【高学年編】小学生の読書感想文の書き方。マネしたい5つのコツ


「本を一冊選んで、読書感想文を書いてください。」

夏休みや冬休みの課題として、読書感想文が出されることはよくあります。

ほかにも、コンクールに向けた作品を書く場合もありますね。

高学年になると、読書が好きな子と苦手な子に大きく分かれます。読書が苦手な子にとってはつらい課題です。

しかし、読書感想文で書く「自分の気持ち」は、読書が苦手でも湧いてくるものです。

気になる本を読んで感じた気持ちを素直に文章にできるよう、お手伝いできれば幸いです。

ここでは、原稿用紙に書く時のポイントや、良い感想文を書く時の5つのコツと、悪い感想文の例をご紹介しています。

また、高学年で使ってほしい表現技法について取り上げています。

原稿用紙はどう使う?覚えておきたい原稿用紙の正しい使い方

読書感想文を書いて提出するときは、原稿用紙が必要になります。

原稿用紙は、20字×20字の400字詰め原稿用紙が一般的です。どのマスに何を書いたら良いのか、初めのうちは悩んでしまうこともあります。

原稿用紙に書くときの主なポイントは以下の6つです。

  • 題名は2~3字下げて書く。
  • 学校名を2行目に書き、学年・組と氏名を3行目に書く
  • 学年・組の下のマス、名字と名前の間のマス、一番下のマスはひとマス空ける
  • 段落が変わるときは、ひとマス空けて書き始める
  • 句読点・符号、かぎかっこはひとマス使って書く
  • 句読点・符号、かぎかっこが行の最初にくるときは、前の行の最後のマスに入れるか、その下に書く。

こうした決まりを守って書くことが基本です。

こちらの記事では、原稿用紙の書き方について詳しくご紹介しています。

原稿用紙の書き方に自信が無いときは、ぜひ確認してみて下さい。→どうやって書いたら良い?小学生が気をつける感想文の書き方

原稿用紙は何枚ぶん書いたら良いの?学年ごとの規定の枚数

読書感想文のコンクールに出品する場合は、規定の枚数を守って書くことが大切です。

「青少年読書感想文全国コンクール」では、以下のような字数(枚数)の規定があります。

・原稿用紙の大きさや字詰めの規定なし
・小学校低学年の部(1、2年生)は本文800字以内=2枚
・小学校中学年の部(3、4年生)は本文1,200字以内=3枚
・小学校高学年の部(5、6年生)は本文1,200字以内=3枚
・句読点や改行のための空白も字数として数える
・題名、学校名、氏名は字数に数えない

このように、小学校高学年では、原稿用紙3枚分を書かなくてはいけません。

この枚数が「多い」と感じるか、「少ない」と感じるかは、子どもによってさまざまです。

感想文を書くことが苦手な子にとっては「多い」と感じるかもしれません。

しかし、感想文に書く内容は、

実際に読書感想文を書く方法をみていきましょう。

良い読書感想文を書く方法と悪い読書感想文のスタイル

作文を書く回数を重ねているはずの高学年でも、書くのが苦手という子はいます。

さらに、読書感想文を書くとなると、「本を読むこと」が大前提となります。本を読むことも書くことも苦手な子にはとても大変な作業ですね。

苦手と感じる子の中には、本のあらすじだけを見て感想を書いたり、感想にあらすじばかり書いたりする子もいます。

こうした書き方は、「よくない書き方」に分類されます。これについては、後ほど詳しくご説明します。

そもそも読書感想文で読み手が知りたいのは、「本のあらすじ」ではなく、「感想文を書いた人の気持ちの変化」です。

そのため、本のあらすじばかりを書いてしまわず、本の内容と自分の気持ちや体験とを結びつけて書くことが大切なのです。

まずは、「良い書き方」をしっかりと覚えておきましょう。

読書感想文を書くときの5つのコツ

さきほど、少しご説明したとおり、本の内容と自分の気持ちや体験を結びつけて書くことが大切になります。

つまり、本のあらすじは短くて良いのです。

全くあらすじが無いのも、わかりにくい感想文となってしまうので、適度にあらすじをまとめて入れるとよいでしょう。

  • あらすじは短くまとめて説明する
  • 本を読んで受けた感動をストレートに表現する
  • 本の主人公の生き方や考え方を自分と比べて考える
  • 自分の体験で得たものを本の内容と絡めて考える
  • 同じ作者の他の本や、似たテーマの本と比べて考える

