き出しに仕上ります。

場所の風景が具体的に想像できて、すんなりと文章の世界に入っていけますね。

かぎかっこで書き出すときの注意点は何がある?

かぎかっこでの書き出しには、「会話」から書き始める場合と、「強調したいこと」で書き始める場合があります。

それぞれの書き出しの場合についてみていきましょう。

「会話」から書き始める場合

書き出しを「会話」から始めるときは、書き方の決まりが3つあります。

  • 書き出しを「会話」で始めるときは、かぎかっこでくくる
  • 会話文として独立している時は、書き始めにひとマス空けなくて良い
  • 会話文は1行分使う(2行以上にわたる場合も次の文章は改行する)

会話文を書くときは、文の始めでもかぎかっこでくくって書き始めます。

書き始めや段落の始まりには、ひとマス空けるという決まりがありますが、会話文で書き始めるときは、ひとマス空けなくても大丈夫です。

ひとマス空けるのは、会話文として独立していない(次の分とつながっている)場合です。

「強調したいこと」の書き出し例では、ひとマス空ける例がありますので、順にご説明します。

また、会話文となるかぎかっこ(「 」)は、それだけで1行分使います。

そのため、会話が続くときは、かぎかっこの始まりは以下の例文のように、いつも改行して始まります。

例文(□は空欄のマスを表しています。)
「ただいま」
「おかえり」
「きょうのおやつは何?」
「さあ何でしょう」
□ぼくは、大好物のチョコレートだと予想した。

このように、「会話」での書き出しでは、会話ごとに1行ずつ使います。

「強調したいこと」で書き始める場合

かぎかっこは「会話」だけでなく、「強調したいこと」をくくるときにも使われます。

たとえば、以下の例文のように使われることがあります。

例文(□は空欄のマスを表しています。)
□「ただいま」というと「おかえり」と返ってきて、今日のおやつを聞くのがわが家の習慣だ。

このように、会話文ではなく「強調したいこと」で書き始める場合は、ひとマス空けて書き始めます。

また、かぎかっこの後は改行せずに、文章を続けます。

「会話」と「強調したいこと」の書き出しでは、それぞれ書き方の違いがあるので、知っておくとスムーズに書き出せます。

いつもの書き出しに工夫を凝らして魅力的な作文にしよう!

どんなに良い内容の作文でも、書き出しがつまらなければ、読み手は退屈してしまいます。

書き出しを工夫すると、読み手の心をグッとつかんで魅力的な作文に仕上ります。

今回ご紹介した4つの書き出し方をおさらいしてみましょう。

●「いつ」「どこで」から書く
 =あった出来事が正確に伝わる
●その場の雰囲気を伝える様に書く(会話・動作・音)
 =状況が伝わりやすく、読み手を引き込みやすい
●書きたいことをストレートに書く(できごと・感想)
 =書きやすく、伝わりやすい
●物語のように感動的に書く(天気・様子)
 =おしゃれで感動的な文章が仕上がる

これらの4つの書き出し方のなかで、自分の作文に取り入れたら魅力的だと思える書き出しを選んでみて下さい。

そして、書き出しが「会話」や「強調したいこと」で書き始める場合は、以下の決まりに注意して書くようにしましょう。

「会話」での書き出し

  • 書き出しの「会話」はかぎかっこでくくる
  • 書き始めにひとマス空けなくて良い
  • 会話文は1行分使う

「強調したいこと」での書き出し

  • 「強調したいこと」の部分だけをかぎかっこでくくる
  • 書き始めはひとマス空ける
  • かぎかっこの後に文章を続ける

これらのことに気をつければ、書き出しで困ることはないでしょう。

いつもの文章とは違った書き出しをすると、作文がより魅力的になるに違いありません。

余裕があれば、同じ作文で違う書き出し方をしてみると、雰囲気の違いがよく分かります。

難しそうに思える作文の書き出しですが、これで素敵な文章が書けるよう練習をしてみて下さい。

上手な表現が身につくと、作文の力が一段とアップしますよ。

書き出しで悩んでいるお子さんがいたら、さまざまな書き出し方を提案してみて下さいね。

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