この5つが、良い読書感想文にするためのコツです。

また、良い書き方には、6つのステップがあります。

良い書き方への6つのステップ

5つのコツでは、どんなことを書いたら良いのかお伝えしました。実際に書くときは、以下のステップに気をつけて書くとスムーズです。

  • ステップ1 材料集め
  • ステップ2 材料に厚みをつける
  • ステップ3 テーマを決める
  • ステップ4 構成を決める
  • ステップ5 下書きする
  • ステップ6 清書する

具体的にみていきましょう。

【ステップ1 材料(ネタ)集め】
「材料集め」とは、読んだ本の中で強く印象にのこった部分や、感想を書きやすい部分をメモやノートに書き留めておくことです。

一度、本を読んだら、自分なりの簡単なあらすじを書いておきます。

主人公や登場人物で気になった人を書いておいても良いでしょう。

こうして書き留めたポイントは、後で感想文を書くときのネタ帳になります。

【ステップ2 材料に厚みをつける】
ステップ1で気になったことや、印象に残った部分と自分を照らし合わせて、感想文として成り立つように、材料に厚みをつけます。

そのために、登場人物の行動や体験から、自分が受けた思いや感動、考えをメモします。

「楽しかった」や「悲しかった」などの簡単な感想も入れておくと後で役に立ちます。

登場人物と同じような行動や体験をしたことがあれば、そのときのことを具体的に書いておきます。

また、本文で印象深い文章を抜き書きし、思ったことを書いておきます。

【ステップ3 書くテーマを決める】
色々と集めた材料を元に、どんなテーマだと書きやすいかを考えます。

共感した部分が多い場面をテーマにすると書きやすいでしょう。

【ステップ4 構成を決める】
作文を書くときは、3段階の構成をすると、わかりやすい作文になります。

3段階の構成とは、「始め」、「なか」、「終わり」の3つに分けた構成のことで、段落を大きく分けたものと考えると良いでしょう。

「始め」は文章の書き出しに当たる部分で、これからどんなことを言いたいのかを示しておくと、その後の文章を書きやすくなります。

「なか」は文章の中身に当たる部分で、「始め」で言ったことに関連した出来事や、起こった出来事などを、物事の順序に従って書いていきます。

「終わり」は、まとめにあたる部分で、「なか」で書いた出来事に対して考えたことや、読書感想文を書いていて感じたことなどを書きます。

構成を考えるときは、「題名」、「一番書きたいこと」、「始め」、「なか」、「終わり」の5つについてメモ書きしておくと、実際に感想文を書くときにスムーズです。

【ステップ5 下書きする】
ステップ1で集めた「材料(ネタ)」と、ステップ4で考えた「構成」をもとに、ノートなどに下書きしていきます。

一度、書きたいことをザッと書いてみると、全体の字数や文章のおおまかな流れがわかります。

書いてみて、おかしいな…と思うところを、修正してから清書します。

【ステップ6 清書する】
ここで、いよいよ原稿用紙に書きます。

下書きで直した部分に気をつけて、原稿用紙に書いていきます。書いているうちに、読みにくい箇所が出てきたら、その場で対処しましょう。

原稿用紙に書いていると、よくあるのが「、」や「。」といった句読点が行の始めにきてしまうことです。

そのまま書き進めてしまうと、読みにくい文章になってしまうので、行の終わりに書くようにしましょう。

読みにくくてつまらない!読書感想文の良くない書き方

「感想を書きなさい」と言われて書いたのに、良くない評価をもらってしまうことがあります。

それは、もしかしたら知らず知らずのうちに、「よくない書き方」をしてしまっていたのかもしれません。

例えば、あらすじや本のあとがきをそのまま書き写してしまっている場合がよくあります。

本に書いてあるあらすじやあとがきは、良くまとまっていて伝わりやすいのですが、そのまま写してしまうのはよくありません。

本文をそのまま使いたいときは、カッコ書き(「 」)にするなどして、引用したことがわかるようにするのがマナーです。

それに、引用したとしても、感想文の大半が引用文では「感想文」とはいえませんね。

あらすじは、読み手にちょこっと内容を分かってもらう程度で良いのです。

他にも、以下の感想文は良くない書き方としてあげられます。

  • 人を差別する内容の感想文
  • あらすじばかりで感想がほとんど無い感想文
  • 本の始めしか読まずに感想を書いている感想文
  • あらすじ、感想、あらすじ、感想…の繰り返しで、わかりにくい感想文
  • 「~出来ません。」「~したくありません。」など、否定文ばかりの感想文
  • 疑問を投げかけたあと、解決策や考えを述べずにほったらかしの感想文

これらの感想文は、読んでいて面白みに欠けます。自分の感想文が良くない書き方をしていないか、確認してみて下さいね。

高学年になったら使って欲しい!ワンランクアップな表現技法

高学年になると、たくさんの本と触れ合える機会があります。

読んだ本の中で見つけた、うまい表現方法や言い回しを、自分の感想文で使ってみましょう。

感想文をより伝わりやすくするために、以下のような表現があります。

●段落の順序を示すとき
・はじめに、/第一に、/まず、
・次に、/そして、/それから、

●強調するとき
・特に
・とりわけ

●理由を示すとき
・なぜなら、~だからです。
・その理由は、~からです。

●例を挙げるとき
・たとえば、

●たとえて書くとき
・まるで、~ようだ

●強い否定をするとき
・決して、~ない

●予想を書くとき
・もし、~なら
・たぶん、~だろう
・おそらく、~だろう
・まさか、~ないだろう

これらの表現は、文章と文章をつなげる役目をして、読み手にわかりやすい文章にしてくれます。

感想文のレベルアップを狙って、少しずつ取り入れてみて下さい。

こちらの記事では、書き方の例文について、ご紹介しています。→読書感想文はどうやって書く?小学生が書くときに必要な書き方の例

色々なパターンの書き方を覚えて、自分なりに表現してみよう

良い読書感想文と悪い読書感想文について取り上げましたが、いかがでしたか?

読書感想文が苦手な子の中には、良くない書き方をしていたと発見することもあるでしょう。

読書感想文を書くときの5つのコツを思い出してください。

  • あらすじは短くまとめて説明する
  • 本を読んで受けた感動をストレートに表現する
  • 本の主人公の生き方や考え方を自分と比べて考える
  • 自分の体験で得たものを本の内容と絡めて考える
  • 同じ作者の他の本や、似たテーマの本と比べて考える

感想文が苦手な子にとって、手順がたくさんあると感じてしまうかもしれませんが、良い読書感想文を書こうとする思いは、とてもシンプルです。

「自分の気持ちを素直に書こう」
「読んでいる人に伝わるように書こう」

この2つの思いを持っていれば、読み手に伝わりやすい文章づくりを心掛けられるはずです。

高学年で使ってほしい表現を織り交ぜながら、6つのステップを実践してみてください。

  • ステップ1 材料集め
  • ステップ2 材料に厚みをつける
  • ステップ3 テーマを決める
  • ステップ4 構成を決める
  • ステップ5 下書きする
  • ステップ6 清書する

もし、今まで文章中にあらすじばかり書いていたとしても、次は自分の体験や感想を多く書き込んでみてください。

きっと、いままでより素晴らしい感想文が出来上がるはずです。

この記事をシェア

合わせて読みたい

ページ先頭に戻る